2021年6月に読んだ本

いつもの。

今月はちょっと少なめながら全部いい本。じっくりと読み解いてたともいえる。

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選択と誘導の認知科学

認知科学のススメシリーズの1冊。人の選択に関わるバイアスについて。良書。


注意の張り紙はなぜうまくいかないのか、臓器提供のデフォルト効果をどう考えるか、ペプシ・パラドクス現象が起きるのはコーラよりもペプシのほうが味が説明しやすいからではなど、人の選択が持つ癖やその癖を本人がどう認識するのかについて。

 

この本がとても良かったので同じ著者の本を探してみたら、どうやらこの1冊しか単著ないっぽい(教科書とか協会の出版本に分担執筆はいくつかある)。とりあえずオープンアクセスの論文がいくつかヒットしたのでそっちも読んでみようかと。

 

食の文化史

1975年の食文化考察。

日本での肉、野菜、米、パン、牛乳などの扱いがどう変遷したかについて。

半世紀近く前に書かれた内容だが、その時点で米離れや正月のおせちへの飽きなどが言われてた様子。

知らなかったことが多々あり、雑学の本としても面白い。

 

情報社会の<哲学>

マクルーハンのメディア論とルーマンの社会システム論から情報社会を体系的批判する本。

哲学用語がバンバンでてくるため、読み解くのに時間がかかったが読んだ甲斐はあった。

情報社会の構成要素が人間ではなくコミュニケーションにあり、それ行うノードとして人間やロボットが置かれる。そしてシステムに寄与しない場合バッファとして外部に排除される。

『ホモ・デウス』に出てくるデータ至上主義を1個上のレイヤーから見てる感じがした。

 

「役に立たない」研究の未来

基礎研究の現状とこれからというテーマの座談会イベントをまとめたもの。

選択と集中はゼロイチと両立できない、科学の有用性についての議論はいつからなぜはじまったのか、など。

議論のタネになる、人にオススメしやすい本。

 

他の月

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2021年5月に読んだ本

いつもの。

今月は特にいい本多め。

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UXデザインの法則 

 

ヤコブの法則やミラーの法則など、画面のデザインをするうえで有名な法則・効果をまとめたもの。良書。

どこかで聞いたことはあるもののちゃんと意識出来てなかったなという心理学の法則や理論が2020年の実例と共に並べられ、耳が痛い……となる。

そして、いま作ってるプロダクトが思い浮かんで「あの部分はこうすればもっと良くなるのでは……?」ともなる。

Webサイトのデザインするひとは一冊手元に置いておくと吉。

 

感じる認知科学

ヒトはどのように外界情報を知覚しているのか、について。

各インプット器官の仕組みや脳内でどのように受け取るのかといった話題や仮現運動、境界拡張、錯覚、プロテウス効果などに至るまで。

感じるとは何か、についての認知心理学が、さながら大学講義一般教養1単位分の教科書っぽくまとまっている。

 

「認知科学のススメ」というシリーズの1冊らしいので他のも読んでみるつもり。

 

デザイニングWebアクセシビリティ

アクセシビリティの高いWebサイトをつくるための設計や考え方。

かなり基本的な部分の解説でLightHouseのスコアを100にする段階でカバーできそうな内容。

 

先月、姉妹本の『コーディングWebアクセシビリティ』を読んだのでこちらも手に取ったが、より発見があったのは『コーディングWebアクセシビリティ』の方。とはいえ、Web初心者ならこっちも学んでおいた方がいいよねという内容になっている。

しかしながら、姉妹本を名乗るなら判型揃えてほしかった。

 

 

ここまでがお仕事系の本。

 

悪魔の細菌 超多剤耐性菌から夫を救った科学者の戦い 

抗生物質が全く効かない細菌に感染した夫を救うために、ウイルスで細菌を制するという未知の治療を試し、勝利したノンフィクション。

 

そのまま映画になりそうな実話。

 

研究者としての冷静な対応と妻としての動揺を行き来しながら、必死に治療法を探す臨場感ある手記。

どの治療法も効果がない…という前半の絶望的な状況から、ファージ療法という世界に一人握りしかいない研究者たちが協力し調剤ができ治療が始まっていく経緯が非常にドラマチック。そして出てくる研究者たちがとても格好いい。

 

生命理工学系の研究室出身の人、ぜひ読んで。

 

忙しい人のための公衆衛生

公衆衛生初心者向けに背景と概略を国試を例題にしつつ解説する本。

 

前半で国民の健康に関する行政の取り組みとその根拠路なっている法を見ていく。

後半で統計の読み方と活用方法。

おそらく医学部や薬学部の1~2回生向けに書かれたテキスト。しかしながら、一般会社員が読んでも理解できるくらいに嚙み砕いて書いてある。

 

そもそも公衆衛生とは、から始まって保健所や産業保健医がどういった法律に基づいておかれているのか、衛生統計の考え方と計算法にいたるまで、初歩となる知識を幅広く解説してくれている、という印象を持った本。

 

利用者の“動き出し”を引き出すコミュニケーション

利用者主体の介護を行うためのかかわり方について。

介護者がどう声かけすれば利用者に受け入れて協力してもらえるのかを具体的な例とともに述べる。

 

介護者向けの指南書ながら、ミルトン・エリクソンの症例集みも感じた。

この声かけの考え方を操作ナビゲーションとしてUXにうまく組み込めないかな…と思いつつ読んだ。

 

分子調理の日本食

オライリーのガストロノミー料理本。

 

箸でつまめるお吸い物やしゅわしゅわな手巻き寿司など一風変わった料理のレシピと原理の解説が載っている。

実用的かといわれると完全にNoなのだけども、こんな料理出来るんだ……という刺激が得られる。

 

超音波乳化ラーメンよさそうだなと使う機材をググってみたら数十万って出てきて、おおぅとなったりした。

個人的にはガリをシート状にして折り鶴として鮨に添えたのが一番好き。

 

北欧式インテリア・スタイリングの法則

インテリアの原理原則について解説する本。

 

インテリアの作例をずらずら並べる本はよくあるけども、その背景にある原則や考え方についての解説をメインに置いた本はなかなか見ない。

こだわりのインテリアを模索しているひとは手元に置いておくと、良い指針となるかと。

視覚的重さや余白、導線、配色など多岐にわたって解説されてる。

 

ヘンな科学

イグノーベル賞を受賞した研究を紹介する本。

 

変わった研究・滑稽な研究という印象のあるイグノーベル賞だが、ちゃんと背景や問題提起があって、どう研究したかがわかりやすく説明されている。

 

今年も日本人がイグノーベル賞を取ったぞ、くらいの記事はよく見るが、この本は受賞した研究がただ面白いぞというだけでなく、数年前のイグノーベル賞受賞者にインタビューを行って、この研究のおかげで事故の軽減や農作物生産に役立っているという後日談も載っている。良い。

 

他の月

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ちゃぶ台と座布団で快適なリモートワーク

リモートワークがはやり始めて1年ぐらい経つのに、ちゃぶ台と座布団でリモートワークする記事が流れてこないので書くことにした。

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自粛期間以前からリモートワークで働いているので、在宅勤務歴が3年以上になってしまいました。

 

で、2020年に入ってからリモートワークが流行り始めて、「自宅に仕事環境整えた」といった記事もたくさん見かけるようになりました。 

何か参考になるものがあるかなといろいろ読んではいたのだけども、どうやら私の取っている「ちゃぶ台と座布団スタイル」に近い環境の人はあんまりいない様子。

なんなら、ちゃぶ台と座布団で仕事するのはよくないのでいち早く脱却しましょうみたいに書かれていたりもして。

 

というわけで、ちゃぶ台と座布団スタイルで快適に仕事している人のサンプルケースを1つ、記事として流しておきます。

 

よく聞かれる質問

人に「ちゃぶ台と座布団スタイルでやってる」と話すと聞かれる質問がいくつか。

 

背もたれ欲しくならない?

壁が背中になるように配置して、壁を背もたれにしたりする。

夏場は和座椅子も使う。座布団だけだとズルズル滑るので。

ただ机と椅子スタイルのときと比べると背もたれを使う頻度は少なめ。たぶん座り方の違いだと思う。

 

腰痛くならない?

IT関係の仕事で基本座りっぱなしなので腰の心配されることが多々あるのだけども、まだなんともなってない。

むしろ実家で机と椅子スタイルしてたときのほうが身体のコリは大きいかったかも。

 

猫背になりそう

キャスター椅子と比べてお尻が安定するので、しっかり座れば背筋が伸びた状態で保持しやすくなる。
もちろんずっと伸びてるわけではなく、背中と壁の部分にクッションをわんさか積み上げた、だらけ姿勢で仕事することもあるけども。

 

実際の環境

では作業環境の写真を見てもらいつつ、写真に映ってるものを紹介

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ちゃぶ台

これ。引っ越したとき(5年前)に買った。

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天板が厚め(2cm)で重量がそこそこある(14.6kg)のが決め手。

これくらいの分厚さがあると、モニターアームをくっつけても、なんなら上に立ってジャンプしても全然問題ないくらい丈夫。

 

横が1メートル以上あるので広々と使えます。

 

モニターアーム

ちゃぶ台スタイルながらも、モニターアームを設置して画面を自由に移動できるようにしている。

ちょうどいい高さに持ってきやすいので、背中が丸まりすぎてつらい、みたいなことは少なめ。

 

モノとしてはエルゴトロンのやつ。8年前くらいに買って全然ガタが来てない。丈夫。

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延長アームを1つ追加してるが、元のままでも十分だったなとは思う。

 

モニター

特にこだわりもなく安かったやつ。

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テーブルランナー

机に敷いてる布。

これの上にコップとか置くと、机が水滴でべちゃっとならない。
あと会議中にコップを置いたときにコツンという音がなりにくい。

もちろんコースターでもいいのだけども、でかい布がデンとしいてあったほうが雑に置けて位置調整とか要らず楽。

 

 

キーボード

パンタグラフが好き。

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トラックボール

無線の人差し指タイプトラックボールが好き。

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コップ

近くの酒屋で買ったやつ。数百円。中身は炭酸水。

 

スピーカー

4年前くらいに買った。有線スピーカーとしても使える。
よくうちのこの椅子になる。

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このスピーカーと過去紹介したヘッドホンを併用してる。

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うちのこ

かわいい

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座布団

ふるさと納税の返礼品でもらったやつ。

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松阪木綿という国の無形民俗文化財で座布団をつくった、という品。いい座布団。

item.rakuten.co.jp

 
冬場はカーペット敷いてるので座布団だけでいいのだけども、夏場はフローリングで座布団が滑っちゃうので和座椅子と併用してる。 

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座布団は安いポリエステルタイプのだとダメになりやすいので、綿の座布団か羽根の座布団がおすすめ。

綿の座布団はお寺とかによくあるタイプ。長時間座っても蒸れにくい。
羽根の座布団は型崩れしやすいけども中身がへたりにくいので、数年使っててもふわっと感がある。

この辺はお好みで。

 

ちゃぶ台で快適なリモートワークをするコツ

というわけで、ちゃぶ台スタイルでリモートワークワークしてみた人の視点で、快適に仕事するコツについて。

 

モノ・環境

ちゃぶ台は大きい方が良い。

机の上に肘置いて、手を伸ばした先にキーボードが置けるくらいのサイズは欲しい。ノートパソコンしか置けないサイズの机は椅子の有無に関わらずツラいと思う。

 

画面が目線の少し下くらいの高さになるように調整するのも大事。

これはモニターアームを買うのがベストかな?と思うのだけども、モニターの下に本積んで高さ出すとか、ノートパソコンスタンドみたいなのを買うのもよいかと。

ホームセンターで買ったちっちゃい机でノートパソコンの小さい画面を背中丸めて見る、というのがつらくなる原因だと思うので、机のサイズと目線に気を付けるとかなり改善されるかなと。

 

あとちゃぶ台なのでおもむろに向きを変えて気分転換するのもいいよ。

 

座り方

で、座り方について。

特殊な座り方をしているわけでもなく、基本的にあぐらで座ってて、気まぐれに足投げだしてみたり、楽立膝にしたり、ぺたん座りだったり。

 

椅子比べて取りうる姿勢が多いので、姿勢が固定されることなく思い思いに変えられるのがいいのかな?という気がしている。

「数時間同じ姿勢をする瞑想を参考にすれば、いい座り方になるのでは?」とすこし昔に座禅の座り方を試したことがあるのだけども、姿勢が固定されすぎてあまりしっくりこなかったので、在宅で仕事をする場合は適宜姿勢を変えたほうが頭が回る気がする。

 

あとは猫背が気になるなら、坐骨を立てて座るようにすると良いかも。お尻部分だけ座布団に乗るようにあぐらかくとか、ぺたん座りするとかしてから上半身を軽く左右に揺らすと、背筋を伸ばしつつしっくりくる感じの姿勢が見つけやすい。

 

姿勢について気になる人は『ねこ背は治る!』という本読むといい。

 

既に床生活している人には『日本人の坐り方』という本を読むと座り方のバリエーションが増えるのでお勧め。

www.amazon.co.jp

 

その他注意

在宅で仕事をするときは長時間同じ姿勢を続けるのは避けましょう、みたいなのはよく流れてくるのだけども、これは椅子机スタイル・ちゃぶ台スタイルに関わらず同じかなと。

トイレ行くとかお茶くみに行くとかは通勤してるとき以上に気軽にできるはずなので、いいタイミングで席を立ちましょう。

 

あとは膝や腰に爆弾抱えてる人は無理しないで。

私にはちゃぶ台スタイルあってるのだけども、向き不向きはあると思うので。

 

まとめ

いちおう、スタンディングデスク使ってみたり、HMDの仮想デスクトップを使ってみたりと過去いろいろ試してみて、ここに落ち着いてる感じです。

 

リモートワークに関係ないところで、ボードゲームしやすいとか模様替えしやすいとかいう利点があったり、椅子とテーブルを揃えるのと比べるとコストが安いというのもあったりします。

 

自宅環境整えるために L字デスクとアーロンチェアを買った/買いたいみたいな人も多いと思いますが、こういうちゃぶ台スタイルで快適に仕事している人もいるよという紹介でした。

読み物として楽しんでもらえてれば幸い。