2022年6月に読んだ本

いつもの



実践 医療現場の行動経済学

医療現場で起きる問題に対して、行動経済学の視点から解決できないかを模索したケース集。

医療における行動変容について実際の事例をもとに説明している。

 

手指消毒の遵守率は医者が説くよりもマスコミで繰り返し報じたほうが向上した。HPVワクチンを本来の接種状況に戻すために参考となる研究、ステロイド忌避の患者にどう対応するか、など。

 

私は医療従事者ではないが、行動変容の事例集として読んでも、現在の医療問題を把握する本としても面白かった。

この本が出る前に理論編として『医療現場の行動経済学: すれ違う医者と患者』という本もあるみたいなので今度読んでみる。

 

思考を哲学する

 

思考を哲学する

思考を哲学する

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思考とはなにか、近代化で思考のアウトソースが進んでいるのではないか、という講義をまとめた本。

そもそも思考とは何かから始まり、スキル化された思考やポリコレによる停滞、理論に追従する現実など。

難しい内容ではあるのだが、講義形式の文体で例え話も多くあり、読み解きやすかった。

言葉によって対象を分け認識するが、初めに分けられるのは「世界」と「私」であり、それは身体の自覚から得られる、という考えは頭にとどめておきたい。

 

湖の科学

 

湖について陸水学の視点から見る本。湖に対する視点が変わる良書。

湖の水の流れ、棲む生物、地質、人間社会など湖に関する総合的な研究がコンパクトにまとめられている。

日本語版を出すにあたって日本の湖沼、特に琵琶湖についての加筆がされている。

 

ウイルスの進化史を考える

ウイルスの進化史について。

ウイルスの変異あたりの細かい話ではなく、そもそもウイルスがどう発生したか、どのように機能をそぎ落としたり、生き物に入り込んだりしたかについて考察している。

わからないことが多いので妄想話が多分に含まれると但し書きをつけながらも、RNAウイルス・DNAウイルス・レトロウイルスそれぞれの特徴と進化の歴史をたどっていく。

 

包丁研ぎの技法

包丁の研ぎ方が味にどう影響するかを追及している人が書いた本。

食材と砥石の番手、包丁や砥石の製法の違い、研ぎ方、天然砥石についてなど。

料理人に向けて書かれた内容なので家庭に適用するのはもちろん過剰だが、刃の状態と味、研ぎ方は普通に参考になりそう。

うっかり6000番あたりのレジノイド製法で作られた砥石が欲しくなってきてる。

 

物理学の野望~「万物の理論」を探し求めて~

かなりかみ砕いて解説された物理学史。高校時代に読みたかった本。

古代ギリシャから相対性理論までの歴史を「万物の理論」という物理学が目指す最終目的地を主軸に書かれている。

地動説やニュートン力学、相対性理論が物理学にとってどのような意味を持つのか、なぜそれがすごい発見と呼ばれるか、物理学は最終的にどこを目指しているのかについて書かれていて、受験勉強として物理をやるまえに知っておきたかったね、となった。