2020年7月に読んだ本

いつもの。

今月は動物の本が多め。

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まとまりがない動物たち 

 

動物の個性に関する研究について。


「動物に対して個性がある」ということ自体が人間の尺度で擬人化しているとして認められない時代の話から始まり、動物の個性がどのように認められてきたのかについて書かれている。

イルカや蜘蛛、オオカミやシジュウカラに個体ごとの性格を確認した研究や、遺伝と環境はどれだけ個性に影響するのかなど。

 

私の感覚からすると、各家で飼ってる猫に性格や個性があるのは当たり前のように思えるのだけども、研究対象としてみると個性があるのは不都合なのかなと思えたりもする。

そして、著者の飼い猫についての話が閑話として挟まれており、著者の猫に対するツンデレぶりもこの本の見どころの1つ。

 


与えるサルと食べるシカ: つながりの生態学

与えるサルと食べるシカ: つながりの生態学

与えるサルと食べるシカ: つながりの生態学

  • 作者:大和, 辻
  • 発売日: 2020/07/04
  • メディア: 単行本
 

金華山島に住むニホンザルを20年掛けて追いかけた人のフィールドワーク記。

サルの暮らしや食べ物、環境への影響などがどのように観察したかまで含めて書かれている。

 

動物のフィールドワークってこんななのか……。大変だ……。という感想を持った。

フィールドワークの研究室に入ったばかりの人が読むとすごく参考になりそう。

 


動物たちのゆたかな心

動物の知性を計る実験の紹介。


動物に計画的行動は可能か、道具を使うことはできるか。
さらにはウソをつくことはできるか、他者の失敗から学べるかといった比較認知科学と呼ばれる分野の実験を紹介している。

色覚や行動の違いから、ヒトの心とどう似ていてどう違うのかを確認していく。

 

十数年前の本なので内容的には少し古いのだろうけども、基礎研究的な実験が多めなので比較認知科学のサワリを知っておきたいならおすすめ。


人をひきつける心―対人魅力の社会心理学

セレクション社会心理学の本。

そもそも魅力とはなにか、美人とは、個人対個人の好感度になにが影響するのかといった研究を紹介している。


対人魅力のベースになってる論文が多数紹介されており、先行研究を読みたい人におすすめの本。大学の一般教養とかの授業で教科書になってそう。


あいまいな会話はなぜ成立するのか

会話に関する研究の紹介。


なぜ遠回しに言ったほうが丁寧に感じるのか、わざわざ解釈の必要な返事をするのか、どのような返答だと解釈の処理コストが低くなるのかなど。

まだまだ研究の進んでいない分野の実験をかいつまんで紹介してる。

 

喫茶チェーン観察帖

喫茶チェーン観察帖

喫茶チェーン観察帖

  • 作者:飯塚めり
  • 発売日: 2020/04/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

チェーン店に的を絞って喫茶店のレビューをイラストで紹介している本。


チェーンの喫茶店と一口に言っても、オープンした時代や系列などで店の雰囲気というかキャラクターが全然違うのだよなと改めて気づかせてくれる。

写真でなくイラストなので、各チェーン店のキャラクターがより個性的に感じ取れる。


お茶盌は楽

お茶盌は楽  楽茶盌を造る・楽しむ

お茶盌は楽 楽茶盌を造る・楽しむ

 

楽焼と呼ばれる茶盌について、歴史や見方、どう作られてるのかまでかなり詳細に書かれている。


茶盌を作る人には一級品の資料かと。

茶筅摺りや茶溜りという内側のくぼみがあることで、細かく混ぜられはねにくくなるとか。印は高台(茶盌底の円)の上か左で、自信作の場合は中心に打つとか。

茶道に縁のない私にとっても完全に見知らぬ世界で非常に興味深く読めた。


図解デザイン 直感と魅力で伝えるインフォグラフィックス

図解デザイン 直感と魅力で伝えるインフォグラフィックス

図解デザイン 直感と魅力で伝えるインフォグラフィックス

  • 発売日: 2020/07/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

インフォグラフィックス集。
類書と比べると年次報告書とかプレゼン用につくられた資料的なものが多め。


力あるグラフィッカーでないと作れないものかと思っていたが、資料とかに使うインフォグラフィックスなら絵心なくてもBlenderとか使えば真似できるのかも……? とか思えた。


Brand STORY Design

Brand STORY Design ブランドストーリーの創り方

Brand STORY Design ブランドストーリーの創り方

  • 作者:細谷正人
  • 発売日: 2014/06/18
  • メディア: 単行本
 

有名企業のブランドイメージについて、バックグラウンドとか関わった人達へのインタビューが紹介されている。


もともと日経デザインに連載していた企画の様子。
ブランド構築の具体例を見たいときにちょうどいい本。


万人のためのデザイン

万人のためのデザイン

万人のためのデザイン

 

人の大きさに合わせて作られた家や部位が欠損した人に合わせて作られた家具、その他人が使いやすいものとは何かについての研究や考察が書き込まれている。


本自体は展示会の図録といった趣。


人と空間が生きる音デザイン

人と空間が生きる音デザイン

人と空間が生きる音デザイン

  • 作者:小松 正史
  • 発売日: 2020/05/18
  • メディア: 単行本
 

場所ごとに合わせて環境音楽を作る試みの紹介。
実際のケーススタディを12件まじえ、音楽を環境の音に合わせて作る仕事を紹介している。


これを参考に……というのは音屋でない私には難しいが、紹介された場所に行ってどんなふうに聞こえるのか聞いてみたい。

 

少女禁区

少女禁区 (角川ホラー文庫)

少女禁区 (角川ホラー文庫)

  • 作者:伴名 練
  • 発売日: 2010/10/23
  • メディア: 文庫
 

ホラー小説のようなおとぎ話のような。

短編を2つ収録されていて、2つ目の短編で書名と同じタイトルの少女禁区が幻想的かつほろ苦さを併せ持った作品で非常に良かった。

 

他の月

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2020年6月に読んだ本

 いつもの。

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名前のないデザイン

名前のないデザイン 世界の日常と社会を動かす思いがけないデザインの話

名前のないデザイン 世界の日常と社会を動かす思いがけないデザインの話

  • 発売日: 2020/05/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

休刊したWorks That Work誌の中からピックアップして翻訳した本。

話題になってないのが不思議。今月読んで一番良かったのはコレ。

 

必要に迫られてできた、野性味あるデザインが20テーマほど取り上げられその背景や環境を取材している。

例として軍用カモフラージュや公共相乗り、偽造証明書、不法占拠住宅など。

同じ地球で取材した記事なのにあまりに異文化すぎてフィクションかなと思える。

 


見えない絶景

見えない絶景 深海底巨大地形 (ブルーバックス)

見えない絶景 深海底巨大地形 (ブルーバックス)

 

深海の巨大地形についてツアーガイドのように案内してくれる本。

生物の話はほとんどなく、深海の地形にフォーカスを当てて書かれている。

「しんかい6500」に51回乗船した人が実際に見てきたことを話しているので、冒険談としても楽しい。


コンテンツとしては、チリで巨大地震が起きやすい理由、海嶺・海溝とプレートの動きの解説、地球が生まれてからプレートができるまでの考察など。

 

デザインはストーリーテリング

体験する系のデザインをするときに使えるツール集。

デザイン版『考具』みたいな感じ。

 

ツールの紹介が主で応用例は少なめ。ミュージアムの展示でこれらのツールを活かした、と前置きで書いてたがどう使ったのかまで書いてほしかったなという気持ち。

 


世界薬用植物図鑑

 薬用として活用できる可能性がある植物の図鑑。

数多くの植物について原産や生育環境に加えて、利用部位と伝統的利用、そして科学的評価が書かれている。


だいたいの植物は「作用の可能性が示唆される」で留まっていて、究明の余地がある植物がこんなにあるのか・・・となった。

しかもこの図鑑に載ってる薬用植物も数ある薬用植物の一部とのことなので、人類なんだかんだ知らないことだらけなんだよな。

 

わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

わたしが知らないスゴ本は、 きっとあなたが読んでいる

わたしが知らないスゴ本は、 きっとあなたが読んでいる

  • 作者:Dain
  • 発売日: 2020/04/30
  • メディア: Kindle版
 

同名の書評ブログの著者が書いた本。

ブログを書いている理由とか、おすすめの本とか。ブログを読んでいないので詳しくはわからないが総集編とかインタビューのまとめみたいな感じがする。

本そのものを探すのではなく好きな本が似ている人を探す、というのになるほどとなった。

 

 

河童 

河童

河童

 

芥川龍之介の河童。文学方面にうといので試してみようと手にとった。

「河童の世界を通して人間社会を風刺する」みたいな説明がされるらしいのだけども、何がどう風刺になってるかわからなくて解説サイトを読んだら、芥川の経歴を知ってないと理解が難しそうな感じだった。

 

芥川がモテすぎてストーカー被害にあっていたため女性を批判するような描写がある、とか解説無しではわからんです。

 

まじないの文化史

呪術に使われた道具の歴史や出土品の紹介本。

新潟の博物館での展示を元にした本らしく、出土品の写真をもとに専門家の解説が入っていて良い。

 

セーマン・ドーマンや急々如律令という文字列の経緯、現在の世の中で使われている呪術具など、かなり楽しめる内容だった。

 

 

過去記事

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2020年5月に読んだ本

5月に読んだ本。

 

図書館しまってるし積本消化するかーとじっくり読んでいたら3冊だけになってしまった
積んでしまうくらい読み応えがある、という解釈。

 

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自己啓発の時代

自己啓発の時代: 「自己」の文化社会学的探究

自己啓発の時代: 「自己」の文化社会学的探究

 

自己啓発のサーベイ。

自己啓発本や就活対策本、an・anやプレジデントなどを通して、時代に寄って啓発内容がどう移り変わっていったか、どういう世界観を作り上げてきたのかを一歩引いた目線で見ていく。

記事数だけで言えば心理ジャーナルよりもan・anのほうが心理系記事が多いらしいとか、自分探し系の啓発は女性誌に多くて男性向けには数少ないとか、男性向けは昔からビジネスで活躍するための指南的なのが多いとか。

Twitterでも啓発系コラム記事が流れてきたりするが、この本読むと一歩引いて啓発記事を見ることができそう。

 

確率思考の戦略論 

USJにハリポタをつくったときの来場者数予測をP&Gのシェア戦略と絡めて解説する本。

数学マーケティングとサブタイトルで銘打っているが数学要素は巻末に固めているので数学が苦手でも読める。

ハリポタエリアを作るときに予想来場者数をどのように試算したのかについて、P&G時代のマーケティング事例や当時のUSJにおける背景なども数字を交えつつ解説していて、地に足ついたマーケティングをしれた気がする。

 

CSS設計完全ガイド

CSS設計完全ガイド ~詳細解説+実践的モジュール集
 

CSSの設計について。

CSS設計の考え方解説にはじまり、タブナビゲーションやアコーディオンのようなモジュールに設計を適用していくには、などが書かれている。

特に後半が非常に実践的で、作りたいモジュールとCSS設計設計を反映させた場合のサンプルコードが示されている。

CSSのリファクタをするときに役立ちそう。

 

 

他の月 

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