いつもの。
結婚の社会学
結婚の社会学 (ちくま新書 1789)阪井裕一郎(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/448007614X
結婚をめぐる常識がどう変遷してきたか、国によってどう違うか。
仲人を介した結婚が正しい結婚という社会規範の広まった明治時代、人口政策と優生政策をベースに設置された公営結婚相談所、性別役割分業家族と職縁結婚の増加といった史実が前半に語られる。
後半は、欧米社会で進みつつある出産・子育てが結婚から分離する現象、日本の事実婚が夫婦別姓のために行われているという特殊性、同性婚をめぐる対立などについてが語られている。
時代と国による結婚に対する認識の違いを多々知ることができ、結婚という制度に対して読む前と少し違った視線を向けられるようになった。
デジタル時代の恐竜学
デジタル時代の恐竜学 (インターナショナル新書)河部壮一郎(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4797681381
恐竜の化石に対してCTやMRT、フォトグラメトリ、3Dプリンタなどのデジタル機器を使うとどういうことがわかるのか。
化石を岩石から取り出さずにCTスキャンして3Dプリンタで骨格模型にする、シミュレーションをして軟組織の大きさを推測する、ティラノサウルスの神経分布から行動を予測するなどなど。
デジタル技術が古生物研究にどう生かされているのかを知ることができ、とても興味深い本だった。
日本語と漢字──正書法がないことばの歴史
日本語と漢字──正書法がないことばの歴史 (岩波新書 新赤版 2015)今野真二(著) .https://www.amazon.co.jp/dp/4004320151
漢字に焦点をあてた日本語の歴史。日本語は文字化の選択肢が複数あること、意味は分かるが音読できない古典籍があることに注目しながら、日本語における漢字の使われ方についてみていく。
「漢字によって日本語は文字化できる。できるけれども、「微調整」できればもっと日本語の形がはっきりする。」と、日本語を文字化する際の主役が漢字であり、微調整のための仮名がうまれた。そのため仮名がうまれても漢字を捨てなかったという考えになるほどとなった。
また、「和語を漢字によって文字化するためには、和語の語義と漢語の語義のすりあわせが必要になる。」「和語を文字化する漢字が次第に絞られていく」と、漢字のあてかたの変遷を見ていく。
漢字の読みを当てるゲームとかが話題になったりするが、漢字の読み方はもっとゆるくてもいいのでは、書き手の心理に寄ったものでもいいのではないかと思ったりした。