いつもの。
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世界は進化に満ちている
世界は進化に満ちている (岩波科学ライブラリー 334)深野祐也(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4000297341
進化は極めて短期間で、しかもすぐそばで起こっているという研究の紹介。
生存率が1%違うだけで500世代経てば99%の主流派となるという話や、環境の大幅な変化が急激な進化をもたらすという話、駆除や保全によって人間にとって望ましくない進化をしてしまうという話など興味深いものが多かった。
牙の立派な個体が狙われやすいと牙は小さくなっていくし、毒餌の甘さを苦手な害虫が生き残っていくし、保全環境下では育てやすい性質を持った個体が選別されていってしまう。 節操がなく思いがけない方向に向かう進化を人間の浅知恵でコントロールするのは無理なのでは?と感じた。
本格的な内容を扱っているが内容をかなり理解しやすく、生物や進化論に興味があるならオススメ。
私たちの暮らしに生かせる南極レシピ
私たちの暮らしに生かせる 南極レシピ渡貫淳子(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/B0FCWNL2DX
南極の基地で1年間調理隊員として働いてた人が南極でどういう料理をつくっていたかをレシピと共に紹介している本。 追加の食料調達が任期の終わりまでできない状況かつ、ゴミをすべて持ち帰るためにゴミをなるべく出せない環境でどのような工夫をしていたのかが書かれている。
野菜は基本冷凍で、アボカドは食感に変化のすくない使い勝手が良かった冷凍野菜だったとか、玉ねぎと長いもが一番長持ちしたとか、食材はほぼ全て賞味期限切れになるが生命にとって極限の環境なので傷みはすくないとか。そういった南極基地で1年過ごした経験談と共に限られた食材をどう使いまわすかについて語られていておもしろい。
残った野菜をチヂミで消費したり、残った煮汁はカレーに混ぜ込んだりと家庭での転用がいろいろ効きそうなテクニックが紹介されてて参考になる。
南極の食卓
南極の食卓 女性料理人が極限の地で見つけた暮らしの知恵渡貫淳子(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/B0D7M7XDF8
上と同じ人が書いた本。こちらは体験記。
南極にいくことになった経緯や基地局での生活の様子、調理員としてどういうことに気を付けていたかが書かれている。
GitLabに学ぶパフォーマンスを最大化させるドキュメンテーション技術
ドキュメントを整備する際の考え方について。 そもそもなぜドキュメントが必要なのかという話や、GitLab内でのドキュメントに対する思想、ドキュメントをを記述する際に注意すべき点について。
目新しい部分としてはGitLab内でのドキュメントに対する思想に関する部分。ドキュメントを含めた成果物は製作途中の下書きだという前提に立つという行動原則や、基本的に情報はインターネット上に公開して、非公開にすべきかもしれない情報は判断するためのフレームワークを用意し、情報公開のリスクを最小化しているという話がおもしろかった。
このあたりは企業文化によるものが大きいと思うが、こういう思想の文化がより一般的になれば動きやすいし、文章を書く際に変な気の回し方せずに済むのになと思ったりした。
世界の美しいサインデザイン
世界の美しいサインデザインヴィクショナリー(編集),大久保ゆう(翻訳) .https://www.amazon.co.jp/dp/4766136667
建物に設置された標識や看板の写真集。
案内標識ってここまでバラエティーに富んでいたんだということを認識できた。 普段は情報を得るために眺める案内を、その部分だけにフォーカスして世界中からバラエティー豊かなデザインを比較しながら眺めると、建物ブランディングにも大きく影響している要素だったんだなと実感できる。
また、看板につきもののピクトグラムやアイコンの事例集としても面白い。
カワセミ都市トーキョー
カワセミ都市トーキョー 【電子限定カラー版】 (平凡社新書1049)柳瀬博一(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/B0CRV88XZH
東京の都心部に生息するカワセミの生態と都市部に住むようになった背景の仮説。
都心部にもカワセミが生息するようになってきており、その場所は高級住宅街ばかりである。それは小流域源流の谷という場所がカワセミにとっても人間にとっても住みやすいからだ、という論が観察記とともに展開される。
私も目黒の自然教育園でカワセミを見たことはあるが、あの場所が東京都心にカワセミを呼び戻すのに大きく関係していたんだなと、思ってたより小さい姿と群がるカメラマンのおじさんたちを思い出していた。
ベンチの足
ベンチの足 (考えの整頓)佐藤雅彦(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4766002210
ピタゴラスイッチの生みの親のエッセイ。『暮しの手帖』に連載された日常の「妙」について取り上げた文章が並ぶ。
洗濯物に付着してしまったティッシュと衣類面積の関係を計測してみる。国際結婚夫婦の赤ちゃんが話しはじめた言葉と両眼視野闘争。地元のチームを打ち負かしたチームの応援。などなど、テーマに少し変化球っぽさがあるが、雑誌のエッセイらしいエッセイであった。
今日、見に行くことができる国宝・重要文化財レトロ建築
今日、見に行くことができる国宝・重要文化財レトロ建築伊藤隆之(著,写真) .https://www.amazon.co.jp/dp/4860676203
見学ができる国宝や重要文化財に指定されている建築の紹介。
四十数件の建築物の見どころを写真メインで紹介している。見学方法や開館時間も書いてある。