FUN YOU BLOG

2024年3月に読んだ本

いつもの。

image

AI・機械翻訳と英語学習

thumbAI・機械翻訳と英語学習 教育実践から見えてきた未来山中司(編集) .https://www.amazon.co.jp/dp/4255013640

大学での英語教育に機械翻訳ツールを大々的に取り入れたらどういう影響があったかの報告。

立命館大学では機械翻訳や生成AIを英語の授業に積極的に取り入れたが、どのような取り入れ方を試しているのか、翻訳ツールを導入したことによる学生への影響はどうであったかが書かれている。

ChatGPTに文章を書かせるのではなく、ChatGPTを利用して文章を書く。機械翻訳を利用することに罪悪感を持つ学生が生まれてしまっている。新たな表現を獲得したり表現したいニュアンスを機械翻訳を通して学べる。などなど、注意すべき点もあるが利点も多々あることを実際の授業の様子を添えて紹介している。

「英語の宿題に機械翻訳は禁止!」とするよりも、機械翻訳ツールを前提とした指導にしたほうが有意義だし、記述の内容や文章構成のようなより本質的な部分に焦点を当てられそうだなと感じた。

10人ほどの複数学部の先生方による共著なのだが、AIと機械翻訳についての本なのに情報理工学部が含まれてなくてハブられたのかな?とはなった。

精選 物理の散歩道

thumb精選 物理の散歩道 (岩波文庫 青956-1)ロゲルギスト(著),松浦壮(編集) .https://www.amazon.co.jp/dp/4003395611

ロゲルギストなる議論好きな日本の物理学者が集まった同人会、そのメンバーの書いた科学エッセイが収録された本。

各話50年以上前に書かれたものだが内容も古びておらず、いまでも興味深いコンテンツが並んでいる。

モールス信号から言葉へのすり替え、ヨットは風上に向かうとよりスピードが出る、注ぐ音でお湯の温度がわかる、蛇が前に進むときの物理などなど。

こういうタイプの本好きなので、令和のロゲルギスト的な集団がいれば(そして書かれた本があれば)教えてほしい。

働き方改革の世界史

thumb働き方改革の世界史 (ちくま新書)濱口桂一郎(著),海老原嗣生(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/B08H1S6L6J

労働運動や労使関係に関する英米独仏と日本の古典を紹介する本。

各国の労使関係に関する議論を眺めつつ、背景にある国の産業や政治、宗教といった環境の違いによってそれぞれで形成されていることが読み解ける。

労働組合が従業員組合となっている日本と職業組合であった100年前のイギリス。その後、完全雇用を廃棄し失業の恐怖を振り回す必要が出てきたイギリスの背景などなど。

企業横断的な職人組織の復活ができないものかと考えてしまった。

古代日本の超技術

thumb古代日本の超技術〈新装改訂版〉 あっと驚く「古の匠」の智慧 (ブルーバックス)志村史夫(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4065342899

古墳や五重塔、法隆寺などを分析してどういう技術を用いているのかの考察と現代の技術と比べて優れている点を説明する本。

巨大な古墳がなぜここまで大量に作られたのか、五重塔がなぜ地震で倒れなかったのか、法隆寺の釘がなぜ錆びてないのかといったトピックについて考察している。

論調が乱暴に感じられる箇所がちょこちょこあるものの、効率と経済性によって犠牲となった技術に気づかされる良い一冊。

より良い世界のためのデザイン

thumbより良い世界のためのデザインー意味、持続可能性、人間性中心D・ノーマン(著),安村通晃(翻訳),伊賀聡一郎(翻訳),岡本明(翻訳)&1その他 .https://www.amazon.co.jp/dp/4788518279

ドン・ノーマンの最新著作。環境問題をはじめとする社会の問題をデザインの力で解決できないか、という問題提起の本。

ハラリの『21 Lessons』に似たテイスト。様々な問題が社会にあるがそもそも社会のデザインが悪いのではないかと語っている。 『誰のためのデザイン?』みたいなのを期待して読むとガックリするかと。

自然をより良い方向へと導くためにデザインの力が必要だ、という自然と人間のとらえ方に欧米ぽさをとても感じる。

なぜオスとメスは違うのか―性淘汰の科学

thumbなぜオスとメスは違うのか―性淘汰の科学マーリーン・ズック(著),リー・W・シモンズ(著),沼田英治(翻訳),遠藤淳(翻訳)&1その他 .https://www.amazon.co.jp/dp/4469269719

性淘汰の総説的な解説本。ダーウィンが提唱した1870年代から現代での解釈や実証までが扱われる。

動物の性行動は一般に信じられているよりはるかに多様だということが様々な例とともに紹介される。

メスの選り好みや交尾後性淘汰、性的対立など誇張されて紹介されがちな性淘汰に関するリサーチをより俯瞰的に見ていく。

ダーウィンの進化論に関してはいろんなところで取り扱われているものの、性淘汰に関して、特に現代の考え方までを包括的に、ゴシップ抜きに書かれているものは少ないので貴重な本。

天気のことわざは本当に当たるのか考えてみた

thumb天気のことわざは本当に当たるのか考えてみた猪熊隆之(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4860647327

ツバメが低く飛ぶと雨、カマキリの卵が高いところにあると大雪、暑さ寒さも彼岸まで、といった天気のことわざや言い伝えの当たる確率について山岳気象予報士が解説する。

因果関係が逆のもの、30年前は合っていたがいまは合致しなくなったものなど、背後の気象現象を交えながら説明している。

軽い読みものとして良き。小学校の図書館に置いてほしいタイプの本。

なんかおいしくないので料理をおいしくするコツ知りたいです!

thumbなんかおいしくないので料理をおいしくするコツ知りたいです!小田真規子(著),ノグチノブコ(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/B0C7QFL912

料理のコツを漫画形式で紹介する本。すごくわかりやすい。

炒め物は振らない、野菜と混ぜながらドレッシングにする、など。

盛りつけの基本とアイデア

thumb盛りつけの基本とアイデア河合真由子(監修) .https://www.amazon.co.jp/dp/4415333141

料理の盛り付け方。盛り付け方の基礎について解説している。 家庭料理を映えさせたいときやおもてなし料理をつくることになったときとかに参考にするとよさそう。

食材をまとめて余白をつくるとそれっぽく見えるというのは覚えておきたい。

まちかどガードパイプ図鑑 

thumbまちかどガードパイプ図鑑岡元大(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4422241117

ガードパイプのスナップショット集。 地域によってそれぞれ特色のあるガードパイプを紹介している。

どうしてそのデザインにしたのかを考えながら観察すると楽しそう。

極限生物図鑑 

thumb極限生物図鑑 ~進化してとんでもない生態になりました~横山雅司(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/B0CLKV8XHZ

変わった生態をもつ生物の紹介。見開きで1種類ごと紹介している。

ニコニコ動画に上がってる ひとくち動物図鑑 みたいなテイストがあって読んでて楽しかった。