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2025年4月に読んだ本

いつもの。

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動物には何が見え、聞こえ、感じられるのか

thumb動物には何が見え,聞こえ、感じられるのか 人間には感知できない驚異の環世界エド・ヨン(著),久保尚子(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/B0F48BTWDN

動物が持つセンサーと環世界について。良書。 環境全体のうち動物が知覚して体験できる部分のみを指して環世界と呼ぶ。人間と他の動物は異なる環世界を生きており、人間にとっての暗闇や静寂が他の動物にとってはそうでないということを知れる本。

人間は人間の感覚をベースに他の動物の能力を測ろうとしてしまう。他の動物にはそれぞれの生活に即した世界の読み取り方を発達させており、そこから違う世界の見方を知れる。そういうことを感じれた本だった。

トピックとしては、においや味、光や色というわかりやすいものを始め、音や表面振動、エコー、電場磁場という人間が感じ取れないものを利用している生物の知覚を幅広く取り扱っている。

PARK STUDIES

thumbPARK STUDIES:公園の可能性石川初(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4306073734

公園に関する設計視点でのエッセイ。設計者視点で公園を考えたことがなかったのでおもしろかった。 もともと鹿島建設の社内報向けに書かれたものらしく、公園に関するトピックが幅広く語られている。

公園への眺望が確保されてカフェの庭として使われる公園。感染防止対策として立入禁止のテープが貼られるコロナ禍の遊具。禁止サインから禁止しないサインへの試み。わかりにくいデザインの遊具は利用方法を固定化せずより自由に使われる。などなど。

まえがきに書かれていた「集まって騒ぐとか、地面に座り込んだり寝転んで休むとか、(中略)街でそういうことができなくなったために、公園がそれらの行為を受け止めている」という文には特にハッとした。

公園とデザインについて考えたことのなかった視点で語られており、刺激を受けた。

地球の測り方

thumb地球の測り方 宇宙から見る「水の惑星」のすがた青木陽介(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/B0DXDSQYY8

地球の形や変形を研究する測地学という学問を通して見る地球の形について。

海面を基準にしたとしても地球はけっこうボコボコしており、月や太陽の重力、地震、氷期に氷河によって沈んで戻りつつある部分など、地球の変形についてその観測手法とともに見ていく本。

地球は完全な球体ではないため日本の中で地球の中心からの距離が一番遠いのは富士山頂ではなく沖ノ鳥島という話や、継続時間が300日間にもおよぶスロー地震。GPSを用いた観測の他にどういう手法があるのかなど。

測地学という学問があることを知るとっかかりとして良い本だった。

インテリアスタイリストのネタ帖

thumbインテリアスタイリストのネタ帖遠藤慎也(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4866732482

インテリアのスタイリングを行う際のTips集。

テーブルの下に敷くラグの広さは椅子を引いてもはみださないくらい、オープンシェルフでワンルームを区分けする、を収納の箱にするとあとから買い足せるなど。

パラパラとめくると楽しい本。

かこさとし科学絵本の世界

thumbかこさとし科学絵本の世界藤嶋昭(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4054068561

科学の絵本を描いてきた、かこさとし氏の絵本のページを見ながらどういった工夫がみられるかの解説をする本。

見開きページを引用しながらどういった絵本があるのかを紹介していくといった趣。

豊富な資料をベースに工程まで含めて省略せずに描くと、大人も楽しめる絵本になるのだなと感じられる。

肥満の科学

thumb肥満の科学 ヒトはなぜ太るのかリチャード・J・ジョンソン(著),中里京子(翻訳) .https://www.amazon.co.jp/dp/B0DFLQPWJF

現代人は飢餓状態に備える「サバイバル・スイッチ」がオンになり続けている、と肥満のメカニズムを語る本。

果糖を取ると空腹感を引き起こし、冬眠に備える野生動物の体重増加のトリガーとなる。果糖だけでなく糖そのものや水分不足、塩分、うま味などおいしいものはすべて体に悪いのだ、という論を展開している。

果糖が空腹感を引き起こすという研究は面白いが、結論としては糖や高GI炭水化物を避けよう、清涼飲料水はダメ、塩分と赤身肉も制限して鶏や魚を食べろ、というよくあるダイエット法が紹介されて締められている。