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2024年7月に読んだ本

いつもの。

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データとデザイン

thumbデータ と デザイン 人とデータのつなぎかた櫻井稔(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/B0CSPCJG33

データをより人によりそうものとするにはどうデザインしていくべきかについて。良書。

ビッグデータという資源が生まれているが、データに人々が慣れていないため扱い切れていない。データと人をつなぐ媒介としてのデザインを考えていこうという内容。

データの可視化における主な役割として「探索」と「提示」をそれぞれ個別に求められてきたが、多くの人がデータを触れるようになり両方を融合した可視化が求められるようになったという論が印象に残っている。

データ活用の文脈では次のアクションを求められることも多く、MATLABで分析するだけとかインフォグラフィックスのような提示だけとかだと片手落ち感は確かにあるなとなった。

また、可視化にはデータの同質性と単位を意識するといった業務から得たであろう知見や、これからは専門家だけでなく生活者に許容されるデータサービスでなければならない、なども印象に残っている。

アダプテーション

thumbADAPTATION アダプテーション 適応 気候危機をサバイバルするための100の戦略肱岡靖明(編集),根本緑(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4635310485

気候変動に対する適応策にはどのようなものがあるかを広く紹介していく本。良書。

温暖化対策としてカーボンニュートラルのような緩和策は広く喧伝されているが、この気候変動にどのように適応していけばいいかを扱ったものが珍しく感じて手に取った。気候変動から我が身を守るには、自身の扱う産業への影響にはどのようなものがあるか、といった内容で身近に感じられる例も多い。

温暖化に伴う影響の例として、高温化、浸水被害、伝染病の流行、生息域の北限上昇などが挙げられている。北極海航路が生まれて欧州との距離が6割程度まで減る可能性の話も。

温暖化に対する緩和策を実施しつつも、備えだけでなく気候変動を有効に活用するような立ち回りができないかを考えさせられる本だった。

よくわかる最新センサ技術の基本と仕組み

thumb図解入門 よくわかる最新センサ技術の基本と仕組み松本光春(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4798060925

IoTなどにつかわれるセンサがどのように値をとっているかを解説している本。いわれてみれば光センサや温度センサがどのように値をとっているのかを知らなかった。

光や温度によって抵抗の変わる部品を組み込んで電圧を測定したり、電極の移動で加速度を測定したり、金属の伸び縮みで変化する抵抗を測定したり。こうやって値を取ってるのかとさわりの部分だけではあるが知れた。

新版図解 江戸の間取り

thumb新版 図解 江戸の間取り安藤優一郎(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4801307191

江戸時代の各建物の間取りを介して江戸に住んだ人々の生活を解説していく本。

江戸城や大名屋敷の間取りといった大きな建物だけでなく、裏長屋や湯屋、宿場町といったより生活に即した建物の間取りを知ることができる。

特に興味深かったのは町人地の間取り。火事の多かった江戸で防火建築に力を入れた商人と、燃えること前提に建設費を抑えて簡素な作りにした長屋の対比が面白かった。