いつもの。
遺伝子命名物語
ユーモアな遺伝子の名前を入り口に、その命名者兼発見者となった研究者にスポットを当て、そのドラマを見ていく本。良書。
ムサシやマージャン、ユーリイ・ガガーリンなど特徴的な名前を付けられた遺伝子について、その遺伝子がどう見つかったのか、そして何を思ってその名前を付けたのかを、当の研究者へのインタビューを交えながら紹介する。
10の題材を紹介。それぞれに発見や命名までの物語があり、プロジェクトX的な読後感がある。生命科学研究者の研究模様を感じ取れるのも良い。
細胞競合や平面内極性など難しい言葉は多々あるが、難しいはずの研究内容がなぜかとても読みやすい。
「最近何か面白い本あった?」と聞かれたら、しばらくこの本挙げる。
小説みたいに楽しく読める生命科学講義
文理学部生向けの生命科学講義をまとめたもの。遺伝とDNA鑑定、公衆衛生、遺伝子組換え・ゲノム編集など。
大学時代の一般教養の講義っぽい感じで、取っ付きやすい生命科学のコンテンツをもってきてる感じがあるので読みやすい。
数の発明
数を数える能力と数を必要としない文明について。
アマゾンの先住民や未成熟児の数に関する捉え方を見ながら、数えるという能力が先天的なのか後天的なのかを見ていく。
言語習得以前や数を持たない文化でも、少ない量であれば正確に、大きい量はおおまかに区別できるようす。
手の指が10本だから10進数がメジャーだが、過去には足の指も含めて20進数を主にした文化もあった様子。
p値は0.1や0.01を設定しがちだが、その数字はたまたま人間の指が10本あるから設定されたに過ぎない、という論は頭の片隅に置いておきたい。
お抹茶のすべて
抹茶の生産、歴史と推移、点て方など。茶道の本はよく見かけるが、抹茶そのものについての本はあんまりない。
ハーゲンダッツ・スターバックスによる抹茶ブーム当時の様子と、碾茶の入札で勘案する部分についてが、問屋ならではの視点という気がして特に興味深かった。
和家具の世界 歴史とくらしがつくってきた日本の美
和家具の歴史を俯瞰する資料的な本。棚や箪笥がメイン。
商人のつくらせる豪華絢爛な棚や外への販売を通して装飾に力が入っていった仙台箪笥などは見ていて楽しい。
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