これからアプリ開発をはじめるときにどこから手を付ければいいか(就活中の情報3回生向け)

いま某大学で情報について学んでいる3回生から就活の相談を受けていて、その人から「これからアプリ開発をしていこうと思うが何から手をつけていいかわからない」と質問が来たので、送ったメモの転記。

 

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いきさつ

「いま大学もリモートワークで、就活の相談もままならない情報の3回生が友達の息子にいるので、ちょっと相談に乗ってあげてほしい」と父親から連絡来たので、1時間ほどZOOMをしました。

で、そのときに「情報出身でSIer系志望なら自作アプリとかあると結構アピールできるよ」とアドバイス。

情報系の学部出身の大学生がみんなプログラミングをバリバリ書けるというわけではなく、授業と研究以外でコードを書かなかったという人も多々います。なので、研究が本格的に動き始める前の就活シーズンだと、過去のプログラミング経験を聞いたときに「授業でJSPのWebサイトつくった」だけというレベルの人も普通にいます。

私も情報系の大学出身なのですが、FizzBuzz書ける人半分いるのかな?くらいの体感でした。どちらかというとサブネットマスクの計算方法とかビット演算をできる人のほうが多いのでは?

そんなわけで、「自作アプリ作っておくと面接のときにデモもできるし、コードについての理解も深まるので良いよ」とアドバイスしたのですが、後日 「アプリ製作についてまったくわからず、どこから手をつけていいかわからない。」とメールが来たので、ちょっとまとめて返信しました。

 

Web

正直、先方のスキルがあまり把握できてなかったので、レベル別に。

1. HTML・JavaScriptを書いたことがない

このレベルだと、まずはHTMLやJSの書き方をドットインストールで学ぶのがオススメ

前提知識が書いてあるものの、いったん無視して進めても大丈夫かな?という感覚。
わからないタグや関数はググればいいので。

 

作ったものはGitHub Pagesで公開。ついでにGitHubのアカウントもつくれるし、サイトの公開だけであればGitの知識無くてもいいので。

 

2. プログラミングが書ける

Reactのチュートリアルを一通りやってみる。React公式の三目並べをつくるチュートリアルはよくできてて、日本語で解説されてる上にステップバイステップで解説されてて良い。

Webアプリをしっかりとつくっていこうと思っている人には、このReactチュートリアルのページを渡しがち。なんちゃってプログラミング教室みたいなときはjQueryでお茶を濁すのだけども。

 

そして、このレベルならGitでバージョン管理までできると良いですね


3. クラウドでばりばり開発してると言いたい

ここは努力目標。

ReactのアプリをFirebaseにデプロイする

nodejsの知識が必要なので、ちょっとハードルはあがる。しかしながら、面接のときに「GCPでWebアプリデプロイしてます」とデモを見せれると出来そう感でてきますよね。

 

さらにログインやDB管理までできると、実現の幅が広がるのでつくれるものも増えます。

 

スマホアプリ(Android)

私も正直詳しくないですが、最近は Kotlin を使って開発することが多い雰囲気。

英語混じりではあるが、はじめはここからAndroid Studioを使ってサンプルアプリを作ってみるのが良いでしょうか

私が昔かじったときはAndroidのアプリをつくって公開するところまではこのページだけで行けた記憶

React Native や FlutterのようにAndroid/iPhone共にアプリを作れるものも。

iPhone向けはもっと詳しくないですが、Swiftとかでつくれるはず。

 

まとめ

上記を送って、「参考にします!」と返ってきました。

うまいことやってほしいところ。

2021年6月に読んだ本

いつもの。

今月はちょっと少なめながら全部いい本。じっくりと読み解いてたともいえる。

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選択と誘導の認知科学

認知科学のススメシリーズの1冊。人の選択に関わるバイアスについて。良書。


注意の張り紙はなぜうまくいかないのか、臓器提供のデフォルト効果をどう考えるか、ペプシ・パラドクス現象が起きるのはコーラよりもペプシのほうが味が説明しやすいからではなど、人の選択が持つ癖やその癖を本人がどう認識するのかについて。

 

この本がとても良かったので同じ著者の本を探してみたら、どうやらこの1冊しか単著ないっぽい(教科書とか協会の出版本に分担執筆はいくつかある)。とりあえずオープンアクセスの論文がいくつかヒットしたのでそっちも読んでみようかと。

 

食の文化史

1975年の食文化考察。

日本での肉、野菜、米、パン、牛乳などの扱いがどう変遷したかについて。

半世紀近く前に書かれた内容だが、その時点で米離れや正月のおせちへの飽きなどが言われてた様子。

知らなかったことが多々あり、雑学の本としても面白い。

 

情報社会の<哲学>

マクルーハンのメディア論とルーマンの社会システム論から情報社会を体系的批判する本。

哲学用語がバンバンでてくるため、読み解くのに時間がかかったが読んだ甲斐はあった。

情報社会の構成要素が人間ではなくコミュニケーションにあり、それ行うノードとして人間やロボットが置かれる。そしてシステムに寄与しない場合バッファとして外部に排除される。

『ホモ・デウス』に出てくるデータ至上主義を1個上のレイヤーから見てる感じがした。

 

「役に立たない」研究の未来

基礎研究の現状とこれからというテーマの座談会イベントをまとめたもの。

選択と集中はゼロイチと両立できない、科学の有用性についての議論はいつからなぜはじまったのか、など。

議論のタネになる、人にオススメしやすい本。

 

他の月

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2021年5月に読んだ本

いつもの。

今月は特にいい本多め。

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UXデザインの法則 

 

ヤコブの法則やミラーの法則など、画面のデザインをするうえで有名な法則・効果をまとめたもの。良書。

どこかで聞いたことはあるもののちゃんと意識出来てなかったなという心理学の法則や理論が2020年の実例と共に並べられ、耳が痛い……となる。

そして、いま作ってるプロダクトが思い浮かんで「あの部分はこうすればもっと良くなるのでは……?」ともなる。

Webサイトのデザインするひとは一冊手元に置いておくと吉。

 

感じる認知科学

ヒトはどのように外界情報を知覚しているのか、について。

各インプット器官の仕組みや脳内でどのように受け取るのかといった話題や仮現運動、境界拡張、錯覚、プロテウス効果などに至るまで。

感じるとは何か、についての認知心理学が、さながら大学講義一般教養1単位分の教科書っぽくまとまっている。

 

「認知科学のススメ」というシリーズの1冊らしいので他のも読んでみるつもり。

 

デザイニングWebアクセシビリティ

アクセシビリティの高いWebサイトをつくるための設計や考え方。

かなり基本的な部分の解説でLightHouseのスコアを100にする段階でカバーできそうな内容。

 

先月、姉妹本の『コーディングWebアクセシビリティ』を読んだのでこちらも手に取ったが、より発見があったのは『コーディングWebアクセシビリティ』の方。とはいえ、Web初心者ならこっちも学んでおいた方がいいよねという内容になっている。

しかしながら、姉妹本を名乗るなら判型揃えてほしかった。

 

 

ここまでがお仕事系の本。

 

悪魔の細菌 超多剤耐性菌から夫を救った科学者の戦い 

抗生物質が全く効かない細菌に感染した夫を救うために、ウイルスで細菌を制するという未知の治療を試し、勝利したノンフィクション。

 

そのまま映画になりそうな実話。

 

研究者としての冷静な対応と妻としての動揺を行き来しながら、必死に治療法を探す臨場感ある手記。

どの治療法も効果がない…という前半の絶望的な状況から、ファージ療法という世界に一人握りしかいない研究者たちが協力し調剤ができ治療が始まっていく経緯が非常にドラマチック。そして出てくる研究者たちがとても格好いい。

 

生命理工学系の研究室出身の人、ぜひ読んで。

 

忙しい人のための公衆衛生

公衆衛生初心者向けに背景と概略を国試を例題にしつつ解説する本。

 

前半で国民の健康に関する行政の取り組みとその根拠路なっている法を見ていく。

後半で統計の読み方と活用方法。

おそらく医学部や薬学部の1~2回生向けに書かれたテキスト。しかしながら、一般会社員が読んでも理解できるくらいに嚙み砕いて書いてある。

 

そもそも公衆衛生とは、から始まって保健所や産業保健医がどういった法律に基づいておかれているのか、衛生統計の考え方と計算法にいたるまで、初歩となる知識を幅広く解説してくれている、という印象を持った本。

 

利用者の“動き出し”を引き出すコミュニケーション

利用者主体の介護を行うためのかかわり方について。

介護者がどう声かけすれば利用者に受け入れて協力してもらえるのかを具体的な例とともに述べる。

 

介護者向けの指南書ながら、ミルトン・エリクソンの症例集みも感じた。

この声かけの考え方を操作ナビゲーションとしてUXにうまく組み込めないかな…と思いつつ読んだ。

 

分子調理の日本食

オライリーのガストロノミー料理本。

 

箸でつまめるお吸い物やしゅわしゅわな手巻き寿司など一風変わった料理のレシピと原理の解説が載っている。

実用的かといわれると完全にNoなのだけども、こんな料理出来るんだ……という刺激が得られる。

 

超音波乳化ラーメンよさそうだなと使う機材をググってみたら数十万って出てきて、おおぅとなったりした。

個人的にはガリをシート状にして折り鶴として鮨に添えたのが一番好き。

 

北欧式インテリア・スタイリングの法則

インテリアの原理原則について解説する本。

 

インテリアの作例をずらずら並べる本はよくあるけども、その背景にある原則や考え方についての解説をメインに置いた本はなかなか見ない。

こだわりのインテリアを模索しているひとは手元に置いておくと、良い指針となるかと。

視覚的重さや余白、導線、配色など多岐にわたって解説されてる。

 

ヘンな科学

イグノーベル賞を受賞した研究を紹介する本。

 

変わった研究・滑稽な研究という印象のあるイグノーベル賞だが、ちゃんと背景や問題提起があって、どう研究したかがわかりやすく説明されている。

 

今年も日本人がイグノーベル賞を取ったぞ、くらいの記事はよく見るが、この本は受賞した研究がただ面白いぞというだけでなく、数年前のイグノーベル賞受賞者にインタビューを行って、この研究のおかげで事故の軽減や農作物生産に役立っているという後日談も載っている。良い。

 

他の月

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