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2025年6月に読んだ本

いつもの。

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火葬と土葬

thumb火葬と土葬: 日本人の死生観岩田重則(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4791777093

火葬と土葬の移り変わりと死生観について。 日本では身分ある人は火葬が上位とされていたが、豊臣秀吉が自らを神と崇めさせるために遺体を保存させたため、江戸時代の上層階級は遺体を安置を選択するようになった。 また、明治政府が火葬禁止令を出したため、火葬から土葬への転換があった。

現代は火葬が100%となり、死者を上や地域社会ではなく葬儀センターが受け持つことになり葬送儀礼が消滅しはじめている。過去の埋葬風景と死者との関わりが遠くなった現代のお墓を比べて死生観の変化について考えさせられる本。

タコ・イカが見ている世界 

thumbタコ・イカが見ている世界 (創元ビジュアル教養+α)吉田真明(著),滋野修一(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4422430637

頭足類の構造や知性について。 ヒトの頭と背中と尻が一体化したようなものがタコの頭になっていて、ヒトの背中にあたるぶぶんからタコの足が生えているというような話。タコイカの祖先にオウムガイがいて、タコイカにも殻の名残が細長いプラスチックのような骨として残っているという話。タコの脳にも階層構造があり、記憶の最小単位であるニーモンと呼ばれる構造はタコの脳から見つかったという話。同じ設計図であるDNAをベースにしつつも、途中で仕様書であるRNAの大半を編集してしまっていることがわかった話などなど、幅広いタコイカに関する研究を紹介している。

硬くて柔らかい「複雑系」骨のふしぎ 

thumb硬くて柔らかい「複雑系」 骨のふしぎ からだを支えるだけでない、知られざるはたらき (ブルーバックス B 2295)石井優(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4065398509

骨について。体の中で最も硬い組織の一つである骨が、実は常に少しずつ壊され少しずつ作られていく動的平衡状態と言われる状態で2-4年ですべてが入れ替わる組織、という話からスタートする。

骨の構造や骨を壊して食べる組織の話、骨を作りならがも最後には骨そのものになる組織の話、骨の中でつくられる血液や免疫細胞の話などなど、多岐にわたる興味深い話が繰り広げられる。

建築家は住まいの何を設計しているのか 

thumb建築家は住まいの何を設計しているのか (単行本)藤山和久(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4480874127

建築雑誌の編集者が過去に聞いた建築家たちの視点・考えを紹介する本。

家のつくり手側の視点で、売るための家と住みやすい家の違い、寝室は物置になりがちという経験則、日本人とリビングの相容れなさ、などなど。 建築家と施主のやり取り含めて興味深い話が多かった。

台所道具の選び方、使い方、繕い方

thumb台所道具の選び方、使い方、繕い方 使い込み、育て、変化を楽しむ。日野明子(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4766139380

台所用品のメンテナンス方法について。包丁の研ぎ方から器の洗い方、鍋の焦げ落としまで。

台所仕事しはじめて数年くらい経ったあたりで読むとよさそう。

暮らしと霧の科学

thumb暮らしと霧の科学井川学(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4339066729

霧が暮らしや人工物に与える影響について。

濃霧が出ると登山や飛行機の離発着に影響があるということのほかに、霧の水滴に汚染物質が吸着すると酸性雨よりも影響が大きいという話や、霧の成分や粒の大きさをどうやって観測するかという話など。

小さい水滴は吸着面積が大きいことに加えて、水分量が少ないため濃度が相対的に高まるため影響が大きいという話はなるほどと思った。