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2021年5月に読んだ本

いつもの。

今月は特にいい本多め。

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UXデザインの法則 

 

ヤコブの法則やミラーの法則など、画面のデザインをするうえで有名な法則・効果をまとめたもの。良書。

どこかで聞いたことはあるもののちゃんと意識出来てなかったなという心理学の法則や理論が2020年の実例と共に並べられ、耳が痛い……となる。

そして、いま作ってるプロダクトが思い浮かんで「あの部分はこうすればもっと良くなるのでは……?」ともなる。

Webサイトのデザインするひとは一冊手元に置いておくと吉。

 

感じる認知科学

ヒトはどのように外界情報を知覚しているのか、について。

各インプット器官の仕組みや脳内でどのように受け取るのかといった話題や仮現運動、境界拡張、錯覚、プロテウス効果などに至るまで。

感じるとは何か、についての認知心理学が、さながら大学講義一般教養1単位分の教科書っぽくまとまっている。

 

「認知科学のススメ」というシリーズの1冊らしいので他のも読んでみるつもり。

 

デザイニングWebアクセシビリティ

アクセシビリティの高いWebサイトをつくるための設計や考え方。

かなり基本的な部分の解説でLightHouseのスコアを100にする段階でカバーできそうな内容。

 

先月、姉妹本の『コーディングWebアクセシビリティ』を読んだのでこちらも手に取ったが、より発見があったのは『コーディングWebアクセシビリティ』の方。とはいえ、Web初心者ならこっちも学んでおいた方がいいよねという内容になっている。

しかしながら、姉妹本を名乗るなら判型揃えてほしかった。

 

 

ここまでがお仕事系の本。

 

悪魔の細菌 超多剤耐性菌から夫を救った科学者の戦い 

抗生物質が全く効かない細菌に感染した夫を救うために、ウイルスで細菌を制するという未知の治療を試し、勝利したノンフィクション。

 

そのまま映画になりそうな実話。

 

研究者としての冷静な対応と妻としての動揺を行き来しながら、必死に治療法を探す臨場感ある手記。

どの治療法も効果がない…という前半の絶望的な状況から、ファージ療法という世界に一人握りしかいない研究者たちが協力し調剤ができ治療が始まっていく経緯が非常にドラマチック。そして出てくる研究者たちがとても格好いい。

 

生命理工学系の研究室出身の人、ぜひ読んで。

 

忙しい人のための公衆衛生

公衆衛生初心者向けに背景と概略を国試を例題にしつつ解説する本。

 

前半で国民の健康に関する行政の取り組みとその根拠路なっている法を見ていく。

後半で統計の読み方と活用方法。

おそらく医学部や薬学部の1~2回生向けに書かれたテキスト。しかしながら、一般会社員が読んでも理解できるくらいに嚙み砕いて書いてある。

 

そもそも公衆衛生とは、から始まって保健所や産業保健医がどういった法律に基づいておかれているのか、衛生統計の考え方と計算法にいたるまで、初歩となる知識を幅広く解説してくれている、という印象を持った本。

 

利用者の“動き出し”を引き出すコミュニケーション

利用者主体の介護を行うためのかかわり方について。

介護者がどう声かけすれば利用者に受け入れて協力してもらえるのかを具体的な例とともに述べる。

 

介護者向けの指南書ながら、ミルトン・エリクソンの症例集みも感じた。

この声かけの考え方を操作ナビゲーションとしてUXにうまく組み込めないかな…と思いつつ読んだ。

 

分子調理の日本食

オライリーのガストロノミー料理本。

 

箸でつまめるお吸い物やしゅわしゅわな手巻き寿司など一風変わった料理のレシピと原理の解説が載っている。

実用的かといわれると完全にNoなのだけども、こんな料理出来るんだ……という刺激が得られる。

 

超音波乳化ラーメンよさそうだなと使う機材をググってみたら数十万って出てきて、おおぅとなったりした。

個人的にはガリをシート状にして折り鶴として鮨に添えたのが一番好き。

 

北欧式インテリア・スタイリングの法則

インテリアの原理原則について解説する本。

 

インテリアの作例をずらずら並べる本はよくあるけども、その背景にある原則や考え方についての解説をメインに置いた本はなかなか見ない。

こだわりのインテリアを模索しているひとは手元に置いておくと、良い指針となるかと。

視覚的重さや余白、導線、配色など多岐にわたって解説されてる。

 

ヘンな科学

イグノーベル賞を受賞した研究を紹介する本。

 

変わった研究・滑稽な研究という印象のあるイグノーベル賞だが、ちゃんと背景や問題提起があって、どう研究したかがわかりやすく説明されている。

 

今年も日本人がイグノーベル賞を取ったぞ、くらいの記事はよく見るが、この本は受賞した研究がただ面白いぞというだけでなく、数年前のイグノーベル賞受賞者にインタビューを行って、この研究のおかげで事故の軽減や農作物生産に役立っているという後日談も載っている。良い。

 

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