いつもの。
亜宗教 オカルト、スピリチュアル、疑似科学から陰謀論まで
亜宗教 オカルト、スピリチュアル、疑似科学から陰謀論まで (インターナショナル新書)中村圭志(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4797681217
西洋と日本のオカルトをはじめとした信念の数々を科学の勃興から現代にいたるまで見ていく。
著者が亜宗教と名付けた、宗教と半ば似ているが宗教でないもの(カルトや反ワクチン主義、陰謀論など)が、どのような時代背景や精神の流れによって生まれてきたのかについて語られる。
「亜宗教が人類の知恵の発展に積極的に寄与することは概ねないと言えるだろうが、しかし、人類思想史の裏面を教えてくれるという意味で、貴重な情報アーカイブとなっているのである。」という序章の文がそのまま本文の概要となっている。
個人的には、終末待望からうまれたキリスト教の影響を欧米人が多大に受けている。神の奇跡というのは途中のプロセスをすっ飛ばして説明してしまいたいという大衆一般の呪術的な願望があらわれた結果。超常現象という驚きを感じさせることで考えの根本を揺るがせてオカルトを信じさせる下地をつくる。いつの時代にも「今や陰謀論の時代だ」といわれてきた。などの論が印象に残った。
サボり上手な動物たち
サボり上手な動物たち-海の中から新発見! (岩波科学ライブラリー)佐藤克文(著),森阪匡通(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/B074FS6QRY
水中に棲む野生生物の生態調査をバイオロギングという方法を通して行う生物学者が書いた本。
海の中では生き物の様子はうかがえないが、動物にカメラを搭載するとどんな様子が見られるのか、加速度センサーを取り付けるとどんなログが出てくるのか。イルカやペンギン、アザラシなどの水生生物が人間が観察できない水中でどう行動しているのかをログを見ながら探っている。
ガンジス川のような濁った場所に住む生物にカメラをつけても何も見えない。しばらく前方に物がないときはイルカのエコーロケーションの間隔は長くなる。木の葉が落ちるようにくるくると旋回しながら潜水し、海底に到着するまで寝てるアザラシ。生物の最高速度が日常生活で出てくるわけではない。あたりが興味深かったエピソード。
温暖化に負けない生き物たち
温暖化に負けない生き物たち 気候変動を生き抜くしたたかな戦略ソーア・ハンソン(著),黒沢令子(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/B0D3H9YC73
保全生物学者が感じている地球温暖化の影響について。生物の観察を通して、どういった影響が出てきているようにみえるのかを語っている。
水温上昇で病気になりやすくなったヒトデ、快適な地を求めてより標高の高いところへ生息域を移す鳥、頂上付近に生息していた記録があるが見られなくなった鳥、果実の成長が早まりサケの狩猟を早めに切り上げる熊などなど。
環境の変化で生息域の攪乱が起きている様子が伝わってくる一冊。
道具のブツリ
道具のブツリ田中幸(著),結城千代子(著),大塚文香(イラスト)&0その他 .https://www.amazon.co.jp/dp/4844137948
日々利用している道具に関わる物理を解説する本。物理の視点で日常の力について語る。 力のいらないホッチキスの仕組み、ワイングラスと香りの分子。コルク栓と摩擦力や点で切るピザカッターなど項目は多岐にわたる。
あまり意識してなかったが、たしかにそんな力が働いているのかも、と思いながら各項目を読んだ。
発明が変えた世界史
発明が変えた世界史:ビフォーとアフターが一目でわかる祝田秀全(監修) .https://www.amazon.co.jp/dp/402333426X
文字や貨幣、保険や株式、電気、インターネットと世の中を変えた発明を見開きでざっくりと解説している。
目新しい情報目的というよりは発明の歴史概略としてさらっと眺めて楽しむと良さそうな本。 発明として列挙される中に印章と仏像があるのはおもしろいなと思った。