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2025年9月に読んだ本

いつもの。

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呪文の言語学

thumb呪文の言語学: ルーマニアの魔女に耳をすませて角悠介(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4867931047

ルーマニアの魔女について。現在でも生活に魔術や呪文が根付いているルーマニアのトランシルバニア地方で、どのように魔術が使われているのか。そして、その呪文をどのように類型分類ができるか。

日本にあまり情報が入ってこない東欧の生活史としても面白いし、東欧におけるキリスト教の立ち位置や魔女狩りの行われた地域差の解説としても面白い。もちろん、日常に魔術がある都市での体験談としても面白い。

日本でいうおばあちゃんの知恵袋のように魔術が使われている文化が現代もあることに驚きがあり、呪文というテキストの構造も解説されていて興味深かった。

巻末のインタビューにあった、脳で考えるようになってしまっているが、おまじないは胸の位置(心)を使わないと効かない。みんな胸の位置で日々の生活を生きていたら全然違う世界になる。という部分も心に残った。

大地と人の物語

thumb大地と人の物語: 地質学でよみとく日本の伝承日本地質学会(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4422440470

日本の神話や伝承と地質の関係が複数のジオパークの専門家視点で語られる本。

進行や伝承のようなひとの営みはジオパークを構成する重要な要素として、地質や環境とともに読み解いている。

浅間山の噴火と鬼伝説、藁でつくった大蛇の祭りとそれが見られる地域の特徴。ヤマタノオロチは洪水でなく火山由来の神話だったのではという説などなど。

自然災害伝承碑のマップが話題になっているが、神話研究がより盛んになると過去の自然現象についても知見が含まっていくのだろうかと思った。

中近世和鏡の研究

thumb中近世和鏡の研究青木豊(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4639027524

中世から近世の和鏡についての研究をしてきた教授の論文や報告を定年を機にまとめたという本。和鏡の形や種別だけでなく、その扱われ方についてフィールドワークから得られた文化的な背景も面白い。

和鏡は信仰の対象として扱われてきており、太陽信仰と紐づいて信仰されてきたため円形であることを求められてきたということ。大陸では実用的な持ち手付きの鑑も使われはじめていたが、柄を切って円形にする例が出てくるほど鏡に円形であることを求めていたということ。鏡面を下に置く大陸の文化に対して、日本では鏡面を上に置いたので日本でつくられた鏡は中心の紐を通す部分だけでなく円周部分にもしっかりした盛り上がりがあること。などなど。

信仰の対象としての鏡にどういった歴史が見られるのかという視点で非常に興味深かった。國學院の博物館で企画展とかやってくれないかな。見に行きたい。

宇宙線のひみつ

thumb宇宙線のひみつ 「宇宙最強のエネルギー」の謎を追って (ブルーバックス B 2301)藤井俊博(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4065404290

「アマテラス粒子」を発見した宇宙物理学者が、アマテラス粒子とはどういう宇宙線なのかという解説と、そもそも宇宙線とはなんなのかを説明した本。

宇宙線という宇宙空間に存在する高エネルギーの粒子が地球大気との相互作用によって、空気シャワーと呼ばれる大量の二次粒子が生まれるとのこと。その宇宙線の中でも桁違いのエネルギーを持つ「アマテラス粒子」を発見した経緯やその起源についての仮説も語られている。

宇宙線ってこうやって計測されているんだなを知ることができる本だった。

今あるもので「あか抜けた」部屋になる。 

thumb今あるもので「あか抜けた」部屋になる。 (サンクチュアリ出版)荒井詩万(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4801400647

インテリアのテクニック集。

入口の対角に部屋の主役を置いて、目線を集める場所をしっかりと作ろうというテクニックの他、Tipsが並ぶ。

部屋の模様替えをしようとなったひとがまず読むと良い本、という立ち位置になっていそう。