<p>年末なので、2023年に読んだ中で良かった本をまとめておこうという記事。</p>
<p>今年も、年内に読んだ本の中から特に良かった本を7冊紹介します。</p>
<p><img src="/img/2023/12/30/thumbnail.jpg" alt="サムネ"></p>
<h3>言語はこうして生まれる</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0BGXDM9F4">https://www.amazon.co.jp/dp/B0BGXDM9F4</a></p>
<p>言語はジェスチャーゲームが由来となってできたという説をベースに、言語処理に関する研究や言語誕生に関する歴史、子供の言語獲得に関しての考察などを述べていく本。</p>
<p>言語の成り立ちであったり、新語の生成といったものに興味があるならオススメ。</p>
<p>チョムスキーの普遍文法やFOXP2という言語遺伝子に対する反論、自然発生する言語秩序、他人の足跡をたどることで子供は言語を学習する、など。</p>
<p>言語を数理解析する姿勢への批判、コミュニケーションの道具としての文脈で見直そうというというメッセージを感じた。</p>
<p>昨年の7冊にも入れた『心はこうして創られる』も良かったので、今後もニック・チェイターの著書を見かけたら読んでいきたいところ。</p>
<h3>会話の科学 あなたはなぜ「え?」と言ってしまうのか</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0BZD3C3XY">https://www.amazon.co.jp/dp/B0BZD3C3XY</a></p>
<p>こちらも言語に関する本。会話する際に発せられる「え？」「あー」「えーっと」という無意味そうにみえる言葉にどういった意味があるのかを、会話に関する研究を通じてみていく本。</p>
<p>これまで言語学で研究の対象とされてこなかった、対話における言葉にならない言葉がいかに重要であるかを詳説している。</p>
<p>お互いが交互に会話をするということがいかに高度なことであるか、返答の応答速度の違いや辞書に載らない単語が会話にどう影響しているのかといった研究を見ていく。</p>
<h3>『取材・執筆・推敲』</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B08W9MXH59">https://www.amazon.co.jp/dp/B08W9MXH59</a></p>
<p>ライターが原稿を作り上げるまでの流れについて書いた本。</p>
<p>小手先のテクニックではなく、原稿を書き上げるための心構えが掛かれている。</p>
<p>執筆とは「取材の翻訳」、文章構成の考え方を桃太郎の絵本から学ぶ、推敲は過去の自分への取材、などが特に印象に残っている。</p>
<h3>宇宙になぜ、生命があるのか</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0CBJX2FHL">https://www.amazon.co.jp/dp/B0CBJX2FHL</a></p>
<p>インフレーション宇宙論と生命が発生する確率について。</p>
<p>天文学・宇宙物理学の視点から、最初の生命がどのように誕生したのか、それはどのくらいの確率で発生し、実際に起こりうる程度の確率に収まるのかを考察していく。</p>
<p>宇宙で生命が発生するための諸条件が起こる確率から、もっとも近所にいる宇宙の生命体がどの程度遠くにいるのだろうかと考えていくのがとても楽しい思考実験でもある。</p>
<p>宇宙でいう138億光年というのが地球だと5kmくらいかも、と比べられていたのが特に印象的。</p>
<p>地球外生命の探査に実際どのくらいの望みがあるのかという点でも参考になる一冊かなと。</p>
<h3>創造性をデザインする</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4326654341">https://www.amazon.co.jp/dp/4326654341</a></p>
<p>空間設計がユーザに与える影響、建築の社会学について。</p>
<p>学校建築・オフィスデザイン・公共空間のデザインを見ながら、空間設計がヒトのふるまいをどう促しているかを見ていく。</p>
<p>学校建築が過去どのような批判にさらされ、現在どのように変化しているのか。同じ視点でオフィスデザインをみたときにどのような施策が打たれているのか。</p>
<p>現状は、"個々人が何をどう感じ、どう考えるかが尊重されて強い統制が避けられ、「創造性」へとつながっていくような自発的ふるまいが促されるという働きかけ" を重視して空間が設計されている様子。</p>
<p>会社員の1人としては、流行りのクリエイティブ・オフィスなるものがどういった理論武装をして構築されていったのかを興味深く読んだ。</p>
<h3>万物の黎明</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0CHMCH1DH">https://www.amazon.co.jp/dp/B0CHMCH1DH</a></p>
<p>先史時代の人類が平等で無邪気な存在であるとか戦争好きな存在といった先入観・誤解を取り除くために、考古学と人類学の知見とともに格闘していく本。</p>
<p>人類が穀物を発見したため、農耕を主とした定住生活となり、人口が増えて都市となり文明ができた。というのが、これまでの常識であったが、これはどうやら現代からみた安直なストーリー付けであり、そこの対応関係はかなり薄そうだという論が展開される。</p>
<p>『銃・病原菌・鉄』と『サピエンス全史』を読んだあとに読むべき本。その2冊に対して専門家が訂正していく本という趣もある。</p>
<p>人類は農耕を始める前から人類だったのだなという感想と、もうすこしこの時代の発見にふれる機会が増えるといいなという感想を持った。</p>
<h3>ハッピークラシー</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4622095491">https://www.amazon.co.jp/dp/4622095491</a></p>
<p>ポジティブ心理学への批判。「幸せ」を強要する社会がいかにして作られてきたのか。</p>
<p>幸せを追い求めさせるビジネス。政治や企業と結びつき隆盛したポジティブ心理学。労働者に幸福を求め、苦しみを自業自得だとする構造。社会病理や社会不安の感情的構造を個人の努力不足に帰着させてしまうロジック。そういった社会に対する批判がされていく。読むときはなるべくメンタルが強いときに。</p>
<p>この本を読んで、自身が幸福であることを喧伝するのは社会を切り抜けるライフハックとして使えそう。と思うと同時に、「市民、幸福は義務です」というセリフがフィクションでなくなってきているなと末恐ろしいものを感じた。</p>
<h3>後記</h3>
<p>来年も良い本に出合えるといいですね。</p>
<p> </p>


年末なので、2023年に読んだ中で良かった本をまとめておこうという記事。
今年も、年内に読んだ本の中から特に良かった本を7冊紹介します。

言語はこうして生まれる

言語はジェスチャーゲームが由来となってできたという説をベースに、言語処理に関する研究や言語誕生に関する歴史、子供の言語獲得に関しての考察などを述べていく本。
言語の成り立ちであったり、新語の生成といったものに興味があるならオススメ。


2023年に読んで良かった7冊の本

<p>いつもの。</p>
<p><img src="/img/2023/12/29/thumbnail.jpg" alt="image"></p>
<h3>万物の黎明</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0CHMCH1DH">https://www.amazon.co.jp/dp/B0CHMCH1DH</a></p>
<p>先史時代の人類が平等で無邪気な存在であるとか戦争好きな存在といった先入観・誤解を取り除くために、考古学と人類学の知見とともに格闘していく本。</p>
<p>人類が穀物を発見したため、農耕を主とした定住生活となり、人口が増えて都市となり文明ができた。というのが、これまでの常識であったが、これはどうやら現代からみた安直なストーリー付けであり、そこの対応関係はかなり薄そうだという論が展開される。</p>
<p>印象に残ったトピックとしては以下。</p>
<ul>
<li>17世紀新大陸発見時に、優位性を求めたヨーロッパ人と自立した生活と平等な政治システムを持っていたアメリカ先住民。</li>
<li>農耕が始まる前から定住をしていた。また、栽培をするうえで都合のよいのは氾濫原であり、農耕の開始は土地の所有と結び付かなかった。</li>
<li>国家なしで人口の多い社会集団は多々存在したし、ヒエラルキーの発生も必然ではない。</li>
</ul>
<p>先史時代に対する見方・考え方が変わる良書ではあるが、分厚く読みにくい言い回しの本でもある。</p>
<h3>そのビジネス、経済学でスケールできます。</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4492315462">https://www.amazon.co.jp/dp/4492315462</a></p>
<p>ビジネスがスケールしない原因5つとなぜその原因に気づけないのかについて経済学視点での解説。</p>
<p>思い込みや偽陽性はないか／対象者を過大評価していないか／大規模には再現できない特殊要素はないか／ネガティブなスピルオーバーはないか／コストがかかりすぎないか の5点をスケールできない原因として示す。そして、一部のサンプルで成功した事例を大規模にしたとき失敗するのはなぜかについて解説する。</p>
<p>経済学視点ではあるが、人間の思い込みによってうまくいくと思い込んで失敗する事例が続々紹介され、心理学的な趣も多々感じた。良書。</p>
<h3>標本の発見</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4336075638">https://www.amazon.co.jp/dp/4336075638</a></p>
<p>国立科学博物館の本。日本の生物多様性保全というテーマで、標本の写真とともに種の絶滅や保全についての解説が並ぶ。</p>
<p>標本に対する解説もさることながら、標本から非破壊でDNAを抽出する技術が開発されていること、展示されている標本は展示用に消耗品扱いで作られていることも驚きであった。</p>
<h3>植物に死はあるのか 生命の不思議をめぐる一週間</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/481561895X">https://www.amazon.co.jp/dp/481561895X</a></p>
<p>小説形式で語られる、植物とはなにか。</p>
<p>どうして植物は動かないのか。植物と動物の違いとは何か。草とはなにか。そういった疑問を教授が謎の学生からもらったメールに返信する中で考え応えていく。</p>
<h3>都市と緑の人類史</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4791775961">https://www.amazon.co.jp/dp/4791775961</a></p>
<p>都市には多様な生命が生息しているとし、都市と自然における過去の攻防と、生物多様性に富んだ環境と都市が見られるようになってからの施策について書かれている。</p>
<p>ヨーロッパ圏での話題のため日本のものと比べると多様性が薄く感じるが、他地域で都市の自然がどのようにとらえられてきたのかの変遷が参考になる。</p>


いつもの。

万物の黎明

先史時代の人類が平等で無邪気な存在であるとか戦争好きな存在といった先入観・誤解を取り除くために、考古学と人類学の知見とともに格闘していく本。
人類が穀物を発見したため、農耕を主とした定住生活となり、人口が増えて都市となり文明ができた。というのが、これまでの常識であったが、これはどうやら現代からみた安直なストーリー付けであり、そこの対応関係はかなり薄そうだという論が展開さ

2023年12月に読んだ本

<p>いつもの。</p>
<p><img src="/img/2023/11/30/thumbnail.jpg" alt="image"></p>
<h3>会話の科学 あなたはなぜ「え?」と言ってしまうのか</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0BZD3C3XY">https://www.amazon.co.jp/dp/B0BZD3C3XY</a></p>
<p>会話する際に発せられる「え？」「あー」「えーっと」という無意味そうにみえる言葉にどういった意味があるのかを、会話に関する研究を通じてみていく本。
これまで言語学で研究の対象とされてこなかった、対話における言葉にならない言葉がいかに重要であるかを詳説している。</p>
<p>気になったトピックとしては以下。</p>
<ul>
<li>話者交換のタイミングは声の高さや文法など幅広い情報から察している。</li>
<li>日本人の応答速度は世界一速い。言語によって応答速度に差がある。</li>
<li>「なに？」や「え？」といった母音からなる修復ワードによって会話の流れが修復されている。</li>
</ul>
<h3>脳は世界をどう見ているのか</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B09XV35SNR">https://www.amazon.co.jp/dp/B09XV35SNR</a></p>
<p>脳の働きに関する本。脳がどうやって予測するのかの理論的枠組みと現行の人工知能に対する批判、人類滅亡後の世界に遺産をどう残すかについてが書かれている。</p>
<p>新皮質がどこも同じように見えるのに異なる働きをしているように見えるのは、共通のアルゴリズムで動いているからだ、という理論。
15万の皮質コラムが入力の経時変化から予測モデルを学習し、座標系に対する位置に保存されるという説。
知識は脳内に分散され、それぞれの皮質コラムが判断・投票し、最多票に選ばれたものが知覚として持ち上がるという考え。そういった脳の働きについての考えが展開される。</p>
<h3>身のまわりのあんなことこんなことを地質学的に考えてみた</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0BXNSRQVG">https://www.amazon.co.jp/dp/B0BXNSRQVG</a></p>
<p>タイトル通りの本。興味深いコンテンツ、知らなかったこと多めで解説もわかりやすくおすすめ。</p>
<p>砂と落ち葉を混ぜても土にはならない。自然の山は巨大な岩で土を盛り上げただけの人工の山と異なる。</p>
<p>スズメは恐竜だが首長竜は恐竜でない。粘土でコーティングされた光沢紙。地球誕生が46億年前だとどうやって測ったのか。など興味深いコンテンツが並ぶ。</p>
<h3>桝 太一が聞く 科学の伝え方</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4807920367">https://www.amazon.co.jp/dp/4807920367</a></p>
<p>サイエンスコミュニケーションというテーマで行う対談集。</p>
<p>マスコミから研究室に映った立場から複数の研究者にインタビューし、サイエンスコミュニケーションを成立させていくにはどうしていけばいいかを模索していく。</p>
<p>アナウンサー経験があるからか、インタビューがうまい。科博のクラウドファンディングでもインタビューをしていたが、桝さんがインタビューをする回はおもろかった記憶がある。</p>
<h3>ビジュアル地球を観測するしくみ</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4254160801">https://www.amazon.co.jp/dp/4254160801</a></p>
<p>地球を観測するためにどういった方法が取られているのかを説明する本。気象観測、海洋観測、地震や火山の観測について書かれている。</p>
<p>日頃の天気予報で表示されているデータがどのように取得されているのかについて、装置の概略やセンサの仕組みとともに解説されていて、とても興味深い。</p>
<h3>今と未来がわかる身近な機械</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0CL4K2WYH">https://www.amazon.co.jp/dp/B0CL4K2WYH</a></p>
<p>身の回りにある機械の構造を解説する本。冷蔵庫や掃除機みたいなものから、電子レンジ、電気シェーバー、イヤホンやカメラといったものまで。</p>
<p>最近の家電は分解しても仕組みがわからないので、そのあたりを解説しようというコンセプト。</p>
<p>この本を読んで、回らない電子レンジで下の方が温まりやすい理由や往復式の電気シェーバーがどうやって往復しているのかを知って目鱗した。</p>
<h3>バーチャルモデルで変貌したモノづくりが世界を席巻する</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4526082929">https://www.amazon.co.jp/dp/4526082929</a></p>
<p>ものづくりのDXについて。</p>
<p>デジタルを中心としたモノづくりとは、コピーマスターのデジタル化である、と近代のモノづくりの変遷を見ていく。</p>
<p>金型が2Dから3Dに置き換わっていっていること。日本の職人的なモノづくり環境では2Dの図面がベースであること。経営者がIT部門にビジョンを含めた丸投げがIT人材不足という問題として浮き上がっていることなど、日本のモノづくりにおけるデジタル化の遅れに対する問題提起が挙げられた書。</p>
<h3>日本史を支えてきた和紙の話</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0CL65FQYJ">https://www.amazon.co.jp/dp/B0CL65FQYJ</a></p>
<p>黒子として日本を支えてきた和紙にフォーカスを当てる本。</p>
<p>古墳時代の日本に最新の紙漉き技術が伝えられたが、技法の先祖返りを起こしつつ技術力を高めた結果の和紙。仏教を国の中心に置くため紙の大量生産を進めた聖武天皇。公務に使う男性用の紙と源氏物語のような和歌や女流文学で使う紙の違い。屛風に使う紙、浮世絵に向いた紙などなどのトピックが並ぶ。</p>


いつもの。

会話の科学 あなたはなぜ「え?」と言ってしまうのか

<p>会話する際に発せられる「え？」「あー」「えーっと」という無意味そうにみえる言葉にどういった意味があるのかを、会話に関する研究を通じてみていく本。
これまで言語学で研究の対象とされてこなかった、対話における言葉にならない言葉がいかに重要であるかを詳説している。</p>
気になったトピックとしては以下。
<ul>
話者交換のタイ

2023年11月に読んだ本

<p>いつもの。</p>
<p><img src="/img/2023/10/31/thumbnail.jpg" alt="image"></p>
<h3>「電気」という物理現象の不思議な科学</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0C9ZP5NBY">https://www.amazon.co.jp/dp/B0C9ZP5NBY</a></p>
<p>電気に関わるものを幅広く見ていく本。</p>
<p>電気と電子のような基礎部分から始まり、電子殻構造や化学結合、雷、生物電気、磁気、これからの電池と発電までと非常に幅広く扱っている。</p>
<p>物理・生物・科学にまたがるかなり幅広い分野を扱いながらも、それぞれわかりやすく説明されている。</p>
<p>電池の仕組み、電気ウナギ、原子に働く電磁気力、再生可能発電、全個体電池。ここまで多ジャンルにまたがって解説されている本もなかなかない。</p>
<p>理科に対する苦手意識を軽減するために読んでもらう本としてとてもよさそう。</p>
<h3>ニッポンの氷河時代</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4309228976">https://www.amazon.co.jp/dp/4309228976</a></p>
<p>日本に残る寒冷化の痕跡を写真とともに説明、紹介していく本。</p>
<p>大阪市立自然史博物館での展覧会がベースに書かれており、大阪平野のボーリング調査による研究内容が多め。</p>
<p>そもそもどうやって過去の地球で氷河期があったことを知るのか、そもそも氷河時代とはなにか、のようなことを化石やボーリング試料の写真とともに説明している。</p>
<p>地球史において氷河のある時代はかなり短いこと、地層が海成・淡水成に移り変わることや花粉化石から当時の気温を予測できることなどを知れた。</p>
<h3>おいしい食の流行史　</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0CG8T94NH">https://www.amazon.co.jp/dp/B0CG8T94NH</a></p>
<p>幕末から現代までの食のトレンド史。食の歴史とトレンドを時代背景とともに紹介する本。</p>
<p>食と社会は切っても切れない複雑な関係であり、時代背景の移り変わりが人の食に対する意識を変化させていったことを感じ取ることのできる一冊。</p>
<p>あんパンから始まる日本の菓子パン、主婦の増加と家事レベルの上昇、キッチン環境の変化と家庭料理などなど。</p>
<p>いわゆる一般的な家庭料理というものがどう形成されていったかを見たような気がした。</p>
<h3>「利他」の生物学-適者生存を超える進化のドラマ</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4121027639">https://www.amazon.co.jp/dp/4121027639</a></p>
<p>生物の共生という戦略について書かれた植物学者と動物学者の共著。</p>
<p>ミトコンドリアと葉緑体を細胞内に組み込む話から始まり、盗葉緑体・盗毒、植物と昆虫・菌との共生などなど。</p>
<p>完全に依存している例もあれば、助け合っているようで実は互いに出し抜こうとしている関係など、共生の形はさまざま。</p>
<h3>はじめての地理院地図</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4772271562">https://www.amazon.co.jp/dp/4772271562</a></p>
<p>地理院地図( https://maps.gsi.go.jp )のチュートリアル本。</p>
<p>距離計測や白地図作成、年代別の空中写真比較、3次元地図の閲覧などの操作方法が書かれている。</p>


いつもの。

「電気」という物理現象の不思議な科学

電気に関わるものを幅広く見ていく本。
電気と電子のような基礎部分から始まり、電子殻構造や化学結合、雷、生物電気、磁気、これからの電池と発電までと非常に幅広く扱っている。
物理・生物・科学にまたがるかなり幅広い分野を扱いながらも、それぞれわかりやすく説明されている。
電池の仕組み、電気ウナギ、原子に働く電磁気力、再生可能発電、全個体電池。ここまで

2023年10月に読んだ本

<p>いつもの。</p>
<p><img src="/img/2023/09/30/thumbnail.jpg" alt="image"></p>
<h3>ハッピークラシー</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4622095491">https://www.amazon.co.jp/dp/4622095491</a></p>
<p>ポジティブ心理学への批判。「幸せ」を強要する社会がいかにして作られてきたのか。</p>
<p>幸せを追い求めさせるビジネス。政治や企業と結びつき隆盛したポジティブ心理学。労働者に幸福を求め、苦しみを自業自得だとする構造。社会病理や社会不安の感情的構造を個人の努力不足に帰着させてしまうロジック。</p>
<p>この本を読んで、自身が幸福であることを喧伝するのは社会を切り抜けるライフハックとして使えそう。と同時に、「市民、幸福は義務です」というセリフがフィクションでなくなってきているなと末恐ろしいものを感じた。</p>
<h3>宇宙になぜ、生命があるのか</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0CBJX2FHL">https://www.amazon.co.jp/dp/B0CBJX2FHL</a></p>
<p>インフレーション宇宙論と生命が発生する確率について。</p>
<p>天文学・宇宙物理学の視点から、最初の生命がどのように誕生したのか、それはどのくらいの確率で発生し、実際に起こりうる程度の確率に収まるのかを考察していく。</p>
<p>神に頼らず宇宙で生命が発生するための条件を考察していく流れが面白い。</p>
<p>地球外生命の探査にどのくらいの望みがあるのかという点でも参考になる一冊かなと。</p>
<h3>索引 ～の歴史 書物史を変えた大発明</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4334100317">https://www.amazon.co.jp/dp/4334100317</a></p>
<p>索引についてを書物史から見ていく本。</p>
<p>アルファベット順がスタンダードになるまで。索引・目次は巻物形式では機能しない。写本で書き写すときにページ数がずれる。皮肉たっぷりな索引。優れた索引と機械的に出力された索引。などなど。</p>
<p>普段意識しない索引に関するエピソードを通じて、現在どのように情報が引っ張られてきているのかに意識を向けることができた。</p>
<h3>線状降水帯 ゲリラ豪雨からJPCZまで豪雨豪雪の謎</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0CGL91TV3">https://www.amazon.co.jp/dp/B0CGL91TV3</a></p>
<p>天気予報で言及されるようになった線状降水帯の位置づけとメカニズムについて。</p>
<p>メソスケールと呼ばれる数km～数百kmのスケールでの線状の降水帯が線状降水帯と呼ばれていて、気象の専門用語としても定義されているようす。</p>
<p>過去にはテーパリングクラウドやにんじん状の雲と呼ばれていたとのこと。</p>
<p>バックビルディング型の積乱雲列を狭義の線状降水帯と呼ぶのが良い、と書かれていた。</p>
<h3>竹取工学物語</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0CHY55B9H">https://www.amazon.co.jp/dp/B0CHY55B9H</a></p>
<p>土木工学者の視点で竹や植物の構造を考察する、雑誌での連載をまとめた本。</p>
<p>竹の節と構造力学、維管束の配置と曲げモーメント、より高くなるには円錐と円柱のどちらがよいか。</p>
<p>竹のような身近なものから力学を学ぶという内容で楽しく読めた。</p>
<h3>脳がゾクゾクする不思議</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0CBPBT87D">https://www.amazon.co.jp/dp/B0CBPBT87D</a></p>
<p>ASMRを複数の科学者の視点から科学的に解明しようとする試み。</p>
<p>ASMRとは何かから始まり、経験記憶から触覚への刺激を錯覚するのでは。クロスモーダルな情報が強調された反応では。感覚の情報補完なのでは。とそれぞれの説が展開されていく。</p>


いつもの。

ハッピークラシー

ポジティブ心理学への批判。「幸せ」を強要する社会がいかにして作られてきたのか。
幸せを追い求めさせるビジネス。政治や企業と結びつき隆盛したポジティブ心理学。労働者に幸福を求め、苦しみを自業自得だとする構造。社会病理や社会不安の感情的構造を個人の努力不足に帰着させてしまうロジック。
この本を読んで、自身が幸福であることを喧伝するのは社会を切り抜けるライフハックとして

2023年09月に読んだ本

<p>いつもの。</p>
<p><img src="/img/2023/08/31/thumbnail.jpg" alt="image"></p>
<h3>博物館とコレクション管理</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/463902830X">https://www.amazon.co.jp/dp/463902830X</a></p>
<p>博物館のコレクションを管理し活かしていくためにどうしていけばいいのか、をテーマにした寄稿集。</p>
<p>令和元年度の調査で6割の博物館で収蔵庫が満杯状態、半分の博物館は資料台帳の作成が未完了という状態の様子。</p>
<p>展示機能が編重され人手も足りず、収集や保管・調査研究への手が回らないという博物館も多いよう。</p>
<p>コレクションを管理するための考え方として、英国の博物館ドキュメンテーション協会の出しているスペクトラムや資料を受け付ける際の最低要件、具体的な資料受付票のサンプルが例示されている。このあたりは他分野にも生かせそうな知見。</p>
<p>博物館資料の収集・整理だけでなく、処分の方法についてもかなり詳細に書かれているのはこの本の特筆すべき点。</p>
<p>ちょうど科博のクラウドファンディングが話題となっているが、こちらもコレクション管理を課題としたクラウドファンディング。返礼品としてバックヤードツアーが用意されているが、バックヤードツアーを常設にしてもいいんじゃないかなとこの本を読んで思った。</p>
<h3>雪と氷にすむ生きものたち</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0CBRC88VC">https://www.amazon.co.jp/dp/B0CBRC88VC</a></p>
<p>雪と氷のような寒い環境にすむ生物、特にユキムシなどの昆虫やそれらの餌となる雪に生える藻について。</p>
<p>日本は世界有数の豪雪地帯で多様な雪氷生物の生息地。寒くないと動けない雪氷生物。氷河に流されないように上流へ向かって歩くユスリカ。水を得るため黒いボール状になるシアノバクテリア。藻によって色づく氷河などなど。</p>
<p>氷河には思っていた以上に生物が住んでいるという驚きと、それぞれの生物が氷河という環境に適応する方法に対する驚き。生物多様性の予想外の広がりを感じられた。</p>
<h3>あなたの知らない食虫植物の世界</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0CB7V286X">https://www.amazon.co.jp/dp/B0CB7V286X</a></p>
<p>食虫植物とはなにか、どこにいるのかどうやって虫を捕まえているのか、について。</p>
<p>フィクションのイメージが先行しがちな食虫植物について、どのような生態なのかが解説されている。</p>
<p>日本にも食虫植物はいる。消化液で手が溶けることはない。死んだ虫をゆっくり酵素で消化している。</p>
<p>食虫植物という種がいるわけではなく、そういう生態のものを呼んでいるだけなので食虫植物に分類されるべきかを議論されている種も多々いる模様。</p>
<h3>人間がいなくなった後の自然</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0C5LP67HH">https://www.amazon.co.jp/dp/B0C5LP67HH</a></p>
<p>人間が去った後の自然についてのルポタージュ。</p>
<p>緩衝地帯や放射線の汚染地域、荒廃都市、スラブなどで新たに構築された生態系についてを旅の様子とともに紹介する。</p>
<h3>いますぐ食べたい!冷凍食品の本</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0BQ6T59RH">https://www.amazon.co.jp/dp/B0BQ6T59RH</a></p>
<p>冷凍食品の紹介とシステム冷凍について。ムック本的な雰囲気。</p>
<p>前半はメジャーどころの冷凍食品を紹介、どういう力の入れ方をしているのか。</p>
<p>後半はシステム冷凍なる、食品と冷凍保存の関連について。</p>
<p>冷凍食品を冷蔵庫で解凍するなと書いてて、冷凍肉のパッケージに書いている解凍方法をバッティングしていたりした。
試しに解凍方法を変えて食べ比べてみたら、正直変わんないなってなった。</p>


いつもの。

博物館とコレクション管理

博物館のコレクションを管理し活かしていくためにどうしていけばいいのか、をテーマにした寄稿集。
令和元年度の調査で6割の博物館で収蔵庫が満杯状態、半分の博物館は資料台帳の作成が未完了という状態の様子。
展示機能が編重され人手も足りず、収集や保管・調査研究への手が回らないという博物館も多いよう。
コレクションを管理するための考え方として、英国の博物館ドキュメン

2023年08月に読んだ本

<p>いつもの。</p>
<p><img src="/img/2023/07/31/thumbnail.jpg" alt="image"></p>
<h3>幻覚剤は役に立つのか　</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B08BNVCH86">https://www.amazon.co.jp/dp/B08BNVCH86</a></p>
<p>幻覚剤、とくにLSDとマジックマッシュルーム由来のサイロビシンについての歴史と研究の最前線、そして幻覚剤の体験レポート。</p>
<p>1960年代にカウンターカルチャーとしてLSDが乱用され危険薬物として規制された。
しかし近年過去の幻覚剤研究を掘り起こし、幻覚剤が脳にどう作用するのか、治療に応用できないかの模索が始まった、らしい。</p>
<p>この本で知れたこととしては、LSDに依存性はない。場を整えることが大切。服用後MRIでスキャンするとデフォルトモード・ネットワークが非活性化される。</p>
<p>幻覚剤の体験談について、筆者は熱込めて書いてるっぽいが、LSDによる神秘体験って案外この程度のものなのかーとなってしまい興味がさらに薄れてしまった。</p>
<h3>最新図解 船の科学</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0C7QBZ3DW">https://www.amazon.co.jp/dp/B0C7QBZ3DW</a></p>
<p>ブルーバックスの船の本。</p>
<p>安定した沈没しづらい低燃費で動く船を作るための、船に関係する物理法則とそれを制御する機構の紹介をしている。</p>
<p>興味を持った部分としては、暑いとこの海と寒いとこの海で船の沈み方が違う。船底の翼で海面から離れ、波の揺れから影響を受けない船。低速ディーゼル線のエネルギー効率は60%超え。プロペラは後方に配置し、すぐ後ろへ梶を取り付けると効率が良い。あたり。</p>
<h3>人間ドックの作法</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0C4KYMPS1">https://www.amazon.co.jp/dp/B0C4KYMPS1</a></p>
<p>人間ドックの検査項目とどのように見ればいいのか。</p>
<p>会社で健康診断を受けさせられるが、そもそも各項目で何を確認しようとしているのか、そもそも検査結果から有用な情報が得られる検査なのか、が解説されている。</p>
<p>必須で押さえておくべきは、血圧・HbA1c・コレステロール・中性脂肪・尿酸値。<br>
話題に上がりがちな腫瘍マーカーや脳ドック、遺伝子検査は非推奨。</p>
<h3>神道とは何か</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B00799SURA">https://www.amazon.co.jp/dp/B00799SURA</a></p>
<p>古代から近世までの神道の流れを概観する本。</p>
<p>政治が祭りごとであった奈良時代から始まり、仏教とのまじりあい、人神信仰、吉田神道あたりまで。</p>
<p>最終的に神仏分離・廃仏毀釈によって切り裂かれることになった神道が、その前がどのような信仰であったのかが述べられている。</p>
<h3>平城京のごみ図鑑</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4309228895">https://www.amazon.co.jp/dp/4309228895</a></p>
<p>平城京跡から出土する当時の人にごみとして捨てられたものを写真付きで紹介する本。</p>
<p>木簡や土器、冠から食べたものの種まで、発掘された様々なものが紹介されている。</p>
<p>正史に記載されなかったような当時の人たちの生活の様子が発掘調査から見えてくるのが面白い。</p>
<h3>心理学者の茶道発見</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4473042251">https://www.amazon.co.jp/dp/4473042251</a></p>
<p>茶道の心理学的考察に関する連載をまとめた本。</p>
<p>道具や所作、流れが客人や亭主にもたらす心理状態の変化を、心理学の知識と用語で解説している。</p>
<p>4畳半という広さに関する考察と戦国時代の影響が残った所作に関してを特に興味深く読んだ。</p>
<h3>日本史の謎は科学で解ける</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0C6FDG4QS">https://www.amazon.co.jp/dp/B0C6FDG4QS</a></p>
<p>歴史の転換期の事象に関わった理科の要素。教科書のコラムとかで書かれていそうだなというコンテンツが並ぶ。</p>
<p>てつはうの中身と扱いづらさ、火薬の威力と化学式、転覆しにくい丸太舟の加工方法、紫に染めるための方法とその手間暇など。</p>


いつもの。

幻覚剤は役に立つのか　

幻覚剤、とくにLSDとマジックマッシュルーム由来のサイロビシンについての歴史と研究の最前線、そして幻覚剤の体験レポート。
<p>1960年代にカウンターカルチャーとしてLSDが乱用され危険薬物として規制された。
しかし近年過去の幻覚剤研究を掘り起こし、幻覚剤が脳にどう作用するのか、治療に応用できないかの模索が始まった、らしい。</p>
この本で知れたこととし

2023年07月に読んだ本

<p>MastodonやMisskeyなどのActivityPubに住んでいると、人が増えて盛況になっていくサーバーもある一方、おひとり鯖や少人数鯖を閉じるという話も聞こえてきます。</p>
<p>その際に、 <strong>「ActivityPubに繋がっているサーバーは410を返して閉じようね」</strong> という話も同時に流れてきます。</p>
<p>今回はなぜサーバーを閉じるときに、410を返すように設定することが推奨されるのか、という話をします。</p>
<p><img src="/img/2023/07/20/thumbnail.jpg" alt="サムネイル"></p>
<p>どうやって410を返せばいいのかは、以下の記事で解説されているのでそちらをご覧ください。</p>
<ul>
<li><a href="https://zenn.dev/cybergene/articles/6cae8d68bdd1dc4209cd">https://zenn.dev/cybergene/articles/6cae8d68bdd1dc4209cd</a></li>
<li><a href="https://snap.hyuki.net/20180609220309/">https://snap.hyuki.net/20180609220309/</a></li>
</ul>
<h3>410ってなに</h3>
<p>まずは「410」とは何か。HTTPのプロトコルに記載されているGone（消滅）を示すHTTPステータスコードになります。</p>
<p>ページが見つかりませんでしたの404エラーや、サーバーに大量のアクセスが来たときの503エラーは見たことあるかと思います。それらと同じようなものです。</p>
<p>この410は、 <strong>もうこのサーバーは閉じてしまいました。もう二度と復活することありません。</strong> ということを示します。</p>
<p>他のWebサービスを閉じるときにも410エラーを返すように設定したほうが本当は好ましいのでしょうが、ActivityPubのサーバーほど強く言われません。強いて言うならGoogleのインデックスからの削除を早くしたいときくらい。</p>
<h3>410を出さずに鯖爆破するとどうなるか</h3>
<p>ではなぜ、ActivityPub鯖では410を返すべきと言われるのでしょうか。410を出さずに鯖爆破するとどうなるかを見ていきましょう。</p>
<p>はじめにおひとりさま鯖を立てました。おめでとうございます。そして、投稿をしつつ他のサーバーの人をフォローしたり、他のサーバーの人からフォローを受けたりします。Fediverse生活を満喫しました。しばらくした後、やっぱりこのサーバーを閉じようとなりました。</p>
<p>で、410を出さずにサーバーを閉じ、そのまま放置するとどうなるか。</p>
<p>サーバーを閉じたあと、自分がフォローしていた人が新しく投稿をしました。
ActivityPubは自分が投稿をしたのと同時に、自分のフォロワーに対してその投稿を配達するという形式なので、こちらのサーバーが閉じているとはつゆ知らず、その投稿を届けに来てくれます。</p>
<p>さて、投稿を届けに来ました。しかしながらサーバーがなくなっているので届けることが出来ませんでした。
そのうえ届けに来た人にとっては、サーバーがたまたまメンテナンスで止まっているのか、処理が追いつかなくて受け取りができなかっただけなのか、の判断ができません。</p>
<p>そのため、投稿の配達に失敗した場合はしばらくしてからあらためて再度配送しようとします。配送を再度行うまでの間隔であったり配送をやめるまでの回数であったりはどのプラットフォームを使っているかによるのですが、いずれにしても届かない場合に複数回配送しようとするわけです。フォロー先のサーバーに多少なりとも負荷を与えてしまうわけですね。</p>
<p>では、サーバーを閉じたときに410を出すような設定をしておいた世界線だとどうなるか。</p>
<p>1回目の配達で届けに来た人が「このサーバーは閉じてしまいましたよ（410）」という看板を確認します。すると「ここにはもう配達をしなくていいんだ」と配達員さんにもわかるわけです。</p>
<p>届けに来る人の負担を減らす。これがActivityPub鯖を閉じるときに410を出しておきましょうねと言われる理由です。</p>
<h3>フォローを全部外して鯖爆破すればいいのでは</h3>
<p>じゃあ自分が誰もフォローしてなければ410を出す必要がないんじゃないか。そう思うかもしれませんが、配達されるメッセージはフォローした人の投稿だけではありません。</p>
<p>過去自分がブートした投稿やお気に入りした投稿に変更や削除があったときにも配達が来ます。またフォローをしてくれていた人がフォローを外したときにも連絡が来ます。</p>
<p>また、フォロー・フォロワーゼロ、お気に入りなどもゼロ、といった場合でも配送は来ます。</p>
<p>Mastodonではユーザーが退会処理をしたときに、関わったことのある全てのサーバーに対して「このユーザーが消えたよ」ということを伝達しに行く仕様となっています。</p>
<p>なので、他のサーバーからフォローできるか試しただけでも、以後そのサーバーからユーザーの削除通知が配送されることになるわけです。</p>
<p>おそらくサーバーを閉じる段階でどのサーバーからどのような配達が来ているのかを把握していることは少ないかと思います。</p>
<p>410さえ出しておけば、どの種類の配達であったとしても届けに来た人は諦めて帰ってくれます。とりあえず410を出して置けばきれいにサーバーを閉じられます。</p>
<h3>410を出さない鯖は他の鯖にどれくらい負荷をかけるの？</h3>
<p>では、410を出さないサーバーがひとつでもあれば他のサーバーが落ちるのかというとそういうわけでもなく。配送自体は投稿をするたびに行われますし、他サーバーがメンテナンスだから自分のところが重たくなったみたいな話は聞いたことないと思います。</p>
<p>しかしながら、たくさんのサーバーが410を出さずに消えてしまうと、他サーバーへ届けに行く配達員さんのリソースを徐々に圧迫していくことになります。</p>
<p>リレーサーバーに加わっている場合は、たくさんのサーバーに投稿を届けに行かないといけない普段から忙しい配達員さんに無駄に再配達をさせることになります。</p>
<p>410を出さないととても大きな影響がある、というものではないですが、なるべくしておいたほうが印象はいいよね。といった感じです。</p>
<p>逆に、現在鯖缶をしているのであれば、配送が出来なくなっているサーバーがないか設定画面を見ておきましょう。</p>
<p>Mastodonの場合、設定画面の「モデレーション」>「既知のサーバー」に配送が失敗したサーバー、配送不可なサーバーが表示されます。定期的に見てメンテナンスしておくとキューの流れがスムーズになるかもしれません。</p>
<h3>まとめ</h3>
<p>というわけで、サーバーを爆破する際に410を出しておこうと言われるのはなぜなのかを簡単に書いてみました。</p>
<p>ちなみにもし同じドメインで再度サーバーを立てたときに、過去410を出してサーバーを閉じていると他サーバーから見つけてもらえない可能性はありますので、その点はお気を付けください。</p>
<p>何かしらの参考になれば幸いです。</p>


MastodonやMisskeyなどのActivityPubに住んでいると、人が増えて盛況になっていくサーバーもある一方、おひとり鯖や少人数鯖を閉じるという話も聞こえてきます。
 という話も同時に流れてきます。
今回はなぜサーバーを閉じるときに、410を返すように設定することが推奨されるのか、という話をします。

どうやって410を返せばいいのかは、以下の記事で解説されているのでそちらをご覧くださ

どうしてActivityPub鯖の爆破に410が必要なのか

<p>いつもの。</p>
<p><img src="/img/2023/06/30/thumbnail.jpg" alt="image"></p>
<h3>DEEP LIFE 海底下生命圏 生命存在の限界はどこにあるのか</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0C587M1RS">https://www.amazon.co.jp/dp/B0C587M1RS</a></p>
<p>海底地下の世界を探る研究者の体験記と海底地下に住む生命について現在わかっていること。</p>
<p>生命がいないといわれていた海底のさらに深い地下で生命がどう見つかったのか、試料掘削の現場のあわただしい空気、見つかった生命はどのような生き方をしているのか、などなど。</p>
<h3>量子テレポーテーションのゆくえ</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0C5D82MNX">https://www.amazon.co.jp/dp/B0C5D82MNX</a></p>
<p>量子テレポーテーションの実験がどのようなものなのか。その実験を理解するのに必要な量子力学の知識の解説。
文章のスタイルに数学ガールっぽさを感じる。</p>
<p>量子コンピュータの情報伝達をどういう理論に基づいて行おうしているのかをようやく理解できた。</p>
<h3>AIに負けない「教育」　</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4469213705">https://www.amazon.co.jp/dp/4469213705</a></p>
<p>教育学者による人工知能の発展と教育の行く先について。</p>
<p>教育者の視点からは人工知能の強化学習についてこういうふうにとらえられるのか、といちプログラマとして興味深く読んだ。</p>
<p>自閉症とフレーム問題、自律的に学習する人工知能と子供たちへの詰め込み学習、師匠の想定を超えた学び、など。</p>
<h3>東京「街角」地質学</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B085GDG5PF">https://www.amazon.co.jp/dp/B085GDG5PF</a></p>
<p>東京の建築物に使われている石材を紹介している本。
壁や床にはめこまれている石材にはどのような種類があるのか、年代ごとの石材の流行り、石材から見る地球の歴史など。</p>
<p>建物の壁に注目する街歩き、というのを知れた。</p>
<h3>自宅で湿地帯ビオトープ！</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0C2YJZH3Z">https://www.amazon.co.jp/dp/B0C2YJZH3Z</a></p>
<p>自宅の庭や各所に作られたビオトープの紹介とビオトープを作る前に認識しておくこと。</p>
<p>ビオトープが存在することで生まれる生物多様性や外来種に対する注意の部分をしっかり説明し、ビオトープ面白そうだなと思わせてくれる本。</p>
<h3>鳥肉以上、鳥学未満。　</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4000063170">https://www.amazon.co.jp/dp/4000063170</a></p>
<p>鶏肉をみながら鳥の構造について語る本。</p>
<p>むね肉・もも肉・手羽・ささみ・ボンジリがどこにあってどういう働きをするものなのか。鳥の仲間としては外れ値にある鶏だが、他の鳥との違いはどこなのか、他の鳥はどうなのか。</p>
<p>語り口が特徴的。読み物としてとても面白かった。</p>


いつもの。

DEEP LIFE 海底下生命圏 生命存在の限界はどこにあるのか

海底地下の世界を探る研究者の体験記と海底地下に住む生命について現在わかっていること。
生命がいないといわれていた海底のさらに深い地下で生命がどう見つかったのか、試料掘削の現場のあわただしい空気、見つかった生命はどのような生き方をしているのか、などなど。
量子テレポーテーションのゆくえ

<p>量子テレポーテーションの

2023年06月に読んだ本

<p>※ 2023/07/19更新: Windowsのアップデートでこの方法も使えなくなっちゃいました。ぐぬぬ。</p>
<p>メモ書き。</p>
<p>Windows11のタスクバーを右側に配置したい、と検索するとアプリを入れろとかレジストリをいじれとか出てくる。</p>
<p>が、タスクバーの固定を外してタスクバーをドラッグすると右側に配置された。という内容。</p>
<p><img src="/img/2023/06/25/image.png" alt="Windows11のスクリーンショット。タスクバーが右側に配置"></p>
<h3>Explorer Patcher</h3>
<p>Microsoftが提供しているBingやBing AIで検索すると、Windows11のタスクバーを右側に配置するためには<a href="https://github.com/valinet/ExplorerPatcher">Explorer Patcher</a>を使う、と出てくる。</p>
<p><img src="/img/2023/06/25/image-1.png" alt="Alt text"></p>
<p>どうやらこのExplorerPatcherを使うと、タスクバーのアイコンを小さくしたり、右クリックのメニューをWindows 10に近づけたりができる様子。</p>
<p>そして、タスクバーを画面の上や右に配置する機能も備わっているのだそう。なぜか私のPCで動作しなかった（Explorerが落ちる）ので別の方法がないかなと探したところ、固定を外すだけで動くことに気づいた。</p>
<h3>「タスクバーを固定する」を外して右にドラッグ</h3>
<p><img src="/img/2023/06/25/image-2.png" alt="タスクバーを右クリックしたときのスクリーンショット"></p>
<p>タスクバーを右クリックすると出てくるメニューに「タスクバーを固定する」がある。</p>
<p>これのチェックを外して、タスクバーを右側にドラッグアンドドロップすると右側に配置される。</p>
<p><img src="/img/2023/06/25/image.png" alt="Windows11のスクリーンショット。タスクバーが右側に配置"></p>
<p>もちろん、上側にドラッグすれば、タスクバーが上部に配置される。</p>
<p><img src="/img/2023/06/25/image-3.png" alt="Windows11のスクリーンショット。タスクバーが上側に配置"></p>
<p>左側にドラッグすれば、タスクバーが左部に配置される。</p>
<p><img src="/img/2023/06/25/image-4.png" alt="Windows11のスクリーンショット。タスクバーが左側に配置"></p>
<h3>まとめ</h3>
<p>タスクバーの固定を外してタスクバーをドラッグすると好きな方向に配置される。</p>
<p>BingAIくんがこの記事を取り込んで、「固定を外してタスクバーをドラッグするだけでいいよ」と答えるようになることを願って。</p>


※ 2023/07/19更新: Windowsのアップデートでこの方法も使えなくなっちゃいました。ぐぬぬ。
メモ書き。
Windows11のタスクバーを右側に配置したい、と検索するとアプリを入れろとかレジストリをいじれとか出てくる。
が、タスクバーの固定を外してタスクバーをドラッグすると右側に配置された。という内容。

Explorer Patcher
を使う、と出てくる。

どうやらこのExpl

Windows11のタスクバーを右側に配置する（アプリ・レジストリ不要）

<p>いつもの。</p>
<p><img src="/img/2023/05/31/thumbnail.jpg" alt="image"></p>
<h3>言語はこうして生まれる</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0BGXDM9F4">https://www.amazon.co.jp/dp/B0BGXDM9F4</a></p>
<p>言語はジェスチャーゲームが由来となってできたという説をベースに、言語処理に関する研究や言語誕生に関する歴史、子供の言語獲得に関しての考察などを述べていく。良書。</p>
<p>チョムスキーの普遍文法やFOXP2という言語遺伝子に対する反論、自然発生する言語秩序、他人の足跡をたどることで子供は言語を学習する、など。</p>
<p>言語を数理解析する姿勢への批判、コミュニケーションの道具としての文脈で見直そうというというメッセージを感じた。</p>
<p>著者の『心はこうして創られる』も良かったので、今後ニック・チェイターの著書を追いかけたい。</p>
<h3>色覚の多様性 〈選別の病理〉を問い直す</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/487498844X">https://www.amazon.co.jp/dp/487498844X</a></p>
<p>先天的な色覚をめぐる差別や社会的バリアの撤廃を訴える書。
色覚検査によって差別された人々のエピソード、廃止された色覚検査の復活、眼科医会のヘイトポスター、エビデンスのない石原表など。
制度的な色覚検査が復活した江戸川区で偽陽性が61%ということらしく、必要のない検査で無意味な結果が出てるだけなんだなと認識した。</p>
<p>個人的には社会的バリアを減らすための方法論を求めていたので、そのあたりが書いてなかったことは残念。</p>
<p>だが、色覚検査を復活させるロビー活動がおきていることやその色覚検査で使われている石原表（色の粒から数字を読み取るテスト）の信ぴょう性の薄さを知れてよかった。</p>
<h3>爆発する宇宙</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B096RYS71G">https://www.amazon.co.jp/dp/B096RYS71G</a></p>
<p>宇宙にとって「爆発」とはなにか、宇宙で発生するエネルギーの大きさとその起源がなにかについて。</p>
<p>ビッグバン、太陽でのエネルギー生成、超新星爆発などについて解説している。</p>
<p>科学エネルギーと核融合エネルギーの大きさのオーダーの差、太陽の中心で核融合してエネルギーが生み出されてから表面に出てくるまでに100万年、というエピソードが特に印象に残っている。</p>
<h3>フロントエンド開発のためのセキュリティ入門</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0BQM1KMBG">https://www.amazon.co.jp/dp/B0BQM1KMBG</a></p>
<p>Webアプリのフロントエンド側のセキュリティに関する初学者向けの内容をまとめた本。</p>
<p>CORSやXSS、CSRF付近についてが書いてある。</p>
<p>『安全なウェブサイトの作り方』や<a href="https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/Security">MDNのウェブセキュリティ</a>より前の段階にある人向けくらいの立ち位置。</p>
<p>新人研修やOJT中の読み物として新人へ渡すのに使われそう。</p>
<h3>スマートフォンは誰を豊かにしたのか</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4768410170">https://www.amazon.co.jp/dp/4768410170</a></p>
<p>シュンペーターの理論を通して現在進行中のICTパラダイムの興隆を見ていこう、という本。
キー理論である「イノベーション」を考える切り口として、スマートフォンによって生まれた利潤と格差を見ていく。</p>
<p>いまでも通用する100年以上前に書かれた理論、イノベーションによる景気循環、自らの功績で自滅する企業、欲望の飽和が訪れるまで投資機会が消滅することはない、など。</p>
<h3>やさしい家庭電気・情報・機械　</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0BYZ2VQWB">https://www.amazon.co.jp/dp/B0BYZ2VQWB</a></p>
<p>家電とガスに関する物理と科学。理科便覧のコラムがひたすら並んだ教科書、みたいな感じの本。</p>
<p>電気の利用法はエネルギー源と情報の処理伝達の大きく2つ。電気料金の計算方法、電気ストーブよりガスファンヒーターの方が1/2の料金で済むのでお得、エアコンなどのヒートポンプはさらに経済的、各種光源の効率とエネルギー配分、などなど。</p>
<p>小学校とか中学校の図書館に置いておいて欲しかったタイプの本。</p>


いつもの。

言語はこうして生まれる

言語はジェスチャーゲームが由来となってできたという説をベースに、言語処理に関する研究や言語誕生に関する歴史、子供の言語獲得に関しての考察などを述べていく。良書。
チョムスキーの普遍文法やFOXP2という言語遺伝子に対する反論、自然発生する言語秩序、他人の足跡をたどることで子供は言語を学習する、など。
言語を数理解析する姿勢への批判、コミュニケーションの道具と

2023年05月に読んだ本

<p>いつもの。</p>
<p><img src="/img/2023/04/30/thumbnail.jpg" alt="image"></p>
<h3>『取材・執筆・推敲』</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B08W9MXH59">https://www.amazon.co.jp/dp/B08W9MXH59</a></p>
<p>ライターが原稿を作り上げるまでの流れについて書いた本。今後も繰り返し読むことになりそうな本。</p>
<p>執筆とは「取材の翻訳」、文章構成の考え方を桃太郎の絵本から学ぶ、推敲は過去の自分への取材、などが特に印象に残っている。</p>
<h3>ヒトという種の未来について生物界の法則が教えてくれること</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/482690245X">https://www.amazon.co.jp/dp/482690245X</a></p>
<p>ヒトが生物全体の中でどのような立ち位置にいるか。</p>
<p>生物学者から見た環境問題とヒト種の未来が書かれている。生物種全体で見たときの各生物種の割合、生息域、進化圧を見ながらヒト種がこれからどういった外圧を受ける可能性が高いかを考察していく。</p>
<p>寄生体から逃れるためのグレートジャーニー、ヒト種が生活する気象条件、ヒトにとって有害となるような進化圧、などなど。</p>
<h3>新しいヒューマンコンピュータインタラクションの教科書</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0BTYB9LZF">https://www.amazon.co.jp/dp/B0BTYB9LZF</a></p>
<p>HCIの概要と関連する要素の紹介。HCIについて学ぶときの1冊目によさそう。初学者向けである程度知っていると物足りない。</p>
<p>感覚器、制約、シグニファイア、行為の7段階、デザイン4原則、ピークエンド。そういったHCIに関連する単語の概要を紹介している。</p>
<h3>自己啓発の罠</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0BJ6NG224">https://www.amazon.co.jp/dp/B0BJ6NG224</a></p>
<p>強制された自己啓発とそれを推進するテクノロジーについて。</p>
<p>自己啓発が選択肢ではなくなり、自己啓発をしていないと怠け者とみられるようになったという問題提起から始まる。数値化し改善を促すテクノロジーが啓発をさらに後押ししてきたこと、自分を変えるよりも社会を変えることが必要だ、と続く。</p>
<p>タイトルからメタ自己啓発の本かなと思ったら、自己啓発批判とテクノロジー批判が多めの本だった。もう一歩踏み込みが欲しい感じ。</p>
<h3>資本主義の先を予言した史上最高の経済学者　シュンペーター</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0B2RVD893">https://www.amazon.co.jp/dp/B0B2RVD893</a></p>
<p>シュンペーターの思想をアントレプレナー向けに紹介する本。</p>
<p>ビジネススクール的な言い回しと度重なる自著の紹介は辟易とするものの、シュンペーターの思想の概略とケインズとの比較は理解しやすかった。</p>
<p>資本主義の先についての話が気になるので、そのあたりを述べたちゃんとした解説書か原本を読んでいきたいところ。</p>
<h3>くらしのための料理学</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B08ZDL3SSD">https://www.amazon.co.jp/dp/B08ZDL3SSD</a></p>
<p>日常の料理に関する考察。</p>
<p>ケハレ、素材のブレを前提とした和食、予測誤差が味覚のおいしさを生む、など。</p>


いつもの。

『取材・執筆・推敲』

ライターが原稿を作り上げるまでの流れについて書いた本。今後も繰り返し読むことになりそうな本。
執筆とは「取材の翻訳」、文章構成の考え方を桃太郎の絵本から学ぶ、推敲は過去の自分への取材、などが特に印象に残っている。
ヒトという種の未来について生物界の法則が教えてくれること

ヒトが生物全体の中でどのような立ち位置にいるか。
生物学者から見た環境問題とヒト種の未来

2023年04月に読んだ本

<p>SynologyにEmbyを入れたときにちょっと戸惑ったのでメモ。</p>
<h3>Embyとは</h3>
<p>自宅のメディアファイルをストリーミングするためのオープンソースのメディアサーバーアプリケーションです。自宅のネットワーク内でメディアファイルの共有サービスを展開できます。</p>
<p>今は亡きGoogle Play Musicみたいな使い方ができるわけです。つまり、ブラウザやスマホアプリで音楽を流せる。
それと、音楽だけでなく動画や画像も扱えたりする。つよい。</p>
<p>で、手元にSynologyのNASがあって、パッケージセンターでEmbyのインストールができそうなので試してみたところ、メディアファイルの追加で詰まってしまいました。</p>
<h3>SynologyにEmbyをインストール</h3>
<p>まずはインストール。</p>
<ol>
<li>Synologyの管理画面にログイン、パッケージセンターを開く。</li>
<li>Emby Serverを探して開いて、「インストール」をクリック。しばらく待つ。</li>
<li>インストールが完了すると、アクセス用のURLが発行されるのでブラウザで開く。</li>
</ol>
<p>すごく簡単。パッケージセンターからインストールできると、わざわざコンテナのもろもろについて考えなくて良いので楽。</p>
<h3>Embyでメディアファイルを追加する方法</h3>
<p>さて、いざ音楽を流すためにライブラリの追加をしようとしたところ、NAS内に置いている音楽ファイルにアクセスできず、おや？となってしまいました。</p>
<p>いろいろ迷走しつつ調べたところ、単にフォルダへのアクセス権限がないだけでした。</p>
<p>権限追加して設定を楽にしてほしい気もしつつ、勝手に権限追加されるとこわいかもなとも思いつつ。難しい話。</p>
<p>Embyにフォルダへのアクセス権限を追加する方法は以下。</p>
<ol>
<li>Synologyの管理画面でコントロールパネルを開く。</li>
<li>共有フォルダを開いて、音楽フォルダを置いているボリュームを右クリック、編集を選ぶ。</li>
<li>「権限」タブを開き、左上のセレクトボックスを「システム内部ユーザ」に変更。</li>
<li><code>emby</code>列の「読み取り専用」行のチェックボックスを選択。</li>
<li>保存ボタンを押してダイアログを閉じる。</li>
</ol>
<p>アクセス権限を追加出来たら、Embyのページからライブラリを追加。</p>
<ol>
<li>Embyのアクセス用URLからEmbyのページを開く。</li>
<li>右上の歯車アイコンから設定ページを開く。</li>
<li>「ライブラリ」タブを開き、「新しいライブラリ」ボタンをクリック。</li>
<li>「Content type」のセレクトボックスをMusicに変更。</li>
<li>「フォルダ」の右にある「＋」ボタンをクリックして、パスの選択ダイアログを開く。</li>
<li><code>/volume1/{ボリューム名}/{音楽フォルダ}</code> のような感じで選択肢からパスを指定。</li>
<li>あとは「OK」を押していって追加完了。</li>
</ol>
<p>追加後にスキャンの時間があります。音楽が登録されるまで待ちましょう。</p>
<p><img src="/img/2023/04/29/thumbnail.png" alt="音楽の再生画面"></p>
<p>アルバムが並んで再生できるようになったら終わり。おつかれさまでした。
良きEmbyライフをお楽しみください。</p>


SynologyにEmbyを入れたときにちょっと戸惑ったのでメモ。
Embyとは
自宅のメディアファイルをストリーミングするためのオープンソースのメディアサーバーアプリケーションです。自宅のネットワーク内でメディアファイルの共有サービスを展開できます。
<p>今は亡きGoogle Play Musicみたいな使い方ができるわけです。つまり、ブラウザやスマホアプリで音楽を流せる。
それと、音楽だけで

SynologyにEmbyをインストール、メディアファイル追加のための権限追加

<p>いつもの。Twitterに読了投稿するのやめちゃったけれども、手元書き残しでなんとかなりそう。</p>
<p>今月は宇宙本が多め。H3ロケットの影響ですかね？</p>
<p><img src="/img/2023/03/31/thumbnail.jpg" alt="image"></p>
<h3>宇宙の化学</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4000297171">https://www.amazon.co.jp/dp/4000297171</a></p>
<p>宇宙にはどういう物質が存在するのか、そしてどうやってそのことを知ったのか。</p>
<p>都市ガスの炎をスペクトルで見るとどう見えるのかから始まり、スペクトルを使って宇宙の物質を特定する、ビックバンをどう知ったのか、電波望遠鏡で何を見てるのかなど。</p>
<p>東大の1年生向けの講義が基になっているとのこと。順序立ててわかりやすく解説されている。</p>
<p>この本のおかげでハヤブサ関係のニュースをより楽しく見られそう。</p>
<h3>人類がもっと遠い宇宙へ行くためのロケット入門</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B098J4RDKN">https://www.amazon.co.jp/dp/B098J4RDKN</a></p>
<p>宇宙に行くためのロケットを飛ばすための理論と何を目的に宇宙を目指して飛ばしているのか。
写真多めのカラーで見た目にもわかりやすく、内容も濃い目。</p>
<p>ぼやっとした理解のままだった、運搬重量でロケットのコストがかさむ理由やイオンエンジンとはなにものなのかがこの本でよくわかった。</p>
<h3>地球外生命を探る 生命は何処でどのように生まれたのか</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0BPBMDNPN">https://www.amazon.co.jp/dp/B0BPBMDNPN</a></p>
<p>地球の外に生命がいるとすればどのような環境か、地球の生命はどのような変遷を辿ったのかについて。</p>
<p>生物史を惑星科学で挟み込んだような構成。</p>
<p>ほうとなったのは、ハビタブルゾーンは太陽の放射のみを考えるので水の有無は考えられていない、地球は大陸ができたおかげで海が蒸発せずに済んだ、生命が生まれるには海と熱水噴出孔が鍵、あたり。</p>
<h3>ミッション・エコノミー</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B09NPXGC6G">https://www.amazon.co.jp/dp/B09NPXGC6G</a></p>
<p>政府の危機対応能力が下がっている。政治主導で経済を立て直すためにミッション中心の経済とすべきだ、という内容。
外注と民営化の何がダメか。新自由主義の間違い。アポロ計画を例にミッションが経済をどう回すかについて。</p>
<p>過去の例として詳細に書かれるのがアポロ計画だけなのが難だなとは思いつつも、国全体を挙げたミッションを中心にする経済のあり方は面白そうだなと感じた。</p>
<h3>魚は数をかぞられるか？</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0BLHBCJR5">https://www.amazon.co.jp/dp/B0BLHBCJR5</a></p>
<p>人間が数をどう数えているのか。ヒト以外の生物、サルやライオン、鳥や魚、昆虫は数を数えたり計算したりができるのかについて。</p>
<p>数学ができるのは人間だけと思われていた時代があったが、アリやクモのような小さい脳をか持たない生き物も計算できるし、羅針盤や地図なしで移動する渡り鳥には高度な経路計算機構がある。</p>
<p>数学能力はおそらく太古の昔にあらゆる種の共通祖先が獲得した能力だろう、という話が繰り広げられる。</p>
<p>宇宙の言語は数学であり、人間以外の生物にも役立つ。というのは確かに道理だなと思った。</p>


いつもの。Twitterに読了投稿するのやめちゃったけれども、手元書き残しでなんとかなりそう。
今月は宇宙本が多め。H3ロケットの影響ですかね？

宇宙の化学

宇宙にはどういう物質が存在するのか、そしてどうやってそのことを知ったのか。
都市ガスの炎をスペクトルで見るとどう見えるのかから始まり、スペクトルを使って宇宙の物質を特定する、ビックバンをどう知ったのか、電波望遠鏡で何を見てるのかなど。
東

2023年03月に読んだ本

<p>NetlifyとSupabaseで、静的ファイルをメインにしたActivityPubサーバを作ってフォロワーに投稿を届けるお話。いまのところ無料利用枠内。</p>
<p>「@alfe@ap.alfebelow.com」でフォローができるよ。</p>
<p><img src="/img/2023/03/04/thumbnail.jpg" alt="image"></p>
<p>ちかごろActivityPubやFediverseの話が盛んになってきています。</p>
<p>Twitterがあやしい感じになってきたので分散型SNSにいこう！や、あっちのSNSはスタンプがたくさんで楽しいぞ！などがTwitterにも流れていますね。</p>
<p>そんな私もここしばらくTwitterよりもMastodonを見ることが増えてきていたりします。</p>
<p>で、MastodonとかMisskeyとかを見てると気になってくるのが、連合と呼ばれる投稿のやり取り。
どうも有名どころのMastodon以外にもActivityPubのサーバを立てるプログラムは多数存在している様子。</p>
<p>そもそもActivityPubって何なのか調べてみよう、余裕があればサーバを立ててみよう、という気になってきました。</p>
<h3>ActivityPubとは</h3>
<p>調べてみるまで知らなかったんですが、ActivityPubってW3C勧告として文書が出ているんですよね。</p>
<p><a href="https://www.w3.org/TR/activitypub/">ActivityPub - W3C (https://www.w3.org/TR/activitypub/)</a></p>
<p>てっきり草の根プロトコルだと思い込んでたのでびっくり。勧告として出ているなら有名ライブラリがメンテされなくなっても互換のあるものがわんさか出てくるだろう、という安心感があります。</p>
<p>ちなみに、Mastodonだと開発当時からActivityPubというわけではなく、もともとはOStatusという通信プロトコルが使われていた様子。いまでも外部通信するときにその名残がある様子。</p>
<h3>サーバ構成</h3>
<p>で、W3Cの勧告を読んでいると「実は大部分を静的ファイルで置き換えができたりしない？」と思えてきました。</p>
<p>Mastodonサーバを立てよう、といったときにVPSを借りるたりラズパイを用意したり、みたいなのが必要っぽいんですよね。ただおひとりさまでActivityPub鯖を立てるときにそこまでスペックが必要な構成を要求されているわけでもなさそうだなというのをドキュメントを見て感じました。</p>
<p>というわけで、今回のサーバ構成はNetlifyをメインに。フォローの処理をする関係でどうしてもDBが必要になるのでSupabaseを接続しています。</p>
<p>おそらくRDBの必要はなくてNoSQLでもよさそう。なのですが、さくっと使えて無料枠のあるNoSQLってFirebaseくらいしかないっぽい。</p>
<p>データの通信量に課金するFirebaseと、保存したデータサイズに課金するSupabase。それならSupabaseのほうがActivityPub向きでは？となったのでSupabaseを選んでいます。</p>
<p><img src="/img/2023/03/04/architecture.jpg" alt="サーバ構成の図"></p>
<h3>URL一覧</h3>
<p>で、この構成で用意しているURLが以下の通り。</p>
<ul>
<li><a href="https://ap.alfebelow.com/api/inbox">https://ap.alfebelow.com/api/inbox</a></li>
<li><a href="https://ap.alfebelow.com/.well-known/webfinger">https://ap.alfebelow.com/.well-known/webfinger</a></li>
<li><a href="https://ap.alfebelow.com/u/alfe">https://ap.alfebelow.com/u/alfe</a></li>
<li><a href="https://ap.alfebelow.com/u/alfe/following">https://ap.alfebelow.com/u/alfe/following</a></li>
<li><a href="https://ap.alfebelow.com/u/alfe/followers">https://ap.alfebelow.com/u/alfe/followers</a></li>
<li><a href="https://ap.alfebelow.com/api/outbox">https://ap.alfebelow.com/api/outbox</a></li>
<li><a href="https://ap.alfebelow.com/api/outbox_1">https://ap.alfebelow.com/api/outbox_1</a>（投稿の過去ログ）</li>
<li><a href="https://ap.alfebelow.com/note/20230221085500">https://ap.alfebelow.com/note/20230221085500</a>（投稿1）</li>
<li><a href="https://ap.alfebelow.com/note/20230221130700">https://ap.alfebelow.com/note/20230221130700</a>（投稿2）</li>
<li><a href="https://ap.alfebelow.com/note/20230228110000">https://ap.alfebelow.com/note/20230228110000</a>（投稿3）</li>
<li><a href="https://ap.alfebelow.com/icon.jpg">https://ap.alfebelow.com/icon.jpg</a>（プロフィールアイコン）</li>
<li><a href="https://ap.alfebelow.com/favicon.ico">https://ap.alfebelow.com/favicon.ico</a>（favicon）</li>
</ul>
<p>これらURLの内、動的な処理が必須なのは一番上のinboxのみ。</p>
<p>その他はJSONやXMLで返すので静的ファイルを配置しても機能します。</p>
<p>おそらく世のActivityPub系アプリは、静的に振り分けたURLの一部を動的に処理をしていくものが多いと思いますが、おひとりさまならJSON形式で書いたファイルを直置きで十分。</p>
<p>ただ、投稿をするたびに投稿用のJSONファイルを用意して、過去ログを追加して、ってやるのが大変。あと、followersのフォロワー数のアップデートもJSONファイルを書き換えないといけない。</p>
<p>そういった面倒を踏まえれば、配置したのが静的ファイルでも他のサーバからは関係なかったりします。</p>
<h3>他のActivityサーバが自鯖を見つける流れ</h3>
<p>これらのURLを用意したときにどんな流れで他のActivityサーバとつながるのか見てみましょう。</p>
<p>Mastodonサーバの左上にある検索やMisskeyサーバの検索に <code>@alfe@ap.alfebelow.com</code> と打ち込んでみます。</p>
<p>すると、打ち込んだサーバから <code>https://ap.alfebelow.com/.well-known/webfinger?resource=acct%3A%40alfe%40ap.alfebelow.com</code> へGETリクエストが投げられます。</p>
<p>クエリパラメータとして<code>acct:@alfe@ap.alfebelow.com</code>をつけています。ユーザ名を識別する場合はここ見て処理が必要になりそうですが、今回1ユーザなので特に処理せずに <code>alfe</code> 宛のJSONを返しています。</p>
<p>JSONの中身がこんな感じ。</p>
<pre><code>{  
  "subject": "acct:alfe@ap.alfebelow.com",  
  "links": [  
    {  
      "rel": "self",  
      "type": "application/activity+json",  
      "href": "https://ap.alfebelow.com/u/alfe"  
    }  
  ]  
}
</code></pre>
<p>ユーザのURLが<code>links.href</code>に書いてます。ここを参照して <code>https://ap.alfebelow.com/u/alfe</code> に再びGETリクエストを投げるとユーザのプロフィール情報が返ってきます。</p>
<pre><code>{
    "@context": [
        "https://www.w3.org/ns/activitystreams",
        "https://w3id.org/security/v1"
    ],
    "id": "https://ap.alfebelow.com/u/alfe",
    "type": "Person",
    "following": "https://ap.alfebelow.com/u/alfe/following",
    "followers": "https://ap.alfebelow.com/u/alfe/followers",
    "inbox": "https://ap.alfebelow.com/api/inbox",
    "outbox": "https://ap.alfebelow.com/api/outbox",
    "name": "alfe",
    "preferredUsername": "alfe",
    "summary": "https://alfebelow.com/",
    "url": "https://alfebelow.com/",
    "icon": {
        "type": "Image",
        "mediaType": "image/jpeg",
        "url": "https://ap.alfebelow.com/icon.jpg"
    },
    "manuallyApprovesFollowers": true,
    "discoverable": true,
    "publicKey": {
        "id": "https://ap.alfebelow.com/u/alfe#main-key",
        "owner": "https://ap.alfebelow.com/u/alfe",
        "publicKeyPem": "-----BEGIN PUBLIC KEY-----\nXXXXXXX\n-----END PUBLIC KEY-----"
    },
    "published": "2020-01-01T00:00:00.000Z"
}
</code></pre>
<p>先ほど並べたURLの一部がありますね。</p>
<p>このJSONファイルの内容や、ここに書いてるURLへさらにGETリクエストを投げてフォロー・フォロワー数を取ってきてプロフィール画面に埋め込んでいるようです。</p>
<p>で。</p>
<p>プロフィール画面を見てフォローをしようとなったときに、動的な処理を求められるinboxが必要になりきます。</p>
<h3>フォローしたときの処理</h3>
<p>ActivityPubサーバから他のActivityPubサーバのユーザをフォローするとき、以下のような手順をとります。</p>
<ol>
<li>(A鯖) Followリクエストを書いて、B鯖にinboxのURLにPOSTで送る</li>
<li>(B鯖) A鯖からのFollowリクエストに受け取ったと返す(200)</li>
<li>(B鯖) Followリクエストに書かれているユーザ名をDBに保存する</li>
<li>(B鯖) 別途、A鯖にAcceptと書いたPOSTを投げる</li>
</ol>
<p>フォロー承認の有無にかかわらず、このような手順になっています。</p>
<p>実際にPOSTで届くFollowリクエストの例は以下。</p>
<pre><code>{
    "@context": "https://www.w3.org/ns/activitystreams",
    "id": "https://example.com/00000000-0000-0000-0000-000000000000",
    "type": "Follow",
    "actor": "https://example.com/users/user1",
    "object": "https://ap.alfebelow.com/u/alfe"
}
</code></pre>
<p><code>"type": "Follow"</code> と書いてFollowリクエストであるということを示しています。
<code>actor</code> がA鯖のフォローしたいと思っている人、<code>object</code> がB鯖のフォローされる人のユーザのURLを指しています。</p>
<p>B鯖はこれに対して200のレスポンスを返し、ユーザ（actor）をFollowerとしてDBに保存します。</p>
<p>そしてB鯖はA鯖に対してAcceptと書いたPOSTを投げます。（Headersにsignatureが必要）</p>
<pre><code class="language-">{
    "@context": "https://www.w3.org/ns/activitystreams",
    "type": "Accept",
    "actor": "https://example.com/users/user1",
    "object": {
        "id": "https://example.com/00000000-0000-0000-0000-000000000000",
        "type": "Follow",
        "actor": "https://example.com/users/user1",
        "object": "https://ap.alfebelow.com/u/alfe"
    }
}
</code></pre>
<p>このようにPostリクエストのやり取りをするので、inbox受け取ったリクエストに対して動的な処理をさせる機構が必要になります。</p>
<p>今回はNetlifyにデプロイをしているので、inboxのURLに届いたPostリクエストをNetlify Functionで処理しています。</p>
<p>inboxで受け取るものはフォローだけではなく他にも以下のようなtypeが存在します。</p>
<ul>
<li>Follow</li>
<li>Accept</li>
<li>Reject</li>
<li>Undo</li>
<li>Remove</li>
<li>Create</li>
<li>Delete</li>
</ul>
<p>Follow以外は200を返して後は内側で処理すればOKですが、Followに関してだけ別途Acceptを返す必要があるので注意しましょう。</p>
<p>これらのPOSTをinboxで受け取り、200を返す機構をつくれば、ひとまず他のサーバからフォローをできるActivityPubサーバが成立します。
あとは受け取ったtypeに合わせて内々に処理しておきましょう。</p>
<h3>投稿時の処理</h3>
<p>他のサーバからフォローをしてもらいました。フォロワーに対して投稿を届けに行きましょう。</p>
<p>W3Cのドキュメントにはoutboxに投稿が保存されたと同時に他のサーバへ投稿を届けに行きましょう、と書かれています。</p>
<p>つまり、投稿をトリガーとして配布するわけですが、ひとまず静的ファイルとして投稿を保存したのち、手動でトリガーを叩いてみましょう。</p>
<p>投稿として保存するJSONは以下。</p>
<pre><code>{
    "@context": "https://www.w3.org/ns/activitystreams",
    "type": "Note",
    "id": "https://ap.alfebelow.com/u/alfe/statuses/20230221085500",
    "summary": null,
    "inReplyTo": null,
    "published": "2023-02-21T08:55:00Z",
    "attributedTo": "https://ap.alfebelow.com/u/alfe",
    "content": "&#x3C;p>post test&#x3C;/p>",
    "to": [
        "https://www.w3.org/ns/activitystreams#Public"
    ],
    "cc": [
        "https://ap.alfebelow.com/u/alfe/followers"
    ],
    "sensitive": false,
    "attachment": [],
    "tag": []
}
</code></pre>
<p>こちらのJSONを用意した後、<code>id</code>に書いたURLでアクセスできるようにします。</p>
<p>それからフォロワーのサーバのInboxに対してCreateのPostリクエストを送ります。</p>
<pre><code>{
    "@context": "https://www.w3.org/ns/activitystreams",
    "type": "Create",
    "object": {
        "@context": "https://www.w3.org/ns/activitystreams",
        "type": "Note",
        "id": "https://ap.alfebelow.com/u/alfe/statuses/20230221085500",
        "summary": null,
        "inReplyTo": null,
        "published": "2023-02-21T08:55:00Z",
        "attributedTo": "https://ap.alfebelow.com/u/alfe",
        "content": "&#x3C;p>post test&#x3C;/p>",
        "to": [
            "https://www.w3.org/ns/activitystreams#Public"
        ],
        "cc": [
            "https://ap.alfebelow.com/u/alfe/followers"
        ],
        "sensitive": false,
        "attachment": [],
        "tag": []
    }
}
</code></pre>
<p><code>object</code>の中身は投稿のJSONと同じもの。このJSONをsignitureをつけてフォロワーのサーバのinboxに送ることで、フォロワーのホームタイムラインにこの投稿が反映されます。</p>
<p>ActivityPubはフォロワーに対してアクティブに投稿を送る必要があるので、こちらでフォロワーの一覧情報を持っていないといけません。なので何かしらのデータベース(今回はSupabase)に接続する必要があるわけですね。</p>
<p>フォロワーのinboxのURLは、ユーザのプロフィール（Follow時に受け取ったJSONのactorに書かれているURL）のJSONに書かれています。そのURLに対してCreateのPOSTリクエストを送りましょう。</p>
<h3>まとめ</h3>
<p>これでNetlifyとSupabaseを使った、inboxと投稿以外は静的ファイルで構築されたActivityPubサーバが構築されました。</p>
<p>投稿時にJSONを設置して手動でトリガーを発火させる必要はありますが、外から見たら普通にフォローができて投稿が届くサーバに見えるかと思います。</p>
<p>もちろんこれをメインサーバとするのは難しいですが、ブログのRSS代わりであったり、月一投稿の宣伝鯖としては使えるんじゃないかなと思っています。</p>
<p>静的ファイルなのでメンテの必要が薄く、NetlifyとSupabaseベースなので規模が大きくならない限り、料金はかからないのも嬉しいところ。</p>
<p>何かしらの参考になれば幸いです。</p>
<h3>参考URL</h3>
<ul>
<li><a href="https://macwright.com/2022/12/09/activitypub.html">https://macwright.com/2022/12/09/activitypub.html</a></li>
<li><a href="https://gitlab.com/shrmpy/hello-activitypub">https://gitlab.com/shrmpy/hello-activitypub</a></li>
<li><a href="https://qiita.com/wakin/items/94a0ff3f32f842b18a25">https://qiita.com/wakin/items/94a0ff3f32f842b18a25</a></li>
<li><a href="https://qiita.com/zunda/items/c4d668a75712d88e005c">https://qiita.com/zunda/items/c4d668a75712d88e005c</a></li>
</ul>


NetlifyとSupabaseで、静的ファイルをメインにしたActivityPubサーバを作ってフォロワーに投稿を届けるお話。いまのところ無料利用枠内。
「@alfe@ap.alfebelow.com」でフォローができるよ。

ちかごろActivityPubやFediverseの話が盛んになってきています。
Twitterがあやしい感じになってきたので分散型SNSにいこう！や、あっちのSNSはス

NetlifyとSupabaseでほぼ静的なActivityPubサーバ

<p>いつもの。</p>
<p><img src="/img/2023/02/28/thumbnail.jpg" alt="image"></p>
<h3>ヒトは＜家畜化＞して進化した　</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0BP13TB8G">https://www.amazon.co.jp/dp/B0BP13TB8G</a></p>
<p>自己家畜化したヒトと家畜化した生物に起きる変化について。良書。</p>
<p>前半では犬とキツネなどの家畜化を通して、家畜化が協力行動やコミュニケーションといった認知能力の点で有利になること、自制能力がすぐれ、寿命が長くなり、ストレスホルモンの濃度を下げることが示される。</p>
<p>後半では、ヒトは「集団内の見知らぬ人」に対して友好的に接するが他集団に対しては攻撃的になることを示す。</p>
<p>特に、自分たちが非人間化されていることに気づくと、今度は相手を非人間化するようになり負のループが生まれてしまう。邪悪な部分を抑え寛容さをあげるためには他集団の他者と接する機会だ、ということを述べた一冊。</p>
<p>過去にも自己家畜化やネオテニーについて述べた本はいくつか読んだが、平和な社会をつくるうえでの自己家畜化によるデメリットとそのデメリットを抑えるための施策まで言及しているのは珍しく、とても参考になった。</p>
<h3>創造性をデザインする　</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4326654341">https://www.amazon.co.jp/dp/4326654341</a></p>
<p>空間設計がユーザに与える影響、建築の社会学について。
学校建築・オフィスデザイン・公共空間のデザインを見ながら、空間設計がヒトのふるまいをどう促しているかを見ていく。</p>
<p>学校建築が過去どのような批判にさらされ、現在どのように変化しているのか。同じ視点でオフィスデザインをみたときにどのような施策が打たれているのか。</p>
<p>現状は、"個々人が何をどう感じ、どう考えるかが尊重されて強い統制が避けられ、「創造性」へとつながっていくような自発的ふるまいが促されるという働きかけ" を重視して空間が設計されている様子。</p>
<p>会社員の1人としては、流行りのクリエイティブ・オフィスなるものがどういった理論武装をして構築されていったのかを興味深く読んだ。</p>
<h3>世界のヘンな研究</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4120056171">https://www.amazon.co.jp/dp/4120056171</a></p>
<p>風変わりに感じる研究について紹介していく本。サーフィン工学から始まり、ウマの科学や芝生の科学、大麻の化学分析やアーユルヴェーダなどなど。</p>
<p>お国柄や地域に根付いた研究を各研究者に詳細を尋ねながら紹介している。読み物として面白い。</p>
<p>同著者のイグノーベル賞について解説した本を前に読んだときにも思ったが、「なんでこんな研究を？」をとっかかりに地域・環境の諸問題について考えさせるのがうまい。中学校の図書館に置いてほしい。</p>
<h3>地図記号のひみつ　</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0BR5VTQPN">https://www.amazon.co.jp/dp/B0BR5VTQPN</a></p>
<p>地図記号がどのように変遷していったか。温泉、寺・神社の記号に関する雑学から始まり、桑畑の記号の廃止、ダムの表現、行軍への対応が反映された道路表現などなど。</p>
<p>暮らしの変化にあわせあ地図記号の変遷と雑学をたくさん知れる一冊。</p>
<h3>世界ピクト図鑑</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4802512252">https://www.amazon.co.jp/dp/4802512252</a></p>
<p>海外のピクトグラムを豊富な写真とともに項目別、国別に紹介していく本。同じものを表したピクトグラムでもある程度の共通性はあるものの、国による特色もあることが示される。</p>
<p>こういうアイコン楽しげでわかりやすいな、他の国だとこんな注意書きがあるんだ、みたいな感じで読んだ。街の看板はピクトの元祖、というのが好きな視点。</p>
<h3>100均資本主義　</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0BNKQNQ5L">https://www.amazon.co.jp/dp/B0BNKQNQ5L</a></p>
<p>100円ショップ各社の経営戦略と非循環状態となった経済について。</p>
<p>100均は収益をどう立てているのかから始まり、100均がデフレ下の労働者を支えた、これからは欲のない資本主義となる、と続く。</p>


いつもの。

ヒトは＜家畜化＞して進化した　

自己家畜化したヒトと家畜化した生物に起きる変化について。良書。
前半では犬とキツネなどの家畜化を通して、家畜化が協力行動やコミュニケーションといった認知能力の点で有利になること、自制能力がすぐれ、寿命が長くなり、ストレスホルモンの濃度を下げることが示される。
後半では、ヒトは「集団内の見知らぬ人」に対して友好的に接するが他集団に対しては攻撃的になるこ

2023年02月に読んだ本

<p>いつもの。</p>
<p><img src="/img/2023/01/31/thumbnail.jpg" alt="image"></p>
<h3>新種発見！ 見つけて、調べて、名付ける方法</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B0BQBBDT2V">https://www.amazon.co.jp/dp/B0BQBBDT2V</a></p>
<p>新種発見のエピソードを、新種を発見した研究者や一般の人それぞれが数ページずつ語る本。</p>
<p>新種をどうやって発見したのか、その新種の生態、発見したあとの道のりなどの体験を寄稿してもらいまとめた本。</p>
<p>その分野でどれくらい新種が見つかりやすいのか、どうやって分類していくのかなど論文に載ってこないエピソードもたくさんで楽しい。</p>
<p>中学校の図書館とかに置いておいてほしい感じの本。</p>
<h3>外来種は本当に悪者か？</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B01MED6D6A">https://www.amazon.co.jp/dp/B01MED6D6A</a></p>
<p>外来種を認めるタイプの環境保護。古い時代の自然を復活させようとする無意味さについて。</p>
<p>外来種によって多様性が高まることで生態系は豊かになる。誤った前提にもとづく新入生物学。田園地帯よりも産業放棄地に豊かな野生生物が息づくなどなど。</p>
<p>『自然は受け身でかよわいものというロマンティックな幻想を、私たちはそろそろ捨てなくてはならない。』というのはヨーロッパ圏っぽい自然のとらえ方だなとは。こういう前提で押し売りみたいな自然保護施策が行われるのかも。</p>
<p>特に驚いたのは、手つかずの自然というのはほぼ神話で、アマゾン川の熱帯雨林にすら過去に都市があり、ジャングルのあらゆる特徴は人間が作り出したものとかのあたり。</p>
<h3>化石になりたい</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4774199273">https://www.amazon.co.jp/dp/4774199273</a></p>
<p>自分を化石として残すにはどうすればいいのか、というテーマで化石の種類とそのでき方を見ていく。</p>
<p>よく見るタイプの化石から始まり永久凍土、琥珀、タール、コンクリーションなどなど。恐竜やアンモナイトの化石だけでなく、イヌやヒトの化石もカラー写真で出てくる。特に湿地から出てきたヒト標本は「ご遺体」という感じが生々しい。</p>
<p>化石って思った以上にバリエーションがあるんだなという感想を持った。</p>
<h3>ウエストがくびれた女は、男心をお見通し</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4898318428">https://www.amazon.co.jp/dp/4898318428</a></p>
<p>動物学から見た男と女、として人間のモテ、浮気、皇族などをあつかう。メールマガジンをまとめたもので内容が多岐にわたる。</p>
<p>ポリコレ棒をへし折るような研究が多数紹介されているので、へし折るための研究を知るのにもよさそう。</p>
<p>個人的に興味深い項目だったのは以下あたり。</p>
<ul>
<li>集団免疫を獲得するための祭り</li>
<li>WHRが低い女性は目だけで感情を読むテストのスコアが高い</li>
<li>異性の顔に自分の顔の要素が22%入っている顔が突出して魅力的</li>
<li>戦闘と父系制社会/母系制社会</li>
<li>種の保存という幻想</li>
<li>去勢すると寿命が延びる</li>
</ul>
<p>ひとまずは、私と2割ほど顔が似ている女性がいないか探すことにしよう。</p>
<h3>セキュリティの心理学　</h3>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4303729302">https://www.amazon.co.jp/dp/4303729302</a></p>
<p>セキュリティに関する心理学系の知見を列挙していこうとする本。</p>
<p>ヒューマンエラー・犯罪心理学などを取り扱い、最終的には社員への教育・訓練が必要と締める。</p>
<p>これ読んでセキュリティ対策ができるようになるかと言われるとノーではあるが、心理学とセキュリティを結び付けられないか模索するときに表面をさらっと眺めるには良いかもしれない。</p>


いつもの。

新種発見！ 見つけて、調べて、名付ける方法

新種発見のエピソードを、新種を発見した研究者や一般の人それぞれが数ページずつ語る本。
新種をどうやって発見したのか、その新種の生態、発見したあとの道のりなどの体験を寄稿してもらいまとめた本。
その分野でどれくらい新種が見つかりやすいのか、どうやって分類していくのかなど論文に載ってこないエピソードもたくさんで楽しい。
中学校の図書館とかに置

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