2021年8・9月に読んだ本

いつもの

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すべてが武器になる: 文化としての〈戦争〉と〈軍事〉 

武器とは何か、何が武器なのかを考えるため、過去に軍事に使われたものを見ていく本。良書。

武器をほめそやすなんてけしからん とは言うけども、日本刀は美術品として扱われるし、祭具には武器も多いよねという話から始まる。

昔から武器として使われてきた動物、人員を運ぶための鉄道、敵戦力の情報を獲得するための飛行機、量産や現地での修理を容易にする標準規格、そして侵攻のための文化知識。戦争に利用されつつ戦争によって発展したものの数々が例示されていく。


日本人のための大麻の教科書 

日本の大麻文化について。大麻への考え方が変わる本。

米より古くから利用され戦前まで各家庭で育てられている、現代でも農作物として大麻が育てられている、戦後GHQの絶滅命令から大麻農業を保護するための大麻取締法だったが現代は規制のために使われているなどなど、大麻に関する知らない情報がわんさかと出てくる。

 

神道の各種道具につかわれている大麻が調達できなくなっているという話があり、ちかいうちにビニール紐におきかわっていくんだろうな。


ロボット学者、植物に学ぶ 

バイオロボティクスとプラントロイドについて。前半で動物からインスピレーションを受けたロボットを紹介。後半で筆者がつくった植物を模したロボット、プラントロイドを紹介する。

植物を模したロボットって何が面白いんだろうと思っていたが、この本読んでなんとなく目的とか意図とかがつかめた気がする。

植物を模したロボットを動かすことで、植物の根の伸び方を模すことでより効率的な地面の進み方を知れたり、エネルギーの消費を知ることで植物の進化についてのヒントになったり。それから自らの形態を探査環境に適応させつつ成長するロボットの開発につながったりと、なるほどと思える本だった。


森の根の生態学 

樹木根の教科書的な一冊。たぶん林業従事者向けの本。

根の構造や機能だけでなく、根が育む生態系や環境変動に対する反応まで。

 

個人的に、隣接木間の溝で干渉できないようにしたり、菌根菌を付着すると生育が良くなる、山火事の熱で根は枯死せず炭が栄養になるが菌根菌の多様性が減るなどが興味深かった。


生態学者の目のツケドコロ 

生態学者のエッセイ。生きものがなぜその場所で、どうやって生きてるのかを考察しながら、環境と生きもの、環境と人間について生態という観点からみていく。


身銭を切れ 

対称性と破滅について。自身でリスクを負わなければ間違ったまま進行し、世に被害をもたらすという内容。

対称性については場合によりけりでは?と思いつつも、長く生き延びてきたものは頑健である(リンディ効果)、破滅リスクのあるものは費用便益分析が無意味、という考えは役に立ちそう。


SAVE THE CATの法則 

映画の脚本の書き方。どんな映画なのかを1~2行で説明するログライン、映画のジャンルは10の累計のうちどれにあたるか、構成をどう組み立てるかなど。


目的に合わない進化 上 

進化の遺産が現代の世界に不適合になっているのでは?という本。上巻は肥満・不耐性・腸内細菌・ストレスについて。なんでも進化のせいにしすぎでは?過去1万年まったく進化しなかったことを前提にするパレオダイエットは無理があるのでは?など


目的に合わない進化 下 

下巻はSNS・暴力・ドラッグ・フェイクニュースについて。〇〇遺伝子というミスリード、“スパンドレル”と呼ばれるたまたま進化の副産物としてできた形質を適応によって進化したに違いないという不正確な考えなどなど。

個々のエピソードは面白いが一つの本としてあまりまとまってない感じがある、


理系研究者の「実験メシ」 

食べ物にまつわる疑問を家にあるもので実験して検証してみる本。

コーヒーを遠心分離機で入れる、太陽光で米は炊けるか、超音波で泡盛の熟成を進めるなど。

なぜか読んでるときに『空想科学読本』っぽさを感じた。なんでだろ。


食品のコクとは何か 

コク研究会による専門書。

コクの定義から始まり、寄与する物質、関係する感覚刺激、官能特性の測定方法、カレーやチーズなど各食品のコクがどう形成されるかなど。

コクの3要素として複雑さ・広がり・持続性があること、それぞれの引き出し方を知っておくと役立ちそう。

複雑さの形成には熟成・加熱・燻煙・発酵の処理過程で生じ、広がり・持続性にはうま味物質・脂肪・メイラードペプチドが寄与していることが多いとのこと。食品によって増強できる要素が違うらしい。

まだ研究が始まったばかりの分野っぽいが、職業として料理にかかわる人の参考になりそうな感じがした。

 

他の月

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2021年7月に読んだ本

 いつもの

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坐の文明論

今月読んだ中でベスト。すわることに対する文化の違いについて。

すわり続けるのは健康によくないというが、それは楽にすわる方法を知らないからでは?という問題提起から始まる。

 

 

床坐民族と椅子座民族という座る文化の違いで身体感覚がどう違うのか、椅子座民族は長い歴史の中で椅子をどう成熟してきたかなどを見ていく。

椅子座民族のフランスや中国における椅子の種類や構造を事細かに解説していて、椅子の専門書としても読める。

すわり方の対比で人類史を見ていくようなスケールの議論が行われていて読み応えがすごい。

 

小さい頃から椅子で生活していると床に座れなくなるらしいが、床坐できるようにするためのトレーニングなども。

日本の都市 誕生の謎

地形から見る日本史。ブラタモリ好きな人におすすめ。

 

なぜ長岡京に遷都したのか、たった10年で平安京に再遷都したのか、地形から見る比叡山焼き討ちなどなど。

源頼朝が鎌倉に幕府を作ったのは、湘南ボーイの頼朝に都会の環境が合わなかったから説がとても好き。

他にも、徳川家康が天下取ったあと京都付近に城を造らずわざわざ僻地の江戸に戻って江戸城をつくったのはエネルギーである木材が京都付近に少なくなってたからではとか、晩年に静岡に移ったのは隠居ではなく交通の要所である静岡を落とされると積むからではとか。

 

日本史の本だが歴史上の人物は有名人くらいしか出てこない上、都市の維持や発展についてをメインに取り扱っていて、日本史の知識少なめでも楽しめる。

「理系」で読み解くすごい日本史

1つ上と同著者の本。日本史に出てくる技術について。

項目としては火焔型土器や日本刀、城郭や江戸の設計などなど。

なぜか「理系」という単語で技術の発展などを強引にまとめようとしていて、その部分は ? という感じだが、個々のトピックは雑学集としては面白い。

イネという不思議な植物 

米について。米の構造や稲の育ち方から始まり、田の開発や米に関する歴史など。

初めて知ったのが、もち米のもち性は潜性遺伝でうるち米と混じると餅にならない、というもの。丸いエンドウ豆としわのエンドウ豆を交配させると全部丸いエンドウ豆になるというメンデルの法則があるが、うるち米ともち米を交配させると全部うるち米になるのだとか。

 

他にも、種子を落として生息域を広げる稲の中で、たまたま種子を落とさない変異個体を見つけた結果稲穂として収穫できるようになったとか、ほかの作物と違って田んぼは塩害を起こさず連作が可能であるなどなど。

もっとディープに! カラス学

カラスを25年研究してきた人によるカラスの本。

カラスの嘴から始まり、五感や脳のつくり、生態にいたるまで幅広く深く解説されている。

嘴に感覚があり、表面は皮膚であること。中心窩が2つあること。数の識別や他者からの学習を行えることなど驚きが多かった。

ホモ・サピエンスが日本人になるまでの5つの選択 

アフリカで生まれたホモ・サピエンスが日本にたどり着くまでの道のり。

『サピエンス全史』の補完として読むといいかも。

アフリカ大陸からホモサピエンスが旅立ち、ユーラシア大陸でのネアンデルタール人との出会う。東南アジア経由で来た縄文人がメインの縄文時代。シベリア経由で来た弥生人が稲作で数を増やし、気候変動で数の減った縄文人を同化吸収した弥生時代。

海をたどってやってきた縄文人と山々を通ってやってきた弥生人が一緒になったので、古事記には海の神話と山の神話が混じってるという話が特に興味深かった。

我が半生を彩った昭和・平成の道具たち

昭和・平成前半に出てきた情報家電分野の道具に関するエッセイ。

ゼンマイやガリ版から始まり、カセット、パンチカード、ワープロ、パソコン通信など、それぞれの全盛期を通過してきた著者が、当時の様子を振り返りつつ語る。

似たような話は年次が上の人から飲み会の席で語られることがよくあるが、本としてまとまってるのはあんまり見たことなかったかも。

生きている化石図鑑

似た姿の祖先や祖先の近縁種が確認されている、いわゆる生きた化石と呼ばれる生き物を昔の姿と見比べていく本。

たとえばカブトガニが4億4千万年前の近縁種とどれだけ似た姿だったのかとか。

ネコは最初からネコの形をしていたよとか。美味しさと絶滅は関係なくて、おいしいイカも結構古くから生きてるとか。

現代語訳で読み直す『竹取物語』

竹取物語を原作に忠実な表現技法で現代語訳を試みてる本。

「けり」の表現であったり、登場人物の敬語表現などに詳しく注記が書かれたりしている。

古文も併記されてるので、読み比べやすい。

影の不思議 光がつくる美の世界

美術における風の使われ方や技法の紹介。

絵画の中に見られる影の表現とか、古い映画で影をどう演出につかっていたのかとか。

各々を2ページくらいで紹介してる薄い本で、さらっと読むのには良かったのだけども、あんまり対象読者がわかんないなって本だった。

 

 

他の月
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これからアプリ開発をはじめるときにどこから手を付ければいいか(就活中の情報3回生向け)

いま某大学で情報について学んでいる3回生から就活の相談を受けていて、その人から「これからアプリ開発をしていこうと思うが何から手をつけていいかわからない」と質問が来たので、送ったメモの転記。

 

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いきさつ

「いま大学もリモートワークで、就活の相談もままならない情報の3回生が友達の息子にいるので、ちょっと相談に乗ってあげてほしい」と父親から連絡来たので、1時間ほどZOOMをしました。

で、そのときに「情報出身でSIer系志望なら自作アプリとかあると結構アピールできるよ」とアドバイス。

情報系の学部出身の大学生がみんなプログラミングをバリバリ書けるというわけではなく、授業と研究以外でコードを書かなかったという人も多々います。なので、研究が本格的に動き始める前の就活シーズンだと、過去のプログラミング経験を聞いたときに「授業でJSPのWebサイトつくった」だけというレベルの人も普通にいます。

私も情報系の大学出身なのですが、FizzBuzz書ける人半分いるのかな?くらいの体感でした。どちらかというとサブネットマスクの計算方法とかビット演算をできる人のほうが多いのでは?

そんなわけで、「自作アプリ作っておくと面接のときにデモもできるし、コードについての理解も深まるので良いよ」とアドバイスしたのですが、後日 「アプリ製作についてまったくわからず、どこから手をつけていいかわからない。」とメールが来たので、ちょっとまとめて返信しました。

 

Web

正直、先方のスキルがあまり把握できてなかったので、レベル別に。

1. HTML・JavaScriptを書いたことがない

このレベルだと、まずはHTMLやJSの書き方をドットインストールで学ぶのがオススメ

前提知識が書いてあるものの、いったん無視して進めても大丈夫かな?という感覚。
わからないタグや関数はググればいいので。

 

作ったものはGitHub Pagesで公開。ついでにGitHubのアカウントもつくれるし、サイトの公開だけであればGitの知識無くてもいいので。

 

2. プログラミングが書ける

Reactのチュートリアルを一通りやってみる。React公式の三目並べをつくるチュートリアルはよくできてて、日本語で解説されてる上にステップバイステップで解説されてて良い。

Webアプリをしっかりとつくっていこうと思っている人には、このReactチュートリアルのページを渡しがち。なんちゃってプログラミング教室みたいなときはjQueryでお茶を濁すのだけども。

 

そして、このレベルならGitでバージョン管理までできると良いですね


3. クラウドでばりばり開発してると言いたい

ここは努力目標。

ReactのアプリをFirebaseにデプロイする

nodejsの知識が必要なので、ちょっとハードルはあがる。しかしながら、面接のときに「GCPでWebアプリデプロイしてます」とデモを見せれると出来そう感でてきますよね。

 

さらにログインやDB管理までできると、実現の幅が広がるのでつくれるものも増えます。

 

スマホアプリ(Android)

私も正直詳しくないですが、最近は Kotlin を使って開発することが多い雰囲気。

英語混じりではあるが、はじめはここからAndroid Studioを使ってサンプルアプリを作ってみるのが良いでしょうか

私が昔かじったときはAndroidのアプリをつくって公開するところまではこのページだけで行けた記憶

React Native や FlutterのようにAndroid/iPhone共にアプリを作れるものも。

iPhone向けはもっと詳しくないですが、Swiftとかでつくれるはず。

 

まとめ

上記を送って、「参考にします!」と返ってきました。

うまいことやってほしいところ。