いつもの。年末に今年のまとめがあるのでちょっと早めに。
記号創発システム論
記号創発システム論ー来るべきAI共生社会の「意味」理解にむけて(ワードマップ)谷口忠大(著,編集) .https://www.amazon.co.jp/dp/4788518546
「記号創発システム論」という学術的概念に関係する分野とキーワードを、それぞれの分野の研究者が紹介・解説する本。
手元に置いて読み返すことになるだろう良書。
人間社会は言葉という記号を用いたコミュニケーションを行っているが、その記号の意味がどのように成立しているのか?についての探求を人文社会・情報・工学・哲学と各分野横断で行っている。
言語習得や内部モデルの生成といった、かつては幼児の観察のみでしか知見を得られなかった研究がロボティクスの発達で実験的にシミュレートできるようになり、人間同士でしか行えないと思っていた言葉でのやりとりに生成AIが入り込んできた時代となった。
そもそも言葉とは、概念とは。言語はどう進化したのか。論理規範はどう生まれるのか。生成AIとの共生が始まった時代に、そもそも言葉ってなんだっけ?を問い直す際に必要になるキーワードと関連書類を拾い集められる本。ここで紹介されている本やキーワードに関する情報を来年以降調べていきたい。
暮らしと物価の地政学
家計と世界情勢の関係がまるわかり! 暮らしと物価の地政学小山堅(監修) .https://www.amazon.co.jp/dp/4816376240
国際貿易と各重要物資をめぐる世界情勢をまとめた本。
小学校で配られた社会の資料集を書籍にしたような雰囲気の本。ロシアのウクライナ侵攻の影響だけでなく、2024年6月のパナマ運河の通航制限緩和まで書かれていて結構最近の情勢まで反映されている。
前半は経済連携協定や主要国のパワーバランスについて書かれている。 後半では石油のようなエネルギー資源、小麦などの食物資源、半導体のような産業資源の主要な品目について、生産量・輸出量・輸入量のランキングが書かれている。
それこそ学生時代に社会の授業でいろいろと丸暗記した記憶があるが、改めて俯瞰してみると世界情勢も結構変わってたんだなという印象を持った。
加えて、リチウムを産出・精製している国だとか、ブラジルの大豆と肉の生産についてだとか、繊維生産の主流が変化し綿は全体の26%にまで割合を減らしているだとか、把握できてない事柄も多く勉強になった。
戦略物資の未来地図
地政学から読み解く!戦略物資の未来地図小山堅(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4866674989
上記の『暮らしと物価の地政学』と同じ著者が書いたエネルギー資源に関する本。上記の本の1年ちょっと前に書かれている。
欧米と中ロが対立している中で、エネルギー資源をめぐる駆け引きはどのようになっているのがが解説されている。それぞれの化石燃料はそれぞれの地域でどのくらい需要があるのか。米中の対立やカーボンニュートラル施策でエネルギー資源の確保がどのように変化していくと予想されるのか。テレビの池上解説くらいのレベルで読める。
自然エネルギーの活用を進めると太陽光パネルとバッテリーに強い中国が潤うという話は確かにそうだよなーと思ったし、途上国の化石燃料消費が急増して現在は先進国の2倍くらいCO2の排出をしているという話に「イノベーションがないと立ち行かんよなー」となった。
[改訂新版]プロになるためのWeb技術入門
[改訂新版]プロになるためのWeb技術入門小森裕介(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4297145715
Web制作に関する基礎部分の情報技術をまとめた本。研修中の新入社員に渡すのにちょうどよさそう。
WWWの始まりやURLの基本構造、セッション管理からSPAまで。簡単な歴史や変遷まで示しながら、どういう手法で現代のWebサイトが成り立っているのかを解説している。要素としては情報系の学部で学ぶことが半分、ここ十数年で主流になったWeb技術が半分くらいといったところ。
Webに関する幅広い知識をこうやって系統立ててまとめた本が1冊あると、新人向けに講義をしないといけなくなったときに参考にできて助かることがよくある。
超実践!サラリーマン節税術
超実践! サラリーマン節税術梅本正樹(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4801303986
サラリーマン向けに書かれた節税方法の説明。給与所得控除・所得控除・税額控除の違いから書かれている。
年末調整や確定申告でどういう項目が申請できるかについて、サラリーマンがあてはまりそうなものが書かれている。
節税に関する情報は基本的に自営業者向けに書かれたものか、特定の項目に対してのみ書かれた散発的なものが多く、サラリーマン向けにまとめられたものが少ないので、知識の整理に役立った。
こういう手続き系の本は手元に一冊置いておくといざというときに助かるという経験則がある。
スーツケース収納術
旅行が200%楽しくなる! スーツケース収納術三田村蕗子(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4777822508
旅行シーンに合わせた持ち物のアドバイスとスーツケースの紹介。その他旅行のノウハウ。
あると便利なものとして、ゼムクリップとダブルクリップがそれぞれ3個ほどあると活躍する。お土産の保護にかさばらないマスキングテープがあったほうがいい、というのは参考にしたい。
そもそも「よい眠り」とは何か
そもそも「よい眠り」とは何かー努力によらない睡眠改善のヒント福田一彦(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4469269948
眠りのリズムに関して書いてある本。
眠りに関するデマ(夜10-12時はお肌のゴールデンタイム、90分の倍数で眠るとよい、運動するとよく寝れるなど)への反論が導入として書かれたあと、睡眠を長く取りすぎるのは良くない、睡眠のリズムが大切という話が繰り返し書かれる。
保育園で昼寝の時間を取るのは良くない、住宅照明は明るすぎる、遮光カーテンは外せ、あたりが睡眠リズムを守るためにできる方法として強調されている。