FUN YOU BLOG

2019年上半期に読んだ中からおすすめ本7選

気づいたらもう2019年も半分すぎてました。

最近は選書フィルターがうまく働きすぎていて、本屋や図書館で本を選ぶときも「これは読まなくていい本だな」となりがち。

それでもしっかりと陳列棚を探していくと、隠れた名著や思いがけない良書があるものですね。

 

そんなこんなで、上半期に読みきった本が68冊。

そのうち特によかった本を7冊紹介します。

紹介順は出版が新しいもの順です。

 

 

img

 

 

ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと

ブランディングについてここまでわかりやすく紹介した本ってなかなか無い気がします。

それこそ『ブランディングの科学』や『Me2.0』のようなブランディングについて書かれた本はいくつか読みましたが、そちらはブランディングをしていくにはどうすればいいかに傾倒していました。

そもそもブランディングとはなにか、ブランディングがなぜ必要か、といった基本的なことをこちらの本ではかなりわかりやすく書いています。

 

ここまででも読んでよかったなとなる本なのですが、デザインを通じたブランディングについて、形にするまでどういう手順を踏んでいくのかが具体的なステップで書かれています。

文中のExerciseを現在進行中のお仕事やプロジェクトについて考えてみると考えが整理されると思います。私には効果てきめんでした。

 


フランス式おいしい肉の教科書 

『お肉の解剖図鑑』みたいな本。

ノリも解剖図鑑シリーズっぽさがある。出版社は解剖図鑑シリーズとは別のとこなんですが。

 

前半にお肉の種類、後半は肉についての知識。

肉の種類といっても、豚や牛、というだけでなく、牛の品種を18種上げてそれぞれの牛の特徴をならべるという充実っぷり。

品種による個性、肉のカット方法(フランス式・イギリス式・アメリカ式のカット方法を成牛・子牛それぞれに紹介している)、部位の調理方法まで紹介。

豚や鶏、羊にジビエについても同じノリで紹介している。

 

肉の知識についてはそれこそかなり勉強になる内容盛りだくさんで、焼く直前の塩は完全に無駄とか、パン切包丁で肉を切るとソースになじむとか、ステーキは30秒ごとにひっくり返せば最高の焼け具合になるとか。

この本きっかけで、竹製で溝のあるまな板を買ったり、肉を焼く前に塩を振ってから2日間置くようになったりした。

 

 


ヴァーチャル社会の〈哲学〉―ビットコイン・VR・ポストトゥルース―

情報社会の社会哲学的・メディア論的な考察

ビットコイン・VTuberといった最近の情報を話題にしながら情報社会の価値がどのように移り変わっていくのかについて述べていく本。

 

哲学用語がバンバン出てくる読み手を選ぶ本ではあるが、2010年代後半のメディアパラダイムを俯瞰するのに非常に良い。

 

50 いまの経済をつくったモノ

非常にエモい本。

本屋で見つけたら1個目と50個目だけでも立ち読みしてエモみを感じて欲しい。

 

新しい発明品・アイデアの誕生がどれだけ生活に影響を与えてきたかについて。

アイデアや発明のおかげで一気に暮らしが良くなったことを感じ取れる。

 

例えば、蓄音機が一流・二流アーティストに格差をつくってしまった話やピルが専門職の女性を増やした話などが50並ぶ。

こういう本って事実の列挙になりがちなのだが、著者の文体が非常に読みやすくワクワクしながら読めた。

夏休み子ども科学電話相談とか好きならきっとハマると思います。

 

なぜ科学はストーリーを必要としているのか

科学に興味を持ってもらえない、プレゼンが退屈だと感じる、という問題を解決するための構造とその背景解説本。

紹介されているABTテンプレート(そして、しかし、したがって)がとてもシンプルで使いやすくて応用範囲が広い。

 

著者が終身在職権の生物学教授を辞め、ハリウッドに移って脚本家・監督に転身したというダイナミックな背景を持っていて、ABTテンプレート以上にその背景の描写にけっこうなページ数がさかれているのが勿体ないと言えば勿体ない。

しかしながら、ABTテンプレートいうシンプルながら強力なツールが非常に有用。

こないだも「30分後にプレゼンして」と唐突に振られたときに数十秒でプレゼンのストーリーを作っちゃえるABTテンプレートにかなり助けられた。

 

瞬間のちから

記憶に残る瞬間をいかに作り出すか。思い出に残る瞬間、あの時から人生が変わったと呼べる瞬間を作り出すためには、という本。

 

思い出に残るイベントを起こすと顧客満足度に非常にポジティブな影響を与えるよ、とか。

節目をきちんと祝うとどれだけ社員のモチベーションがあがるよ、じゃあどういうイベントを開くと思い出に残る節目になるのか、といったことが書かれている。

 


性と愛の脳科学 新たな愛の物語

性的関心、子育て、絆に関する脳の化学的性質を探る本。


紹介されている例が知的好奇心をくすぐるものばかりで、ジョン・マネーの研究、ジャケットフェチのラット、オキシトシンの転用、どれをとっても興味深く真新しい。

あまりに化学的で、恋におちるのも愛に溺れるのも脳内の化学物質によるものだという論調に反感を持つ人もいそうだが、「ストレスはコルチゾールによるものだ」と割り切ってる私にはワクワクしながら読める本でした。

 

 

他記事

blog.alfebelow.com

 

blog.alfebelow.com