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2020年9月に読んだ本

いつもの。

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WORLD BEYOND PHYSICS:生命はいかにして複雑系となったか

この世界は機械ではない。ねじ回しのすべての使い道を列挙できないのと同じように生命の進化についても事前に言い当てることはできないのだ、という本。

ラプラスの悪魔という、ある瞬間における全ての物質の力学的状態と力を知ることができるなら未来を見通せる、という概念を理論生物学者が反論していく。

例えばアミノ酸には20種類程度しかないこと、心臓の機能は血液を送ることであって赤いことやドクンドクンと音を立てることは機能ではなく因果的結果であること、心臓が臓器として存在するのは1つの因果的結果を機能として利用できることに気づいたからであること、など。

確実に良い本だが消化しきれてないので後日読み返す。


改訂新版 人間 この未知なるもの

人間とは何か。その概略を示そう、という本。

原著が85年前に書かれたものらしいのだが、数年前の本と言われても違和感はない。

内容としては人間の身体はどう動いてるかとより良い人間になるにはどうすればいいか。

人体のしくみ、みたいな本とリチャード・テンプラーのRulesシリーズが合わさったみたいな本だなと思った。

わさびの日本史

日本固有の植物であるわさびの歴史を、飛鳥時代から現代に至るまで追っていく。

ちょっと良いわさびを買いたくなる本。

日本で栽培が始まった作物ってすごく少ないらしく、わさびは数少ない日本発の栽培種の1つ。

利用のはじまりもよくわかっておらず、飛鳥時代から取引の記録っぽい木簡が発掘されたのが記録上一番古いとのこと。

江戸時代に寿司ブームと徳川の力で流行ったが、現代では需要が減っており、後継者がいなくなると後継者と一緒に栽培種が消えてしまう問題が起きてるとのこと。

日本菌類百選

日本菌学会が出版する日本に分布するキノコ・カビ・酵母などの菌を100種紹介する本。

1ページ1種でその菌に詳しい人が特徴や見分け方、利用法などを寄稿しまとめている。

「このキノコは食べられるよ」と堂々と書いてる本はかなりレア。

だいたいのキノコ本は ※キノコが食用に適するかは専門家の指示に従ってください みたいな注釈で濁してるので。さすが専門家による本といった感じ。

とうがらしの世界

とうがらしの研究者による、世界のバラエティー豊かなとうがらしとその使われ方を紹介する本。

辛さにつよいタイ人でもやっぱり辛いものは辛い、らしい。辛味に鈍感になったわけではなく辛味に耐える能力を獲得したとのこと。

あとは案外チョコととうがらしが合うとか、とうがらしの辛い部分は隔壁(中にある壁っぽいスジの部分)だけで種や果肉にカプサイシンは基本的に存在しないとか。

Q&A はじめよう!シカの資源利用

シカを資源として活かすには、をQ&A形式で答える本。

獣害を減らしていくためにどうすればいいかが端的にまとまっているので、シカに困っている自治体で回し読みするのにちょうどよさそうな感じになっていた。

保護区・狩猟区・資源利用区に分ける、ジビエだけでなく皮革や角を活用する、海外での成功例などが書かれている。

ことばのトリセツ 

言葉の語感について。

ブーバキキ効果のように音が人に与える印象の違いについて考察していく。

芸術家のすまいぶり

アーティストの住まいとアトリエを取材する連載がまとめられた本。

THE 仕事場といった空間だけでなく、私空間まで。

写り込んでいる日用品的な小物にアーティストならではの審美眼を感じた。

PRIMITIVE TECHNOLOGY 

同名のYoutubeチャンネルの著者による解説。

石・木・草と言った森にあるものから、斧やカゴ、小屋や窯を作るチャンネル。

上半身裸のお兄さんが無言でもくもくと作業をする動画なので、何をしているのかやどういう構造になっているのかなどが雰囲気でしかわからなかったが、この本では図で解説していてより理解しやすい。