いつもの。
今月はちょっと少なめながら全部いい本。じっくりと読み解いてたともいえる。
選択と誘導の認知科学
認知科学のススメシリーズの1冊。人の選択に関わるバイアスについて。良書。
注意の張り紙はなぜうまくいかないのか、臓器提供のデフォルト効果をどう考えるか、ペプシ・パラドクス現象が起きるのはコーラよりもペプシのほうが味が説明しやすいからではなど、人の選択が持つ癖やその癖を本人がどう認識するのかについて。
この本がとても良かったので同じ著者の本を探してみたら、どうやらこの1冊しか単著ないっぽい(教科書とか協会の出版本に分担執筆はいくつかある)。とりあえずオープンアクセスの論文がいくつかヒットしたのでそっちも読んでみようかと。
食の文化史
1975年の食文化考察。
日本での肉、野菜、米、パン、牛乳などの扱いがどう変遷したかについて。
半世紀近く前に書かれた内容だが、その時点で米離れや正月のおせちへの飽きなどが言われてた様子。
知らなかったことが多々あり、雑学の本としても面白い。
情報社会の<哲学>
マクルーハンのメディア論とルーマンの社会システム論から情報社会を体系的批判する本。
哲学用語がバンバンでてくるため、読み解くのに時間がかかったが読んだ甲斐はあった。
情報社会の構成要素が人間ではなくコミュニケーションにあり、それ行うノードとして人間やロボットが置かれる。そしてシステムに寄与しない場合バッファとして外部に排除される。
『ホモ・デウス』に出てくるデータ至上主義を1個上のレイヤーから見てる感じがした。
「役に立たない」研究の未来
基礎研究の現状とこれからというテーマの座談会イベントをまとめたもの。
選択と集中はゼロイチと両立できない、科学の有用性についての議論はいつからなぜはじまったのか、など。
議論のタネになる、人にオススメしやすい本。
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