2021年3月に読んだ本

いつもの。

『家は生態系』は今年のトップに入ってくるかもというくらいいい本だった。

 

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家は生態系 

家は生態系―あなたは20万種の生き物と暮らしている
 

家の中の生物について。良書。

一般的な家で生態系のサンプリングをしてみると思った以上に生物の多様性があり、しかも家の中の生物多様性が増すほど健康にはよさそうだぞ、という本。

 

窓のサッシに落ちてる虫の死骸が新種である可能性は思っていた以上に高く、日本にしかいないと思われてたカマドウマがアメリカの地下室で繫殖していたのを発見した、という著者の研究が書かれている。というより、家の生態系を調べる生物学者が少なくて、著者の研究がメインになってしまっているという感じ。

窓のサッシを研究するよりもアマゾンの奥地に出かけていって新種ハンターする方が生物学者にとって楽しいらしく(それはそう)、そもそも身の回りの生物についての研究はあまり進んでおらず、家で見つけた節足動物が何を食べているかもよくわかっていないことが多い様子。

 

家に他の生物がわんさかいると聞くと殺菌・消毒の徹底をしたくなるが、人間に害を与える種はごくわずかで、むしろ家の中の生物多様性が増すほど有益な種が増えるとのこと。

殺菌・消毒の徹底した空間としてスペースシャトルの機内が紹介されているが、生物多様性が低くなった結果、閉めきっていた部室のような臭いがするのだとか。

無作為に除菌すると人にとって良くない生物が繁殖しやすい空間になってしまうので、窓を開け、植物を育てて、家の中の生態多様性を増していこう。そういうまとめだった。


コーディングWebアクセシビリティ 

わかりやすく実践的なWAI-ARIA解説本。

スクリーンリーダー起動しながらコード書きつつ読んでみたが「確かにこうすると聞きやすいな」と納得感があった。

WAI-ARIAというと障碍者に対する配慮というイメージがあったが、実際にWAI-ARIAを考慮しつつコード書いてみると、キーボードだけで操作できるようにするにはどうすればいいかを考え始めるようになって、アプリの使いやすさが上がった気がする。

 

都市型災害を生き延びるサバイバルプラン 

都市型災害を生き延びるサバイバルプラン

都市型災害を生き延びるサバイバルプラン

  • 作者:川口拓
  • 発売日: 2019/08/18
  • メディア: Kindle版
 

大災害が起きたときに生き残るすべについて。

サバイバルの普遍的な原則としてSTOPと命の5要素(空気・シェルター・水・火・食料)について述べていて、地味ながらも応用が効きそう。

 

防災といえば非常食という考えがあったが、食料が無くても3週間は生きれるので極論を言えば非常用持ち出し袋に入っていなくても良い(生きるモチベーションになるのであった方がもちろん良い)と書いててなるほどなと。

 


Q&Aでわかる!デジタル遺産の相続

Q&Aでわかる! デジタル遺産の相続

Q&Aでわかる! デジタル遺産の相続

 

法が整備されていないデジタル遺産の相続についてトラブルの回避・方針を検討するためのQ&A。

ネット証券や銀行は相続手続きができそうだが、電子メールのデータやSNSアカウントはサービスの規約次第っぽい。


ビジュアル顔の大研究

ビジュアル 顔の大研究

ビジュアル 顔の大研究

  • 発売日: 2020/12/23
  • メディア: 大型本
 

顔についての小中学生むけ解説。

生物が顔をどう獲得したか、人の顔の仕組みはどうなっているのか、社会・アートから見た顔、など顔についてを広く扱っている


もっと! 愛と創造、支配と進歩をもたらすドーパミンの最新脳科学

ドーパミンの働きについて。

快楽物質と思われがちなドーパミンが持つ、欲望への駆動力と制御による達成感への働きについて。


マルクス・ガブリエル 新時代に生きる「道徳哲学」

NHKの欲望の資本主義チームがマルクス・ガブリエルにコロナ禍における価値観についてインタビューしたもの。

所々うん?となる部分はあるものの、形而上学的なパンデミックというのは確かにそうかもなと思えた。

 

 他の月

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2021年2月に読んだ本

いつもの

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教養の近代測地学

教養の近代測地学: メフィストのマントをひろげて
 

地球を測量する研究者達の歴史をゲーテ研究者が述べていく本。

なんでゲーテ研究者が測地の本?と思いつつ読んでみたら、文学の歴史を測地の歴史と上手く組合わせつつ、細分化された測地技術をサーベイできるように書かれていて、こういうのもありなのかと驚きがあった。

 

地球が扁平回転楕円体であることをどう測量したか、水沢の緯度観測所と宮沢賢治、大地震の記録測定などなど。資料の量・質ともに高く読み応えがすごい。

 


図解 カラスの話 眠れなくなるほど面白い

眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話

眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話

  • 作者:松原始
  • 発売日: 2020/12/12
  • メディア: Kindle版
 

カラスについて。そのへんにいるカラスについて知らないことが多かったんだなと認識させられる本。

 

大都市にカラスがたくさんいるのは日本くらい、飼育下では60歳を超える、人を攻撃するのはの巣立ち直後のヒナを守るためでゴミを漁ってるときに近づいても攻撃されない、などなど

 


世界の紅茶 400年の歴史と未来

世界の紅茶 400年の歴史と未来 (朝日新書)

世界の紅茶 400年の歴史と未来 (朝日新書)

  • 作者:磯淵 猛
  • 発売日: 2012/08/01
  • メディア: Kindle版
 

紅茶の歴史、世界で紅茶がどう飲まれているか、そして、おいしい紅茶を淹れるには。

紅茶の輸入を手掛けている人が書いた本だけあって、栽培者や現地の様子に多くスポットが当てられている。

世界初の紅茶である正山小種がつくられたのは400年前、茶園で摘んでから紅茶になるまでに15-16時間など読んで初めて知ることが多かった。


ニッポンの地紅茶完全ガイド 

ニッポンの地紅茶完全ガイド

ニッポンの地紅茶完全ガイド

  • 発売日: 2019/09/27
  • メディア: 雑誌
 

日本で作られているご当地紅茶の紹介本。東北から沖縄までの各ご当地紅茶をカタログ調に紹介している。

 

日本の紅茶を作ろう、というムーブメントが最近になって出来始めた様子。

日本茶を転用して作ってる紅茶が多いからか、えぐみが少なくまろやかな味わい。マイルドでほんのりとした甘さ、と称する紅茶が多めな印象。

 


プログラマーの一日

小中学生向けに書かれたプログラマーのお仕事紹介本。

「どうしてプログラマーになったのですか」とか「この仕事のおもしろいところは」、「どうやったらプログラマーになれるの」とかがまとまっていて、就活系のインタビュー受けるときにそのまま模範解答にできそう

 


感染症の虚像と実像

フランスで新興感染症の学者として有名だというDidier Raoultの本。

内容としては流行病とメディアや政府、WHOが煽る恐怖について。インフォデミックという単語を久々に思い出した。

原著が2020年4月なので、以降のアップデートが少し気になる。

 

他の月

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2020年12月から2021年1月に読んだ本

先月まとめるの忘れてたので一緒に。

 

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webブラウザセキュリティ

Webブラウザセキュリティ Webアプリケーションの安全性を支える仕組みを整理する
 

Webアプリを作る上で必要になるセキュリティについて。

セキュリティ一般についての本はいくつかあるんですが、Webアプリを作る上で必要なセキュリティ知識についてまとまった本ってあんまりないんですよね。

『安全なWebアプリケーションの作り方』を読んだあとに、もっと具体的な実装方法とか注意点をしりたいとなった人、向けかな。

 

SOPとCORSの話やCookieの属性についてなど非常によくまとまっている。
なぜ危険かということも攻撃方法を踏まえて書かれているので納得感がすごい。

おそらくこれから事あるごとに読み返す本。


人類は感染症とともに生きていく

21世紀における感染症との戦いについて。

COVID-19を踏まえて書かれた本ではあるものの、内容としては過去のアウトブレイクについてがメイン。

一般的なアウトブレイクとは何か、について知れたので最近の感染症についてのニュースをもう少し冷静に見れるようになった気がする。

 

例えば、”毎月のように、少なくとも2件、多い時では20件以上のアウトブレイクを報告している“と書いていて、感染症のアウトブレイクは思った以上に頻繁に起きている様子。ここ衝撃的だった。

過去、天然痘は根絶に成功したが、はしかやペスト、結核などがいまだに残るのはなぜか。21世紀に先進国で再発生した古来の感染症によるアウトブレイクなどもレポートされていて非常に参考になる。

現代の感染症がよくわかる良書。


羊土社という医学系の本専門の出版社から出ているのもポイント高め。ココの本、大学時代に薬学部生の人が持ち歩いていたのを見かけた気がする。

 

 

タコは海のスーパーインテリジェンス 

タコは海のスーパーインテリジェンス: 海底の賢者が見せる驚異の知性 (DOJIN選書)

タコは海のスーパーインテリジェンス: 海底の賢者が見せる驚異の知性 (DOJIN選書)

  • 作者:池田 譲
  • 発売日: 2020/12/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

タコの一生や知性、社会性などの研究がまとめられた本。

そもそもタコが1年しか生きないこと、風景をカラーで認識できないが体の色を環境になじませることができること、景観を覚えて行きと帰りで違うルートを散策するなど驚きの多い本だった。

 

1年しか生きないタコが脳を発達させ、経験則を学び、新規の環境に適応していく様子が研究を通してわかる。タコ、なかなかにオーバースペック。

 

 

あなたの中の動物たち

あなたの中の動物たち ーようこそ比較認知科学の世界へ

あなたの中の動物たち ーようこそ比較認知科学の世界へ

  • 作者:渡辺 茂
  • 発売日: 2020/10/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

動物と比べることでヒトをより知ろうという学問、比較認知科学の本。

動物の記憶力や論理的判断力、美的センスや言語に至るまでを動物の行動実験から観察し、ヒトの各能力はヒト特有のものなのか、動物が普遍的に持っているものなのかを見ていく。

この動物は人間に例えると何歳くらいの知能ですか? という質問が的外れに思えるほど、人間と動物に共通点がたくさんあり、動物のほうが秀でた部分もあることがわかる。

 


ブランディングデザインの教科書

ブランディングデザインの教科書

ブランディングデザインの教科書

  • 作者:西澤 明洋
  • 発売日: 2020/12/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

ブランディングは伝言ゲームだ、というテーマで、どのように伝言しやすくするか、社外だけでなく社内に浸透させるか、経営とデザインにどう一貫性を持たせていくかについて書かれた本。

ブランディングとデザインは違うもの。経営戦略の部分からデザインを始めないと一貫性が生まれず効果が薄いということがよくわかる。

後半の詳細に書かれた事例のおかげで、前半の説明部分の納得感がすごく上がった。

 


文具の流儀

文具の流儀: ロングセラーとなりえた哲学

文具の流儀: ロングセラーとなりえた哲学

  • 作者:土橋 正
  • 発売日: 2011/08/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

定番となっている文具の生い立ちやこだわりなどを各社に取材してまとめた本。

身近過ぎるゆえに優れた一流品ということに気づかずにいる馴染みの文房具について解説し、ここまで考え抜かれた商品なんだということに気づかせてくれる。

 


名作椅子の解体新書 

名作と呼ばれている椅子の修復作業を追いながら、それぞれの椅子にどのような技術が駆使されているか、どのように組み立てられているか、長く使うとどうなるかを見ていく。

椅子の内部構造や工夫が見れて面白い上に、修復する人の仕事がとても丁寧。

 

 

最新船舶の基本と仕組み

船の構造や効率良く進むための理論など。

なぜ船のプロペラは後ろに二重でついているのか、荷積みのバランスを取るための工夫など興味深かった。

読んだ第4版が12月に出たばかりのようで、船の戸籍とモーリシャス島の事故や船内の感染症対策なども書かれていた。

 


米の日本史 

いつ日本に米が伝来したかから始まって、稲作や精米の発展、貨幣や文化としての米の広まりを見ていく本。

サクナヒメをクリアした後に読んだので、保存食としての鮨や田の周りの生態系になるほどとなったり、田右衛門の持ってた稲が比較的近代のものなんだなという発見があった


エアコン1台で心地よい家をつくる方法

図解でわかる!  エアコン1台で心地よい家をつくる方法 現行省エネ基準対応版

図解でわかる! エアコン1台で心地よい家をつくる方法 現行省エネ基準対応版

  • 発売日: 2020/06/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

断熱をしっかり考えて作り込めばエアコン1台でも空調管理できるぞ、という本。

冷房より暖房が必要な期間のほうが長い、というのはなるほどと。

これから新築とか建て替えとかする人向け

 

 

他の月

 

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