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2023年05月に読んだ本

いつもの。

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言語はこうして生まれる

thumb言語はこうして生まれる―「即興する脳」とジェスチャーゲーム―モーテン・H・クリスチャンセン(著),ニック・チェイター(著),塩原通緒(翻訳)&0その他 .https://www.amazon.co.jp/dp/B0BGXDM9F4

言語はジェスチャーゲームが由来となってできたという説をベースに、言語処理に関する研究や言語誕生に関する歴史、子供の言語獲得に関しての考察などを述べていく。良書。

チョムスキーの普遍文法やFOXP2という言語遺伝子に対する反論、自然発生する言語秩序、他人の足跡をたどることで子供は言語を学習する、など。

言語を数理解析する姿勢への批判、コミュニケーションの道具としての文脈で見直そうというというメッセージを感じた。

著者の『心はこうして創られる』も良かったので、今後ニック・チェイターの著書を追いかけたい。

色覚の多様性 〈選別の病理〉を問い直す

thumb色覚の多様性色覚差別撤廃の会(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/487498844X

先天的な色覚をめぐる差別や社会的バリアの撤廃を訴える書。 色覚検査によって差別された人々のエピソード、廃止された色覚検査の復活、眼科医会のヘイトポスター、エビデンスのない石原表など。 制度的な色覚検査が復活した江戸川区で偽陽性が61%ということらしく、必要のない検査で無意味な結果が出てるだけなんだなと認識した。

個人的には社会的バリアを減らすための方法論を求めていたので、そのあたりが書いてなかったことは残念。

だが、色覚検査を復活させるロビー活動がおきていることやその色覚検査で使われている石原表(色の粒から数字を読み取るテスト)の信ぴょう性の薄さを知れてよかった。

爆発する宇宙

thumb爆発する宇宙 138億年の宇宙進化 (ブルーバックス)戸谷友則(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/B096RYS71G

宇宙にとって「爆発」とはなにか、宇宙で発生するエネルギーの大きさとその起源がなにかについて。

ビッグバン、太陽でのエネルギー生成、超新星爆発などについて解説している。

科学エネルギーと核融合エネルギーの大きさのオーダーの差、太陽の中心で核融合してエネルギーが生み出されてから表面に出てくるまでに100万年、というエピソードが特に印象に残っている。

フロントエンド開発のためのセキュリティ入門

thumbフロントエンド開発のためのセキュリティ入門 知らなかったでは済まされない脆弱性対策の必須知識平野昌士(著),はせがわようすけ(読み手),後藤つぐみ(読み手)&0その他 .https://www.amazon.co.jp/dp/B0BQM1KMBG

Webアプリのフロントエンド側のセキュリティに関する初学者向けの内容をまとめた本。

CORSやXSS、CSRF付近についてが書いてある。

『安全なウェブサイトの作り方』やMDNのウェブセキュリティより前の段階にある人向けくらいの立ち位置。

新人研修やOJT中の読み物として新人へ渡すのに使われそう。

スマートフォンは誰を豊かにしたのか

thumbスマートフォンは誰を豊かにしたのか: シュンペーター『経済発展の理論』を読み直す (いま読む!名著)小林大州介(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4768410170

シュンペーターの理論を通して現在進行中のICTパラダイムの興隆を見ていこう、という本。 キー理論である「イノベーション」を考える切り口として、スマートフォンによって生まれた利潤と格差を見ていく。

いまでも通用する100年以上前に書かれた理論、イノベーションによる景気循環、自らの功績で自滅する企業、欲望の飽和が訪れるまで投資機会が消滅することはない、など。

やさしい家庭電気・情報・機械 

thumbやさしい家庭電気・情報・機械 (KS理工学専門書)薮哲郎(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/B0BYZ2VQWB

家電とガスに関する物理と科学。理科便覧のコラムがひたすら並んだ教科書、みたいな感じの本。

電気の利用法はエネルギー源と情報の処理伝達の大きく2つ。電気料金の計算方法、電気ストーブよりガスファンヒーターの方が1/2の料金で済むのでお得、エアコンなどのヒートポンプはさらに経済的、各種光源の効率とエネルギー配分、などなど。

小学校とか中学校の図書館に置いておいて欲しかったタイプの本。